天使は
生き残るために
片方の靴下を脱いだ
そしてそこにへその緒をつなぎ
神の愛を補給することにした
家の中に
硝子の子宮を作り
そこに閉じこもった
外には嘘の嵐が吹いている
できる限り外に出ないことにした
たまに出て行くと
信じられないほど傷ついて
血が滴った
時々手紙が届いたが
天使は
ポストが
汚い手紙は拒否していたことを
知らなかった
だから天使は
嫌なことはあまり知らずに済んだ
神の愛が
ポストにそうするように教えてくださったのだ
天使がここで生きるために
神は最大限のことをしてくださったが
それでも天使は深く傷ついた
かろうじて使命を果たした後
疲れ果てた天使は
雪のように解けて消えてしまった
愛が
嵐のように怒って
世界に舞い降りてきたのは
その後だった