ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

産婦人科医の状況、「悪化」が半減

2009年09月16日 | 地域周産期医療

周産期医療提供体制も地域により状況はさまざまですが、全体的に見れば数年前の最悪期は徐々に脱しつつあるような印象です。

「産婦人科動向意識調査」(日本産科婦人科学会)の集計結果報告によれば、現場の産婦人科医の意識は、1年前と比べpositiveな方向に変化しているとのことです。一般の方やマスコミの産婦人科への理解が深まったことに加えて、産婦人科医数の増加などが要因として考えらます。2006年度以降、日本産科婦人科学会の入会者は3年連続で増加し、2009年度はさらに増える見込みとのことで、若手医師の産婦人科への新規参入が年々増加する傾向にあります。

当医療圏においても、かつて十数施設あった分娩施設が3施設にまで急減し、毎年毎年、絶体絶命の危機的状況に追い詰められて、何度も何度も「もう駄目だ」とあきらめかけましたが、地域を挙げて一致団結してこの産科問題に取り組み、幸いにも多くの協力者が次々に出現し、優秀でやる気満々の若手医師の新規参入も毎年あり、今のところ何とかギリギリのところでもちこたえています。多分これからも繰り返し危機は訪れると思いますが、みんなの力を結集すればきっと窮地を乗り切っていける筈というpositiveな気持ちになってます。

****** CBニュース、2009年9月15日

産婦人科医の状況、「悪化」が半減

 産科医不足や分娩施設の減少など産科医療の崩壊が叫ばれる中、産婦人科医を取り巻く全体的な状況が1年前と比べて悪化したと感じている産婦人科責任者の割合が、昨年の前回調査から半減したことが、日本産科婦人科学会の医療改革委員会がこのほど発表した「産婦人科動向意識調査」の集計結果報告で分かった。

 調査は今年7月、同学会の卒後研修指導施設743施設の産婦人科責任者を対象に実施。462施設から回答を得た(回答率62%)。

 現場の産婦人科医を取り巻く全体的な状況について、1年前と比較してどのように感じているかを尋ねたところ、「変わらない」が39%(前回35%)で最も多く、以下は「少し良くなっている」34%(17%)、「少し悪くなっている」16%(26%)、「悪くなっている」8%(21%)、「良くなっている」3%(1%)の順だった。

=グラフ= (クリックするとフルサイズの画像が表示されます)

(以下、略)

(CBニュース、2009年9月15日)