Feb.20 2006 沖縄だぃ

2006年02月21日 | 風の旅人日乗
2月20日 月曜日。

ヤッホー、今日から沖縄だ。

昨日の夕方、いきなり風邪を引いた。
葉山マリーナのクラブレースで気持ちのいいメンバーで気持ちのいいレースをした後、艇を片付けて表彰式を待つ間、ビールを飲んでいたら、突然3本目が飲めなくなった。
お腹も痛くなった。
アレレのレだ。自分の体が自分じゃないみたい。

パーティーを欠席することにし(これで2回連続だ。ごめんなさいM越さん!)、フラフラして家に帰る。
帰ったら、突然下痢発症。体温を計ると、かなり高い。
ここでやっと、あー、風邪引いたーっ、と自己判断。
翌日から沖縄で厳しいサバニ合宿だと言うのに、なんてえ事だいっ。
すぐに寝る。

朝、気持ち悪い。熱もある。
午前中は横浜で打ち合わせがある。雨が降りそうな空模様でもあり、車で行くことにする。
午後、1週間事務所を留守にするための様々な雑用をすませて、19時40分羽田発の全日空沖縄行きに乗るために5時前に家を出て、一緒に行くシーカヤッカーU田の奥様が運転する車に乗り込んで、新逗子駅に向う。
うー、気持ち悪い。熱が下がらない。

沖縄行きの飛行機は運良く空いていて、離陸すると同時にシートを3つ使わせてもらって横になり、寝る。
少し気分がよくなって目を覚ましたら沖縄到着15分前。あっという間に沖縄だ。
うれしいなあ、沖縄だ。前回、12月の合宿のときよりも暖かい。
これで、あとは風邪が治れば申し分ないんだけどね。

那覇の波の上の近くの歓楽街のど真ん中にあるホテルにチェックインし、地元沖縄のカヤックガイドO城に紹介してもらった近くの居酒屋へ直行。
当然泡盛を置いているのだが、グラス売りがなく、すべてボトルでの注文。久米仙720ml、980円也を一本もらい、ミミガー、ゴーヤ、モズク、その他沖縄物つまみを頼み、風邪撃退を期して、ニンニクの素揚げも注文する。
2人で飲めなかったら残せばいいやと思って注文した久米仙のビンも空になり、ニンニクもしっかり食べて、午前1時くらいにホテルに戻った。

さて、
今回ばくが、なぜサバニに乗りに来たのか。
サバニとは、一体何ものなのか。
なぜ、アメリカズカップを目指すぼくがサバニをやらなければならないと感じているのか。

なんてことを、再確認してみる。
まずは、かつて講談社が出版していた『オブラ』という月刊誌の冒頭エッセイとして、2002年に書いたサバニに関する文章を読み返してみようかな。

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サバニ、と呼ばれる沖縄伝統の舟のことをご存知だろうか?

サバニとは、琉球の時代から沖縄に伝わる独特な形をした舟で、船尾が高く立ち上がり、流れるように滑らかな船型を特徴とする美しい小舟の名称である。
つい40,50年前まで、サバニは沖縄の漁業や物資の輸送などで活躍し、その主な動力は帆に受ける風であった。大型の帆かけサバニは、遠く南太平洋まで長期の漁に出かけることもあったという。

しかし今、この伝統ある帆かけサバニの姿を、沖縄の海で見かけることはほとんどない。第2次世界大戦後、機械化の波が沖縄の漁船にも押し寄せ、人手が必要で経済効率の悪い帆かけサバニが、エンジン付きの漁船に駆逐されてしまったのだ。

この、沖縄が誇るべき伝統である帆かけサバニの美しい姿と、その帆走技術を後世に残そうと、沖縄を中心にした有志たちが「帆かけ(沖縄では"フーカキ"と読む)サバニ保存会」を結成したのが、20世紀最後の西暦2000年のことだった。

その年の夏、帆かけサバニ保存会は関係者に呼びかけて、沖縄本島、慶良間諸島などに残っているサバニを集め、座間味島から那覇まで、約36kmのサバニ帆走レースを企画した。サバニそのものだけでなく、『帆走レース』という形態にこだわることで、帆走技術をも復活させようという狙いだ。

今年(注・2002年)、6月30日に行なわれた第3回レースには、大小様々な35隻の帆かけサバニが、座間味島に集まった。
このイベントを最初からサポートしているのは、スイスに本社を置く時計会社スウォッチ・グループである。
日本の伝統技術を、海外の企業が守っているのである。

写真で帆かけサバニを操っているのは73歳の新城(あらしろ)康弘(やすひろ)さん(注・この文章に合わせて雑誌で使った写真はプロカメラマンの撮った写真なので、このブログでは使えません、悪しからず)。
新城さんは石垣島に住む最後のサバニ舟大工である。自分で造ったサバニに乗り、コースのほとんどをセーリングだけで見事に完走した。

片手で帆を操り、もう一方の手でエークと呼ばれる櫂を使って舟の進路を操る。保存会の努力がなければこの技術は人目に触れることもなかったはずだ。
日本の伝統技術はかくも美しい。
(注・肝腎の写真がないので、かくも美しい、なんて言われても、分らないっすよね、すみません)