昨夜、春風亭昇太・柳家花禄二人会の笑いの余韻を抱えて帰宅したら、佐渡裕さんがベルリン・フィルの定期演奏会で指揮をとるニュースに接した。最近、暗いニュースばかりだけに、快哉を叫びたい。
ベルリン・フィルは、カラヤンが30数年にわたり黄金時代を築いた世界屈指のオーケストラ。過去、ベルリン・フィルで指揮をとった日本人は、小澤征爾だけで二人目の快挙になる。佐渡さんは、指揮台の上で飛び跳ね、激しく腕を振って汗が飛び散る程、情熱的なスタイルが特徴だ。
彼は、今年2月にパリからベルリンに引っ越し、その夜に訪ねたレストランで、小澤さんに偶然会ったとか。その後、待望の第一子が誕生。指揮決定の朗報が届いたのも、彼の49歳の誕生日前日というのも、何か因縁めいている。
と同時に、小学校の卒業文集に、「将来の夢は、ベルリン・フィルで指揮をとること」と書いていたエピソードは、彼の志の高さを物語る。バーン・ステイン最後の弟子で、小澤征爾に見出された彼が、来年5月、ベルリンで指揮をとる姿を隠れたサドラーの一人として、心待ちにしている。