東日本地震の救援活動は、政府が国の威信をかけて懸命の努力をしている。NHKは、刻一刻、変化する現地の情報を伝えている。それでも現地からは、「国から必要な情報が直接入ってこない」と、苦言を呈する。
誰も経験したことがない大災害時には、混乱はつきもので、全ての関係者が満足する筈が無く、お互いに少しずつがまんするしかない。「天罰」発言は行き過ぎだが、高度な成熟社会で豊かさに慣れ切っていれば、非常事態でも、「あれもない、これも無い」、或いは、「何もしてくれない」と不平不満を行政にぶつけてしまう。
そして、もっと厄介なのが、メディアが情報を深化させることだ。必要最低限の情報は必要だが、それ以上の詳細情報は、人心を惑わせる悪弊でしかない。国民への広報媒体は、NHKに一元化した方がよい。民放が現地情報を取り扱いたいなら、NHKの補完に徹し、民放各局が県別に担当を割り振る位の調整をしたらどうか。
「新燃岳の噴火はいまどうなっているんだろう?」「分からない」。「NZL地震の日本人留学生のその後は?」「知らない」。「リビア情勢は?」「私が知るわけないでしょ!」。老夫婦の会話がどんどん険悪になり出したので、ネットで検索すれば済むことと口をつぐんだ。