1月の沖縄「八重岳さくらまつり」に始まり、桜前線の北上に合わせて桜の名所を訪ねた旅も弘前と津軽鉄道の芦野公園で終った。大型連休明けでも十分楽しめるとの情報をたよりに、満を持して弘前公園を訪ねたのだが、公園入り口に「桜散り情報」の高札を見つけ、ガックリ。連日の好天で満開が早まったとの釈明文まで添えられていた。 天守閣を仰ぐ名物スポットは、大勢の花見客で混雑していたが、主人公は五分散りで色あせていた。
「花吹雪と花筏を楽しむ」ことにして、園内をゆっくり散策した。心の持ち方次第で、違った風情を感じるから不思議なもので、日頃、見過ごすような景色に目が向いた。
通称「桜のトンネル」方面へと抜ける道筋に、桜の木々の間に大きな銀杏の木の根が存在感を示していた。 ピークを過ぎたとはいえ、遅咲きの桜も多く、花見気分を味わうことはできた。
「日本一太い桜」の巨木も見事だし、お濠に散った花ぶらに浮かぶボートも風情があった。
金沢が誇る兼六園の5倍にあたる2600本をこす桜の織りなす花模様は本当に心を癒してくれた。
桜の美しさは、散り際が見事だからこそ際立つのだと思う。