信州大附属病院の卒後3年目の後期研修医採用は、今年度(4月1日現在)、過去最高となる64人(昨年度:56人)であったことが判明しました。全国的な傾向についてはよくわかりませんが、長野県においては、専門研修を多くの指導医を擁する大学病院でスタートさせようという機運が再び高まりつつあるようです。県全体の長期的な視野で見れば、これは非常にいい傾向だと思います。
医師不足に悩む地方弱小病院が、それぞれ独自に苦労に苦労を重ねて一から医師集めをしなければならないようでは、1年後、5年後、10年後の見通しは全く不透明で、今後、まともな医療レベルを維持できる筈がありません。
やる気満々の多くの優秀な若い医師達が大学病院に結集し、県全体の医療レベルが向上していくのは非常に望ましい傾向だと思っています。彼らの成長の過程で、県内各地の病院でそれぞれ思う存分に腕を振るって大活躍してもらいたいと思います。
地域基幹病院の医師確保対策としては、大学病院と良好な関係を維持し、大学病院から派遣された若い医師達が思う存分大活躍できる環境を整備していくことが非常に重要だと思います。
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以下、医療タイムス社の調査、4月1日現在
・信州大付属病院 64人
小児科:7人
内科(2):6人、
麻酔科蘇生科:6人
外科(2):5人
産科婦人科:5人
糖尿病・内分泌代謝内科:4人
脳神経外科:4人
皮膚科:3人
整形外科:3人
内科(3):2人
循環器内科:2人
精神神経科:2人
放射線科:2人
外科(1):2人
泌尿器科:2人
耳鼻咽喉科:2人
形成外科:2人
高度救命救急センター:2人
臨床検査部:2人
眼科:1人
・佐久総合病院 14人
・相澤病院 6人
・諏訪赤十字病院 4人
・長野赤十字病院 4人
・長野市民病院 2人
・飯田市立病院 2人
・伊那中央病院 1人
信大病院の卒後3年目の後期研修医採用数の推移:
07年度以前:40人前後
08年度:53人
09年度:54人
10年度:56人
11年度:64人
※ 飯田市立病院で初期研修2年目を終えた医師達(卒後3年目)の進路も、今年度は全員が信州大でした。内訳は、小児科2名、内科1名、産婦人科1名、耳鼻咽喉科1名、形成外科1名などでした。また、昨年度に飯田市立病院麻酔科で後期研修をスタートさせた医師1名が、今年度、卒後4年目で信州大麻酔科に入局しました。