暗いニュースが続く中で、荒川選手の金メダル獲得に救われた気持ちになったが、浮かれ過ぎて便乗商法まで飛び出した。果てには、スケート連盟の不透明な資金運営事件まで発覚して、またまた暗い気持ちにさせられた。
荒川選手が身につけていたグッズが人気を呼ぶのは微笑ましいが、「イナバウアーそば」や「イナバウアーどんぶり」まで登場する始末。普通のそばや丼めしに海老を乗せて、形が上体をそらした姿勢に似ているから名付けただけのもの。
便乗商法といい、動物園のかわうその仕草がイナバウワーに似ていると取材するメディアの騒ぎ方といい、軽薄さだけが目立つ。それ以上に、荒川選手を追いかけ回し、ひっぱり出したために大切な競技生活にまで悪影響を及ぼした罪を反省すべきだ。世界選手権出場辞退に追い込まれたご本人も辛いだろうが、急遽、代理出場が決まった恩田選手に同情する。大会が迫った段階で、十分な備えが無い選手を送る必要があるのだろうか。
スケート連盟の不祥事件は氷山の一角ではないのだろうか。これを機に、各種アマチュア・スポーツ連盟の運営や選手選考方法など、不透明な運営体質にメスを入れるべきだ。メディアに対し、社会的責任の自覚を促したい。