グラクソ・スミスクライン株式会社は、国内初の子宮頸がん予防ワクチン「サーバリックス®」の発売を、2009年12月22日から開始します。 「サーバリックス®」は、ヒトパピローマウイルス16型および18型に対する2価ワクチンで、10歳以上の女性に対し、通常、1回0.5mLを3回(初回、初回から1ヵ月後、初回から6ヵ月後)、上腕の三角筋部に筋肉内接種することで、子宮頸がんの予防効果が期待できます。すでに世界101カ国で承認され、1100万回以上の接種実績があります。日本国内では自由診療扱い、1本12000円、3回の接種で36000円の全額自己負担となります。
子宮頸がんワクチン、11~14歳へ優先接種を 日本産科婦人科学会など3学会が提言
****** 南信州新聞、2009年12月12日
子宮頸がん予防ワクチン 予防効果に期待 定期検診も受診を
宮本 翼
飯田市立病院(産婦人科) 医師
Q 子宮頸がんのワクチン接種が始まると聞きましたが、子宮頸がんとはどういう病気ですか?また、ワクチンで予防できるものですか?
A 子宮頸がんは子宮頸部(膣に近い方)にできるがんで、好発年齢は40歳代と、若い方に多いがんです。初期には自覚症状はほとんどなく、ときに性器出血で婦人科を受診され、進行がんで見つかることがあります。
近年、ほとんどの子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で起こることが分かってきました。HPVは現在100種類以上見つかっており、そのうち、子宮頸がんを起こす可能性が高いのは主に十数種類です。
HPVは、性交渉の際に子宮頸部に感染しますが、この時点では自覚症状がありません。ほとんどの女性が、一生のうちにこのような自覚症状のないHPV感染を経験し、そのほとんどは子宮頸がんに至ることはありません。
しかし、進行した子宮頸がんでは、子宮摘出を含む手術や、抗がん剤・放射線療法などの治療が必要となり、特に最近増えている20~30歳代の患者さんにとって、子宮摘出は、妊娠のチャンスを失うことになり、大きな問題です。
子宮頸がんは、HPV感染から、いくつかの段階を経て発症(がん化)しますが、がんになる以前の段階で早期発見できれば、子宮頸部のみを切除する手術も可能であり、妊娠・分娩が可能です。早期発見・早期治療のため、定期的な子宮がん検診をお勧めします。
今回、承認され、接種が始まる子宮頸がんワクチンは、特に頻度が高い2種類のHPVを予防するワクチンです。主な接種対象年齢は、諸外国と同様、性交渉の経験がない10歳代前半の女子です。接種は3回の筋肉注射で、予防接種なので保険が効かず、合計で数万円と高価なのが難点です。
ワクチンを接種すれば、この2種のHPVによる子宮頸がんは予防でき、子宮頸がんにかかる人を6~7割減らすことができるとされますが、他のウイルスによるものには効果が弱いため、定期的な子宮がん検診が勧められます。
(南信州新聞、2009年12月12日)
再発例などではパクリタクセル単剤で投与される場合もあります。
パクリタクセルは、現在、婦人科での化学療法では、最も多く使用されている抗がん剤の一つです。
パクリタクセルの主な副作用は、発熱、骨髄抑制、関節や筋肉の痛み、抹消神経障害(手足のしびれや痛み)、比較的軽い吐き気や嘔吐、頭髪や全身の体毛の脱毛などです。また、投与後まもなく深刻なアレルギー症状が現れることがあります。
主治医の先生や担当の薬剤師と、よく御相談になってください。
無料で予防ワクチンがうてる・・・日本では夢のまた夢ですねえ。
欧州や豪州、カナダなど26カ国では、全額公費負担または補助が行われていて、接種率が9割に上る国もあります。それに対して、我が国では全額自己負担ということなので、接種率は諸外国と比べるとかなり低くなってしまうことが予想されます。
子宮頚がんはありふれた病気で、当院でもほぼ毎週のように新たな子宮頚がんが見つかり、多くの子宮頚がんの手術(円錐切除術、単純子宮全摘術、広汎性子宮全摘術など)を実施していますし、放射線治療も多く行われています。子宮頚がんで亡くなる患者さんも毎年少なからずいらっしゃいます。
子宮頸がん予防ワクチンを11歳~14歳の女子に公費負担で接種するという政策は、国家戦略として、次世代での子宮頸がんの発生率を減少させる試みです。実現すればとても素晴らしいことだと思います。決して税金の無駄遣いにはなりません。ぜひとも公費負担をしていただきたいと思います。
何しろ親が10年20年先を見据えて、接種する気になってくれないといけませんから。
是非、先生のお考えをお聞かせ下さいませ。宜しくお願い致します。
職場のスタッフや、自分の身内には、子宮頸がん予防ワクチン接種を積極的に勧めてます。
ただ、どのワクチンでも副作用が発生する可能性はあり得ます。まれには重大な副作用が発生する可能性もあり得ます。メリットとデメリットを天秤にかけて、最終的には御自分で決めるしかありません。
どうぞ、お風邪などひかれませんように。
何でも、ワクチンに反対するサイトのようにも思えますが、実際の所はどうなのでしょうか。
HPVの検査をしてから接種した方が良いのでしょうか。
子宮頚がん予防ワクチンは海外ではすでに100カ国以上で使用されています。日本では2009年10月に承認され、2009年12月22日より一般の医療機関で接種することができるようになりました。
対象となる全女性に無料接種を実施している国もあります。例えば、オーストラリア政府は12歳から26歳の女性200万人に対してHPVワクチンの無料接種を2007年4月からすでに開始しているそうです。
日本では、今のところ、対象年齢の女性のほとんどの方は全額自己負担(約5万円)となりますが、年齢を限定して全女性に無料接種することを決定した自治体があります。費用の一部を助成することを決定した自治体もあります。今後、費用の助成を開始する自治体がだんだん増えていくと思います。
http://allwomen.jp/
安心して、接種しようと思います。