6月~7月は谷崎潤一郎の本を2冊読みました。
「細雪」と「痴人の愛」です。
「細雪」は、文庫本で1,000頁近くある長編です。
時は昭和10年代、お見合いで伴侶を見つけようとする雪子(3女)の縁談と
自由恋愛派の妙子(4女)に、幸子(次女)夫婦が振り回されるという内容。
ありていに言えば、婚活小説ですが、それに阪神大水害(昭和13年)や紀元
二千六百年祝賀、亡命ロシア人の話などがからめてあるので、読者を飽き
させません。
時間つぶしとして、おすすめできる本です。
「痴人の愛」は、ピグマリオン(ジョージ•バーナード•ショー作)とマノン
レスコー(アベ•プレヴォ作)が一緒くたになったようなストーリーでした。
この本を読んでいる間中、沢田研二さんのヒット曲の一節「堕ちてゆくのも
幸せだよと」が、頭の中にこだましていました。
ファム・ファタール(男たちを破滅させる女)と呼ばれる、マノンやナオミ
のような女性がいるのですね。
なりたくても、なれませんが...。
谷崎作品、意外と読みやすかったので、他の代表作にも挑戦してみたいと
思います。