私が、毎月、通うクリニックに置いてある一冊の本「誕生日の花と今日の一句」は、診察を待つ間に読むには、実に都合がよい。
時々、好きな俳句をメモ用紙に書きとめていたが、最近、ボケ防止策として暗記することにした。帰宅したら、忘れていた、なんてことも度々だが、メモをとらないと、真剣味が違ってきて有効だ。
ついては、17文字の意味を租借し、自分なりの情景を思い巡らせ、退屈しない。また、傍注の選評を読むと、さらに作品の背景と奥深さを理解でき、味わい深く、楽しくなる。
今日は、「みだれ髪 路地吹き抜ける 風のあり」を憶えた。選評には、「風呂あがりに裸足で、浴衣姿の女性が目に浮かび、江戸風情が漂う」とあった。
学生言葉の 「よさのる」とは、与謝野晶子の「よさの⇒みだれ髪⇒髪が乱れる」と連想し、「今日は、頭の髪がよさのってる」と言うとか。美空ひばりの歌しか思い浮かばない私とは、余りにも感性が違うと驚いている。