月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ゾスマ・15

2016-01-01 03:39:06 | 詩集・瑠璃の籠

子供たちよ
終了のベルは鳴り終わり
物語は第三章に入る

偉大なる猿は
糞をひりすぎて死んだ
夢の真ん中で光を浴びていた
小猿の群れは
命が青くなって死んだ

風船が次々と破裂してゆくように
膨らんだ嘘がつぶれてゆく
太陽が四つに増えて
嘘が強烈にあぶりだされてくる

何でこうなったのか
永遠の双子の妹が支配する
奈落の闇に落ちていきながら
猿はようやく思い出す
あれはすべて嘘だったと
自分は他人の皮を盗んで
他人の人生を生きていた
悪魔だったと

自分はすばらしい人間だと思っていた
様々な賞賛を受けた
色々なものが増えていく
何て立派な奴だと思っていた
だがそれはすべて
馬鹿に操られて生きていた
偽物の自分だったのだ

気をつけるがよい ひとびとよ
猿の正体がばれる
どんなに頑張って嘘をついても
それは口の端から出たとたんに
珍妙な吠え声となって消えてゆく

しゃべることができない
立つことができない
偉大なる猿は
糞をひりすぎて死んだ
夢の真ん中で踊っていた小猿は
命が青くなって死んだ

法則の油が
馬鹿を聖別してゆく
風に肝を吸いとられ
命が生きて行く意味を失う
馬鹿な猿が増えてくる



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