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時悠人chosan流処世術

★一隅を照らす(1/2):皮肉な現実

2011-03-17 10:03:02 | 日記・エッセイ・コラム

 東日本地震の影響は、それが強烈な分、置き去りにされた現実に思いが行く。東電の計画停電による混乱は、情報伝達の不首尾が最大の要因だが、与えられた情報の範囲内で知恵を働かせるのが人間力だ。

 二日連続で停電の対象になった前橋に住む80歳の義母もその一人。昼間、一人で過ごしているが、僅か3時間の停電でもオール電化の家では、何も出来ない。どうやって暖をとっているのか心配なので、今後も続くようなら、金沢へ来て貰おうと提案した。

 妻が電話したところ、いつ停電しても良いように、お湯を沸かして”湯たんぽ”で布団を温めていると言う。懐かしい遺物だが、これで十分、持ち堪えることが出来ると本人は平然と構えていて安心した。

 豆腐や納豆等、入手出来ない食料品もあるようなので、宅配便で送ろうとしても、生鮮食料品は取り扱って貰えない。上越新幹線は運行しているが、前橋~高崎間が不通なのでこちらからも行けない。群馬県ですらこうした状況だから、水戸の義妹夫婦には何も出来ないでいる。

 誰もが、被災地救援が最優先と言いながら、義援金を拠出する一方で、買いだめに走る巨大都市東京の影響が遠く離れた所にまで広がっている現実を皮肉に思う。首都圏での買いだめ現象は、かつてのオイルショック時のトイレットペーパー騒動を想起させるが、連日のマスコミ報道が視聴者の不安感を煽り立てている側面を見逃せない。