チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

ようこそ! チエちゃんの昭和めもりーずへ

はじめての方は「チエちゃん」のカテゴリからお読みいただくことを推奨しています。 もちろん、どこからお読みいただいてもかまいません。

第32話 ベンチャーズ

2007年01月20日 | チエちゃん
 おばあちゃんが凍み豆腐作りのお手伝いをしている頃、チエちゃんはどうしていたのでしょう。

 にしゃばあちゃんには3人の孫がいました。
長男の賢一兄ちゃんは、すでに社会人でしたが、二男 賢二兄ちゃんと、三男 賢三兄ちゃんは年子の中学生でした。この兄弟は女の子の兄妹がいなかったせいか、チエちゃんを妹のように可愛がってくれたものでした。

 やんちゃな賢三兄ちゃんは、チエちゃんにチャンバラごっこを教えました。
優しい賢二兄ちゃんは、チエちゃんのおままごとの相手をしてくれました。
だから、チエちゃんはどちらかというと賢二兄ちゃんが好きでした。

 ある時、賢二兄ちゃんがチエちゃんを呼びました。
奥の座敷に行ってみると、そこにはレコードプレーヤーがありました。

賢二兄ちゃんが掛けてくれた曲は、三橋美智也の「星屑の街」です。
チエちゃんが初めてレコードで聴いた曲です。

 それ以来、チエちゃんはにしゃばあちゃん家に行くと、賢二兄ちゃんがいる時はレコードを聴かせてくれとお願いしたものです。

三橋美智也「古城」、舟木一夫「高校三年生」、橋 幸夫&吉永小百合「いつでも夢を」、北原謙二「若いふたり」などのレコードに混じって、横文字のレコードがありました。

 それは、エレキギターをメインに演奏するバンドの歌のない曲。
それが「ベンチャーズ」の「ダイヤモンド・ヘッド」と「パイプライン」でした。
一度聴いたら忘れられないメロディ。幼いチエちゃんの心をもトリコにした曲。
現在、聴いても新鮮さを失わない、素晴らしいメロディ。

 中学生になるまでビートルズは知らなかったけど、ベンチャーズは知っていたチエちゃんなのでした。