月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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エルナト・5

2013-07-21 03:05:53 | 詩集・瑠璃の籠

あなたがたは
エルナトを発見する

地上の天使の表現を使い
エルナトは刃をふるう

その刃は
一流の技巧で作り上げた
軽やかなカミソリのようでありながら
重い剣のように深い

一息の風のようなナイフの動きが
あなたがたの脊髄を切り払う
喉を切断する
脳髄を砕く
痛いと言う問題ではない

その命にしみ込んだ
あなたがたの惨い過ちに
彼は真っ向から挑戦状をたたきつける

ああ かのじょはやさしかった
あなたがたの現実を一切見ようとせず
清らかな愛で尽くし続けた
馬鹿者め
エルナトはあなたがたを
憎悪する
あなたがたが裏切って殺した女のために
永遠に復讐し続ける

愚か者め
エルナトは狂気する
あなたがたへの 復讐のために
嵐となる
氷の刃と 炎熱の剣の
荒れ狂う嵐が来る

人類よ
運命がやってくる



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エルナト・4

2013-07-20 02:29:50 | 詩集・瑠璃の籠

エルナトは 
ものを言うのが速い
いわゆる 早口だ

あなたがたは
地上の天使が
いつもより早口でものを言っているとき
背後にエルナトが
いるのではないかと
疑った方がよい

そして
エルナトが何をしているのかを
学んでいきなさい

このようにして
あなたがたはいつか
エルナトの存在を 
見えずとも強く感じることが
できるようになる



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気付こうね

2013-07-19 03:34:32 | 苺の秘密

おとこのこが ばかだって言って
じぶんをすてていって
ひとりぼっちになっても
がんばっていたんだよ
おんなのこは

うらまずに生きていこうと
やりなおしていけるわと
ふんばって
なみだをふいてきたんだよ

ずっと ずっと
かなしくなんかないわ
愛があれば
なんとかなるわ
のりこえていけると
たえつづけてきたんだよ
おんなのこは

きずつきつづけてきたんだよ
おんなのこは
いたいほど われるほど
うちのめされても
愛で 笑って
ないことにして
また 愛そうとして
わらってくれたんだよ

のりこえてきたんだよ
おんなのこは

もう 気付こうね
おとこのこは



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ほんとうに

2013-07-18 04:35:21 | 人間の声

馬鹿が ずっとやっていてくれると
思っていたんです
ずっと やっていてくれると

おれたちが どんなに馬鹿にしても
どんなに ぶち殺しても
あの人は きてくれた
ずっとそうやって 来てくれると
思っていたんです

おまえなんか いやだ
おまえなんか ばかだ
いなくなれって
言いましたよ

でも ほんとうに
いなくなるとは 思わなかったんです
ほんとうに ほんとうに
いなくなるとは
思わなかったんですよ

馬鹿だから あんなもん
馬鹿だから
いつまでも来るよって
言ってたんです
馬鹿だから また来るよって

まさか ほんとうに
いなくなるとは
思っていなかったんです



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いやよ わたしは

2013-07-17 04:54:12 | 苺の秘密

言うことを聞け
なんでも おれの
言うことを聞け

最高の男だと言って
おれを立てろ
そうすれば おれは
おまえに
なんでもやってやる



いやよ わたしは
もう二度と

嘘ばっかりじゃないの





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愛の天使

2013-07-16 03:51:54 | 画集・沈黙美術館
愛の天使①


愛の天使②

この2枚は違う天使が描いている。個性を感じてみなさい。



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カノープス・3

2013-07-15 03:35:49 | 詩集・瑠璃の籠

人々よ
あなたがたは
愛の天使というものについて
学ばねばならぬ

彼らは美しい
愛のみにて
すべてを
あなたがたのためにやる
甘き愛のことばを語り
あなたがたの魂をやさしく包み
あなたがたの苦しみを
すべて拭い去ってやろうとする
それをせずにいられぬ

彼らは時に
鼠一匹の命を救うために
自らの命を捨てることさえする
愛のために
それが最もよいことであるなら
軽々と自分を捨てる

美しい愛だ
あなたがたは愛の天使に
溺れる
それゆえに あなたがたは
彼らをすべて殺してきた

かのじょは
あなたがたに愛を尽くした
これ以上愛せなくなるほどに愛を尽くした
法則の計算などせず
みずからの内部に燃える愛に従い
あなたがたのためにすべてをやった
あなたがたはそれによって救われた

だが そのために
あなたがたの前に
最も苦しい運命へと続く
未来への扉が開いた

人々よ
愛の天使は美しい
だが 恐ろしい
気をつけよ

あなたがたは 愛に
殺される
永遠に逃げることはできない

愛の天使を
馬鹿にしてはならぬ
馬鹿にすれば
どういうことになるか
もうわかったであろう



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昼の月

2013-07-14 03:35:52 | 詩集・瑠璃の籠

軽々と 越えられる国境を
遠く見て 今いる空を感じている

わたしは こういうことさえ
できるものだったのか

すぎさっていく なつかしいものたちの
うたが きこえてくる
なつかしいと おもうこころさえ
古い皮とともに 脱ぎ捨ててしまった

みどりのくすのきがわらう
せんだんのかおりが わらう
わたしをあいしていると
ああ たんぽぽ すみれ
みみなぐさ
もう二度と ここで会えないのか

かなしみは いちまいの
すきとおった きぬのようだ
それもぬいでしまえば いいことなのだが
いましばし 蒸発する寸前の
涙のように 着ている

笑いたまえ きみ
なにもかも わるいことになってしまったのではない
あなたがたはいつか
わたしをうしなったことが
いちばんよかったことなのだと しることだろう

ふるさとに かえるまえに
もうにどとは かえれない
この青い故郷を 見ていたい
いま しばらくは
見えない月となって
白い雲に隠れながら

ああ 二度とは見ることのできない
きみたちのすがたを
いましばし 見ていたい




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愛を

2013-07-13 03:26:57 | 苺の秘密

愛を侮ってはいけない

それは巨万の富を
一瞬でゼロにする

それは莫大な借金を
一瞬でゼロにする

絶大な権力が
愚か者のペニスの
勃起になる

あらゆる権威が
ひといきのくだらない
幻の映画になる



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ウェヌス・2

2013-07-12 04:36:33 | 詩集・瑠璃の籠

わたしは あなたがたの
寝台だ
わたしのうえで 愛し合いなさい

どうだ 美しいだろう
セックスは
まるで 溶けていくようだろう
愛の中で
あなたが わたしになる
わたしが あなたになる
美しい

愛しているよ 君を
愛しているわ あなたを

わたしは わたしたちは
何なのかしら
愛でとけあって
まるでべつのものになったよう

ぼくたちは 何なのだろう
愛に溶けて なにもかも
忘れてしまいそうだ
ああ ぼくは今 まるで
女のようだ

ああ わたしは
男のようだ
なぜかしら
愛しているわ あなた

愛しているよ 君を
ずっとこのままでいたい

ああ さあ
わたしの上で 愛し合いなさい
わたしは あなたがたの
愛のための 寝台だ
わたしは やわらかいだろう
あたたかいだろう
わたしの上で
愛し合いなさい



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