月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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アルテルフ・8

2016-12-09 04:15:09 | 詩集・瑠璃の籠

あんなものは馬鹿だから嫌だというから
女はいつも消えてしまうのだ
そして男はいつも
生きる意味を失う

なぜあんなにも情熱的に
馬鹿にしたのか
いじめつくしたのか
自分の嫁にしたいほど
絶対に好きだったからだ

女など嫌だと言いながら
それだけのために生きるのが馬鹿男だ
その真実をごまかすために
男をひきつける女が悪いのだということにして
その存在そのものを侮辱したから
女が滅んでしまった

あんなものなど
最初からいなかったほうがよかったのだと
馬鹿な男は
そういうことにしてしまったのだ
痛いなどというものではない

好きな女がいなくなった
天国のようにまぶしい世界で
男は自分が作った
偽物の美女の人形を抱いて
生きていかねばならない
それは見事に
男の望んだ女なのだ
嫌なことばかりして
馬鹿にしてもいいことにできる
きつい女なのだ

だれもそんなものを愛しはしない

愛してもいないものを
愛する振りをして
馬鹿な男は
偽物の天国を営々と作っていなければならない
愛してもいない女のために

何のために生きていたのかが
わかったときにはすべてがおじゃんになっている
それが馬鹿というものだ





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