今日二回目の投稿は、「奇跡のリンゴ」の読後感。
本当は、通常の記事の後半に書く予定だったけれど、
これは今後の記録のためにも、新しい項目として
残すつもりで書きました。

まず、読み終わるなり、私の心は感動の渦の中。
木村さんの人生も感動ものでしたが、
それ以上に、自然界の生態系のすばらしさ、不思議さ、
神秘的な、人間には創り出せない緻密で、深い、
その成り立ちに、改めて感動を覚えて、泣いてしまいました。

木村秋則さんは、無農薬・無肥料のリンゴ栽培で
長い間格闘して来られました。

りんごという果物は、
実は世間では、「農薬なしで栽培する事は不可能」というのが
常識的な考え方でした。
病気や害虫が発生しやすい果物ですから。
だから、木村さんは、世間的には非常識なことにチャレンジを
続けてこられたという、いわゆる「変わり者」と呼ばれていたのです。
・・・・・・・・
ところで、木村さん、実は以前は三上さんなんです。
つまりお嫁さんのお宅に婿養子に入ったんです。
そして、木村さんの奥様の美千子さんは、
とても忍耐深く、夫に文句一つ言わず従っていった方だと評判ですが、
本を読んで、義父母がもっと偉かったと思いました。

(木村さんの畑ではありません。)
婿養子が、いわゆる「かまど(竈)けし」(津軽弁。
つまり財産などを食いつぶす人。)
ならば、当然、縁を切って、追い出しても良かった人物なんです。
しかし、木村家の人々は、秋則さんを理解し、支え続けました。
特に高齢の義父は、経済の足しにと、植物の中に棲んでいる幼虫を集め、
釣具屋に売りに行ったのだそうですよ。涙
こんなご家族が与えられていた木村さんは、とても幸せ者です。

昔々、リンゴは小さくて、少し渋かったそうです。
生食よりも加工に向きました。
そして、元々農薬を必要としなくても育っていたのです。
ところが、人間の都合によって、大きくて甘いりんごを作り出す事で、
農薬なしでは成り立たないようにされてしまいました。
いわば、人間の勝手な欲でリンゴを変えたことで
かえって人間にマイナス、りんごにもマイナスな事態になった。

そして、益虫、害虫というカテゴリーも、
人間の都合によって作られました。
人間の視点から見れば、益虫、害虫。
しかし、自然界なり、神様の視点から見ると、
どの生物も必要なもので、それらで生態系が保たれてきたのに、
人間の欲のために、生態系を守ることを考えなくなった。
でも、その生態系があって初めて人間も環境も守られているのに、
人間は、自然界を操れるかとでも思ってしまう。
木村さんは、よく言うそうです。
「人間が自然を管理していると思い込んでいるけれど、
そうではない。ただ、りんごの木の手伝いをしているだけなんだ。」と。
私たちが、一人残らず、そういう観点で自然を見、
接していったら、多分、自然環境はもっと保たれていくのだと感じます。
私たちも、一旦今までの考えを脇に置いて、
自然界の植物・生物たちの視点で物事をとらえてみると
いいと感じます。
そうすれば、益虫、害虫とカテゴライズしなくても、
それらは一つ一つ使命を帯びた、私たちと同じくらい、
無くてはならない生き物たちなのだとわかると思います。

バラを育てている私にとっても、
やはり害虫はアブラムシ、カミキリムシ、ダニ・・・
益虫は、テントウムシ、クモ、蜂・・・
こんな風に分けて、害虫は「敵」でした。
でも、ちゃんと生態系のことも考えて、
やはり農薬は使うべきではないと思いました。
かといって、酢や牛乳も、ある意味農薬の代わりに使うのだから、
害虫を殺してしまう事に違いないわけです。
そうするとやはり生態系も狂ってきます。
一番いいのは、やはりバラの株を丈夫にすること。
虫にも病にも負けないくらいに、根を丈夫にすること。
木村さんも、反省していました。
一番大切なのは、見えないところ、つまり根であるのに、
見えるところ、つまり花、実、葉ばかりに見ていたと。
やはり大切なのは、隠れている「根」、土台なんですね。

そして、今朝は、自分の庭や、バラを眺めていたら、
今までとは全く違った感動の心で見ることができました。

今年、我が家に大発生している「蓑虫」も、
数年前に大発生した「アシナガバチ」も、
きっと生態系の中で、意味のある事だったのです。
そういえば、昨年、初めて我が家に、
待ちに待った「テントウムシ」が生まれてくれました。
4、5匹ほど・・・。
アブラムシを食する虫です。
私たちが呼んだわけでは、もちろんありません。
どこからか、テントウムシがやってきて、
卵を産んでくれたのです。
こういうことは、人間にはとうていできません。
生態系がしっかり保たれていると、
バランスのいい食連鎖が起こるそうです。
つまり、害虫と言われる虫たちも、
増えすぎず、減りすぎず、
益虫と言われる虫たちも、
増えすぎず、減りすぎず。
木村さんは言いました。
生態系を壊してしまう農薬による防御は、
いつか必ず、農業自体を壊してしまう。
かつては、アメリカの大規模農場にあこがれていた木村さん、
しかし、その広大な土地は、あちらこちらで乾燥して、
砂漠になってしまったと。
かつてのソ連の大規模農場も然り。
日本の農業も、生態系を壊す農薬に頼れば、
いつか必ずツケが来ると。

この本を書いた石川拓治さんは、
エピローグで、こんなことを書いています。
木村さんは、無農薬・無肥料リンゴという、たった一つのことに
夢中になって賭けて(駆けて)きた人ですが、
聖書の中のノアにたとえています。
ノアもご存じのように、
神様から「洪水が来るから、箱船を作りなさい」と言われて、
一心に船を造りました。
周囲の目は、ノアには冷たかった。
彼を信じてついていったのは、わずかに身内の家族だけ。
そして、つがいの動物たちを何頭も船に乗せて、
長い間船での生活をしました。
そんなノアの姿を、木村さんの中に見たのだと思います。

聖書には、神が人間に対して「地を管理せよ」と書かれていますが、
私たちは、残念ながら、神様の意図する管理とは逆の、
支配的で、一方的な管理をしてきたと思います。
農薬のことのみならず、原発も然り、その他公害のことも然り。
私はたちも自然界の中で、他の生物たちと、
ともに生きていくべき存在なのだと言うことを、
もっと真剣に考えて歩まなくてはならないのですね。
人間だけでなんでも生きていける、なんて傲慢な考え方ではなく、
自然の中のすべての営みの中で、わたしたちも支えられている。
そのことを謙虚になって受け入れ、そうした思いで、
いつも感謝し、食べる。感謝し、慈しむ。
そうできたらいいですね。
是非、この本も読んでみてくださいね。
長くなってしまいましたね。(いつもですけど・・・
)
ごめんなさい。
でも、おつきあい下さって、ありがとうございます。m(_ _)m
ここあでした。
本当は、通常の記事の後半に書く予定だったけれど、
これは今後の記録のためにも、新しい項目として
残すつもりで書きました。

まず、読み終わるなり、私の心は感動の渦の中。
木村さんの人生も感動ものでしたが、
それ以上に、自然界の生態系のすばらしさ、不思議さ、
神秘的な、人間には創り出せない緻密で、深い、
その成り立ちに、改めて感動を覚えて、泣いてしまいました。



木村秋則さんは、無農薬・無肥料のリンゴ栽培で
長い間格闘して来られました。

りんごという果物は、
実は世間では、「農薬なしで栽培する事は不可能」というのが
常識的な考え方でした。
病気や害虫が発生しやすい果物ですから。
だから、木村さんは、世間的には非常識なことにチャレンジを
続けてこられたという、いわゆる「変わり者」と呼ばれていたのです。
・・・・・・・・
ところで、木村さん、実は以前は三上さんなんです。
つまりお嫁さんのお宅に婿養子に入ったんです。
そして、木村さんの奥様の美千子さんは、
とても忍耐深く、夫に文句一つ言わず従っていった方だと評判ですが、
本を読んで、義父母がもっと偉かったと思いました。

(木村さんの畑ではありません。)
婿養子が、いわゆる「かまど(竈)けし」(津軽弁。
つまり財産などを食いつぶす人。)
ならば、当然、縁を切って、追い出しても良かった人物なんです。
しかし、木村家の人々は、秋則さんを理解し、支え続けました。
特に高齢の義父は、経済の足しにと、植物の中に棲んでいる幼虫を集め、
釣具屋に売りに行ったのだそうですよ。涙
こんなご家族が与えられていた木村さんは、とても幸せ者です。

昔々、リンゴは小さくて、少し渋かったそうです。

生食よりも加工に向きました。
そして、元々農薬を必要としなくても育っていたのです。
ところが、人間の都合によって、大きくて甘いりんごを作り出す事で、
農薬なしでは成り立たないようにされてしまいました。
いわば、人間の勝手な欲でリンゴを変えたことで
かえって人間にマイナス、りんごにもマイナスな事態になった。

そして、益虫、害虫というカテゴリーも、
人間の都合によって作られました。
人間の視点から見れば、益虫、害虫。
しかし、自然界なり、神様の視点から見ると、
どの生物も必要なもので、それらで生態系が保たれてきたのに、
人間の欲のために、生態系を守ることを考えなくなった。
でも、その生態系があって初めて人間も環境も守られているのに、
人間は、自然界を操れるかとでも思ってしまう。
木村さんは、よく言うそうです。
「人間が自然を管理していると思い込んでいるけれど、
そうではない。ただ、りんごの木の手伝いをしているだけなんだ。」と。
私たちが、一人残らず、そういう観点で自然を見、
接していったら、多分、自然環境はもっと保たれていくのだと感じます。
私たちも、一旦今までの考えを脇に置いて、
自然界の植物・生物たちの視点で物事をとらえてみると
いいと感じます。
そうすれば、益虫、害虫とカテゴライズしなくても、
それらは一つ一つ使命を帯びた、私たちと同じくらい、
無くてはならない生き物たちなのだとわかると思います。

バラを育てている私にとっても、
やはり害虫はアブラムシ、カミキリムシ、ダニ・・・
益虫は、テントウムシ、クモ、蜂・・・
こんな風に分けて、害虫は「敵」でした。
でも、ちゃんと生態系のことも考えて、
やはり農薬は使うべきではないと思いました。
かといって、酢や牛乳も、ある意味農薬の代わりに使うのだから、
害虫を殺してしまう事に違いないわけです。
そうするとやはり生態系も狂ってきます。
一番いいのは、やはりバラの株を丈夫にすること。
虫にも病にも負けないくらいに、根を丈夫にすること。
木村さんも、反省していました。
一番大切なのは、見えないところ、つまり根であるのに、
見えるところ、つまり花、実、葉ばかりに見ていたと。
やはり大切なのは、隠れている「根」、土台なんですね。

そして、今朝は、自分の庭や、バラを眺めていたら、
今までとは全く違った感動の心で見ることができました。

今年、我が家に大発生している「蓑虫」も、
数年前に大発生した「アシナガバチ」も、
きっと生態系の中で、意味のある事だったのです。
そういえば、昨年、初めて我が家に、
待ちに待った「テントウムシ」が生まれてくれました。
4、5匹ほど・・・。
アブラムシを食する虫です。
私たちが呼んだわけでは、もちろんありません。
どこからか、テントウムシがやってきて、
卵を産んでくれたのです。
こういうことは、人間にはとうていできません。
生態系がしっかり保たれていると、
バランスのいい食連鎖が起こるそうです。
つまり、害虫と言われる虫たちも、
増えすぎず、減りすぎず、
益虫と言われる虫たちも、
増えすぎず、減りすぎず。
木村さんは言いました。
生態系を壊してしまう農薬による防御は、
いつか必ず、農業自体を壊してしまう。
かつては、アメリカの大規模農場にあこがれていた木村さん、
しかし、その広大な土地は、あちらこちらで乾燥して、
砂漠になってしまったと。
かつてのソ連の大規模農場も然り。
日本の農業も、生態系を壊す農薬に頼れば、
いつか必ずツケが来ると。

この本を書いた石川拓治さんは、
エピローグで、こんなことを書いています。
木村さんは、無農薬・無肥料リンゴという、たった一つのことに
夢中になって賭けて(駆けて)きた人ですが、
聖書の中のノアにたとえています。
ノアもご存じのように、
神様から「洪水が来るから、箱船を作りなさい」と言われて、
一心に船を造りました。
周囲の目は、ノアには冷たかった。
彼を信じてついていったのは、わずかに身内の家族だけ。
そして、つがいの動物たちを何頭も船に乗せて、
長い間船での生活をしました。
そんなノアの姿を、木村さんの中に見たのだと思います。

聖書には、神が人間に対して「地を管理せよ」と書かれていますが、
私たちは、残念ながら、神様の意図する管理とは逆の、
支配的で、一方的な管理をしてきたと思います。
農薬のことのみならず、原発も然り、その他公害のことも然り。
私はたちも自然界の中で、他の生物たちと、
ともに生きていくべき存在なのだと言うことを、
もっと真剣に考えて歩まなくてはならないのですね。
人間だけでなんでも生きていける、なんて傲慢な考え方ではなく、
自然の中のすべての営みの中で、わたしたちも支えられている。
そのことを謙虚になって受け入れ、そうした思いで、
いつも感謝し、食べる。感謝し、慈しむ。
そうできたらいいですね。
是非、この本も読んでみてくださいね。
長くなってしまいましたね。(いつもですけど・・・

ごめんなさい。
でも、おつきあい下さって、ありがとうございます。m(_ _)m
ここあでした。