チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第133話 だんごさし

2008年01月16日 | チエちゃん
 チエちゃんがタミ子ちゃん家に遊びに行った時のことです。
タミ子ちゃん家は、チエちゃん家よりも、ずっと古い百姓家屋で、太い柱や梁は煤けて黒光りしています。神棚のそばの一角に、きれいなお飾りがあったのです。

 木の枝に、最中の皮の様なものでできた鯛や俵、打出の小づち、大判小判がぶら下げてあります。枝の先には、丸いおだんごが刺してあります。
これは、チエちゃんちでは見かけないものです。

 家に帰ったチエちゃんは、早速おばあちゃんに尋ねました。

 あれは、だんごさしって言うんだ!おらいでは、やんねげんちょもない

 ふ~ん・・・

 だんごさしは、小正月の行事で、だんごの木(みず木)にだんごやふなせんべいを飾って、五穀豊穣、一家繁栄、無病息災を祈願する行事です。

 今頃になって、あの時「よそではやっているのに、どうしてうちでは、やらないのか?」と聞いておくのだったと後悔しています。
チエちゃん家では、お月見もやらなかったし、だんごさしもやりませんでした。
だんごに関する行事はやってはいけないという家訓でもあったのでしょうか?

 現在では、写真のように神社やスーパーで売っているお飾りを買い求める家庭が多いようです。