****** 朝日新聞、2008年8月17日
医師判断、結果の責任は
福島・大野病院事件 20日に判決
帝王切開手術後に妊婦が亡くなり、産婦人科の医師が業務上過失致死と医師法(異状死の届け出義務)違反の罪に問われた「福島県立大野病院事件」の判決が20日、福島地裁で言い渡される。医師の手術時の判断について、刑事責任が問われた事件は、産科だけでなく、医療界全体に波紋を広げた。検察、弁護側の主張が真っ向から対立する中、判決が注目される。【高津祐典、立松真文、和田公一】
「危険予見できた」
JR福島駅から車で約 2時間。福島県の浜通り、大熊町にある県立大野病院で04年12月17日、女性(当時29)の帝王切開術が行われた。赤ちゃんは無事生まれたが、執刀していた加藤克彦医師(40)が、癒着していた女性の胎盤を子宮から切り離した後、大量出血を起こした。加藤医師は輸血しながら、子宮を摘出する手術に切り替えたが、女性は 4時間半後に亡くなった。
医療界、一斉に反発
「医師逮捕」に、医療界は一斉に反発した。
一人医長減少/医師1人での出産とりやめ
事件は、お産の現場にも影響を与えた。
■主な争点
○癒着胎盤はどう処理すべきだったのか
○大量出血は予見できたか
○医師法違反に問えるか
(朝日新聞、2008年8月17日)