プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★経営者もワーキングプア?

2007-02-13 10:05:06 | 日記・エッセイ・コラム

 「働けど働けどなお わが暮らし楽にならざり じっと手を見る」と、100年近く前に詠んだ歌人がいた。格差社会のことを詠んだものではなかったが、「ワーキングプア」といった訳の分からぬ造語が登場すると、現代を皮肉っているように響く。

 ワーキングプアとは、働いても報われない派遣社員やパート労働者を指すのかと思っていたら、高名な金融コンサルタントが昨日の某紙に、とんでもないエッセイを書いていた。

 概要は、「格差問題を議論するとき、労働者にスポットを当てているが大事な論点を見落としている。経営者は孤独で責任も重く、雇用保険ももらえない、給与も減額される。労働者は上司を悪者にして文句を言えるが、経営者は大変だ」というものだ。途中を省略するが、「共産主義、社会主義は、美しい理想と理念を持っていたにも拘らず、大失敗してしまった。そして国民全体をプアにしてしまった。リアルなビジネス現場を知った上で政策を立案しないと、国民全体が大変な目に遭う」(原文引用)と結んでいる。

 勿論、中小企業主や自営業者を意識してのことだが、資本主義社会においては、「経営者=強者、労働者=弱者」との基本的な構図は否定出来ない。経営者には、責任の重さ以上に、仕事のやりがいという金銭で評価出来ない別の喜びがあるはずだ。氏の主張が間違っているとは言わないが、小泉政権のブレーンを務めた人の言葉だけに、妙に心にひっかかった。