7月16日に発生した「新潟県中越沖地震」は、既に死者9人を数え、さらに被害が広がっている。2004年にも中越地震が起きており、今年3月の能登半島地震を加えると、「震度6以上」の大地震が北信越地方に集中している。
季節外れの台風4号が太平洋側の都市を襲い、地震が日本海側を襲った。日本列島は、まさに「災害列島」と呼ぶに相応しい。これから台風シーズンに入ると、沖縄・九州は定番の通過ルートになる。個人レベルでの対策には限界があり、国土全体の予防保全を行政に期待したい。
「いつ、何が、どこで」発生するか、予想出来ないのが災害だけに、難しいことは承知している。しかし、河川の氾濫や土砂崩れ、或いは、道路陥没などの被害は、ある程度の対策が可能のはず。山の中腹にトンネルや取り付け道路を作れば、下の集落への影響は必至だ。自然の地形や生態系を不自然な開発で、歪みを生じていないか総点検し、秩序ある国土の保全に予算を投じて欲しい。
公共工事を一律に削減するのは成果ではない。防災対策や車道・自転車道・歩道の整備などの国民生活に真に必要な公共工事に振り向けない愚が問題だ。せめて、アメリカの新型戦闘機を買うお金があるなら、それを災害対策費に回してほしい。限られた財源だからこそ、「美しい国創り」のために、予算の傾斜配分が大切なのだが。