みなさま、楽しいお正月をお過ごしのことと存じます。
〝チエちゃんの昭和めもりーず〟を今年もよろしくお願いします。
子どもの頃のお正月の楽しみと言えば、何と言ってもお年玉です。
昨夜、元朝詣りを済ませてから休んだチエちゃんは、元日の朝、遅い時間に起きました。
もう、家族みんなが起きています。
茶の間に行き、「明けましておめでとう」のあいさつをしました。
すると、おばあちゃんがおめでとうと返事を返しながら、お年玉をくれました。
おじいちゃんも、
ばあちゃんがやったんなら、じいちゃんもくれなんねえな
そう言って、財布を取りに自分の部屋に行きました。
おじいちゃんとおばあちゃんは、孫の喜ぶ顔見たさに財布の紐が緩みます。
チエちゃんは内心「やったあ」と大喜びです。
お母さんからも、お父さんとお母さんの分としてお年玉をもらいました。
こうしてもらったお年玉を何に使ったのか、これについてはあまり記憶がありません。きっと、マンガ本とか駄菓子とかしょうもないことに使ってしまったのでしょうが、自由に使えるお金というのは、とにかくうれしかったものです。
ただ、チエちゃんにはお年玉に関する嫌な思い出があります。
この地方では、お正月に親戚同士が年始の挨拶にお互いの家を訪問するという風習がありました。お歳暮を贈らない代わりに、年の始めに何がしかの贈り物を持って訪問し、頂いた家ではご馳走して歓迎します。
この時に、子どもたちは親戚のおじさんから、お年玉を頂いたものです。
チエちゃんが中学生になったとき、弟たかひろ君は小学3年生でした。
中学生と小学生ということで、おじちゃんはチエちゃんには2千円、たかひろ君には千円のお年玉を渡したのです。
チエちゃんはなんだか弟がかわいそうでした。
いくら年が違っても同じ姉弟なのに、差をつけるなんて。
チエちゃんは大人になったら、絶対にお年玉で兄弟姉妹に差をつけることはしないと誓いました。
だから、今でもこの誓いは守っています。