コーチkazuの「夢が実現!」 http://www.katch.ne.jp/~k-kami/

コーチ日本1のkazuさんが満を持してブログに登場!教育コーチを日本に広めた第一人者として、東奔西走しています。

人はバランスを取ろうとする

2017-03-14 06:20:45 | Weblog
人は誰かからホメられたり認められたりした時に、
どんなリアクションをとる傾向があるでしょうか?

多くの場合
「いや、それほどでも」
「まだまだですよ」
「あなたほどでは」など、
謙遜したり
相手をホメたりして
心のバランスを取ろうとする人が多いようです。

ところが逆に、
人からけなされたり否定されたりすると、
反撃したり拒絶したりするものです。

この、
相手を認めるというコミュニケーションを応用した
セールストークを考えてみます。
生命保険のセールスパーソンTさんと、
特にニーズを感じていないBさんの会話です。

Tさん:一応保険屋なので、話だけでも聞いてもらえませんか?
Bさん:今は特に入る気はないですが、
    それでもよければいいですよ。
Tさん:ありがとうございます。
    ところで今、 ○○生命さんの保険に入ってらっしゃるんでしたよね。
Bさん:そうなんです。
    しかも生命保険と養老年金の両方に入っています。
Tさん:じゃあ、もうバッチリですね。
Bさん:えっ?うーん。
    でも、もし入院しちゃったら、
    日々の保障が手薄だからちょっと気になってるんですよ。
Tさん:なるほど。自営業でいらっしゃるから、
    何かあった時のために安心できる保障額があるといいですね。

この例では特に保険に加入する気のないBさんが、
自分から現状の課題を口にしています。

ところがもし仮にTさんが
「でも○○さんの保険ってオーダーメイドじゃないから、
あなたのニーズをすべてカバーしているとは思えないんですよね」
と発言したり、
「保険証券見せていただけますか?」と言ったら、
「別に結構です。この前御社の営業マンに見てもらったら、
『いい保険ですね、大切にしてください』って言われましたから」
という風にBさんは断られていたでしょう。

ここで使った
「バッチリですね」という言葉は、
セールスパーソンの人が良く使う言葉なのだそうです。

この手法は保険屋さんに
「その保障では足りませんよ。」と言われることを
予測している見込み客の裏をかいているのです。

売り込まれまいと拒絶している見込み客の、
利用している商品を100%肯定してしまい、
バリアを見事に解除する力があります。

コーチングでは、
相手を完全な存在だと認めて信頼するというところから、
まず関係がスタートします。
物心ついた頃からずっと家庭や学校や会社で、
欠点を治すことが求められるような社会で、
100%完全な存在であると認められることは、
大きなインパクトです。

セールスの現場でもこれを応用することで、
顧客の信頼をスムーズに得ることができるのです。