五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

一坪に生きる

2023年10月10日 | 第6章 螺旋状に上昇する意味

目黒でモンブラン頂く



一坪に生きる    2023年10月10日

急に秋が深まり、急激に気温が下がったので
ガスヒーターを出しました。
あれだけ暑さに閉口した夏でしたのに、
どうしようもない暑さが懐かしいです。
雨降りの寒い連休最終日は、心身を整えながら
表装作業に集中しました。
体得した技術を淡々と進めていくと、
心が鎮まっていきます。

じつは、仕事や用事の狭間に
実家と病院に通う一か月を過ごしていました。
父が動けなくなり、救急車で運ばれたのが、
丁度大阪での作品展の真っただ中。
幸い、一年前から同居している妹のおかげで
自分の予定を崩すことなく行動できていますが、
思うように動くことのできない母に加え、
父の入院により、今後、家族の私たちは、
生活の中に、「介護」という具体的な行為が
加わることとなったのです。

現在は、「リハビリ病院への転院を経て、
自宅に戻る」という図式を描きながら、
介護認定が下りるのを待つ段階です。

父の「自宅に戻る」という強い意志が、
今の父の明るい目標となっており、
カーテンに閉ざされた一坪の面積の
しかもベットの上で動くことのできない状態の中、
父は、唯一目の前で動いている
「生きている印」である心電図を解析しながら、
下界における事象との間に、ある規則性を見出し、
とろみの食事を頂けることに
日々感謝し、
動かすことのできる手足の筋トレを
自分で見出しながら
小さな世界を楽しんでいることに
「自分の幸福感」を
どんな状態でも感じられるのは、
日々の積み重ねの成果だと、
しみじみ感じています。

どんなに自由に体を動かすことができても、
縛られた思想ではなく、自由に思考できる環境に
生きていてても、
不自由さを感じるのが、人間の常なる性分ではあるのでしょうが、
閉ざされた条件の中で見出す幸福感は、
当たり前のように与えられている自由な世界に
生きている人よりも
計り知れない幸福感かもしれません。

利休が描いた茶室の宇宙観
そして、
病院での一坪の世界であっても
その宇宙観を想像することは、
個人の内に広がる心の世界が
いかに無限であるかを証明しているように思います。

私たちが学んでいる生き甲斐の心理学は、
死にゆく自分が最後の最後まで携えていく
知性かもしれませんが、認知が進んだら、
天にお任せするしかありません。
自分の持ち物は、結局自分の身体一つです。
「自分の心と身体と魂」を大切にしているか否かを
常々点検しておくことは、
幸福感を意識化しながら生きていくうえで
大事なことのようです。

●講座予定●

△△△

八王子市生涯学習センター主催
市民自由講座「生きがいの心理学」

10月12日㈭
10月19日㈭全2回

場所:八王子市クリエイトホール

詳細・申し込みにつきましては、
八王子クリエイトホールにお願いします。
★2023年現在、定員を大幅に超える申し込みがあり、
抽選とさせていただきます。主催者からの連絡がありますので、
何卒、宜しくお願い申し上げます。

△△△


講座スケジュール

目黒カルチャースクール
アンセルモ教室
第1金曜日
2023年 11月3日(金)
13:00-15:00


目黒カルチャースクール
アンセルモ教室
第3金曜日
2023年 10月20日(金)
13:00-15:00


あやの会「生き甲斐の心理学」
場所:篠原地区センター
時間:12:00-15:00
日程:2023年10月10日(第2火曜日)
(綾子塾は、限定メンバー制)

メンバー制勉強会
月組 11月20日㈪
星組 12月3日㈰

○○○○

ユースフルライフ研究所の講座日程

通信講座生対象;
生き甲斐の心理学
場所:アトリエK 講師 越 綾子
(公開講座)定員に達し受付は終了
時間:12時45分~15時45分
日程:第4木曜日2023年10月26日㈭

★植村先生の講座

1町田勉強会「会員限定」
日程:
2023年第1週11月7日㈫

2町田勉強会「会員限定」(宗教心理学・小金井から移動した教室)
日程:2023年10月17日火曜日

町田勉強会
2023年10月13日~15日㈰
詳細は会報をお読みください。












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たのしむ

2023年08月30日 | 第6章 螺旋状に上昇する意味



上野 伊豆栄


不忍池を望みながら鰻を頂く

一面の蓮 8月5日撮影


有楽町国際フォーラム たしか設計はレンゾ ピアノ



たのしむ   2023年8月30日

高温多湿が続き、家の中でゆったりと過ごしたいとも思いましたが、
世の中が4年ぶりに動き出したこともあり、
出掛ける用事が増え、
「もう少し涼しくなったら会いましょう」と、言う人も少なく、
よく遊び、よく働いた8月となりました。

そのような中、掛け軸を一副仕立て上げ、
毎年恒例の横浜金剛会の舞台(8月27日)もあり、
29日はNPOキュールの定例理事会も無事行い、
あっという間に8月が過ぎようとしています。

そして、今日は満月。
昨晩は、満月を思わせる大きな月が煌々と輝き、
明るい夜でした。
「自分のいくつかの仕事や役割も、それらに関わる人々とのお付き合いも
私の楽しみであri,
それが叶う事はあり難いことだ」と、思いながら
月夜に照らされて眠りにつきました。

自分の誇りとか、自分のやり方を通し、
頑なになることよりも、
臨機応変に自由自在である方が、
今この時の楽しみを覚えやすいようです。

何を愉しむか。
今、この時の自分が上がっている舞台を
大いに楽しむことに尽きるかな、と。
この年齢になり、「ほんとうに人生は一回キリだ」と、
自覚するようになりました。
自分にこの世にいることを許されている時間は、
尊い時間なのだから。

●講座予定●

△△△

八王子市生涯学習センター主催
市民自由講座「生きがいの心理学」

10月12日㈭
10月19日㈭全2回

場所:八王子市クリエイトホール

詳細・申し込みにつきましては、
八王子クリエイトホールにお願いします。

△△△

目黒カルチャーの講座以外は、
8月20日から講座開始となります。

講座スケジュール

目黒カルチャースクール
アンセルモ教室
第1金曜日
2023年 9月1日(金)
13:00-15:00


目黒カルチャースクール
アンセルモ教室
第3金曜日
2023年 9月15日(金)
13:00-15:00


あやの会「生き甲斐の心理学」
場所:篠原地区センター
時間:12:00-15:00
日程:2023年9月12日(第2火曜日)
(綾子塾は、限定メンバー制)

メンバー制勉強会
月組 9月25日㈪
星組 10月8日㈰

○○○○

ユースフルライフ研究所の講座日程

通信講座生対象;
生き甲斐の心理学
場所:アトリエK 講師 越 綾子
(公開講座)定員に達し受付は終了
時間:12時45分~15時45分
日程:第4木曜日2023年8月24日㈭

★植村先生の講座

1町田勉強会「会員限定」
日程:
2023年第1週9月5日㈫

2町田勉強会「会員限定」(宗教心理学・小金井から移動した教室)
日程:2022年9月19日火曜日















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丑年いよいよ6巡目

2021年01月02日 | 第6章 螺旋状に上昇する意味




丑年いよいよ6巡目  2021年1月2日

地球が規則正しく動き、朝が来きて夜が来る規則性が
変わらなければ、それで良し。。。
2020年の晦日と大晦日の月が
あまりにも美しく、
「なんだかんだと、これでよいのだ」
と、心が安らぎ和みました。

あけましておめでとうございます。

丑年の私は年女。
丑年に生まれ、今年は6巡目となります。
「牛歩の如く」と私が言うと、
きっと「え~??(笑)」と、言う友人のほうが
多いかもしれませんが、
素地は、確実に牛歩のわたくしです。

そんなわけで、
牛歩の如く続けている表装も
牛歩の如く活動しているNPO団体も
今までと変わらず、
坦々と続けていこうと思います。

昨年は丁寧な暮らしを心掛けるように
生活してきましたが、
COVID19がきっかけで、
大事なものを選択する佳き機会を
得られたようにも思います。

2021年の私の予定は
6月がピークですので、
自分の気力を半年間に凝縮設定して、
まずは、半年で英気を使い果たすつもりです。

それでも心の中は牛歩なので、
きっといつもの通りかとは思います。

本年も変わらずお付き合いくださいませ。

講座案内;


目黒カルチャースクール
第1金曜日
2021年2月5日
13:00~15:00


目黒カルチャースクール
第3金曜日
2021 1月15日
13:00~15:00
11月はNPOキュール15周年記念展のためお休みです。
ご注意ください。
  

綾子塾「生き甲斐の心理学」 
場所:横浜桜木町 婦人会館
時間:13時~15時半
日程:2021年1月12日第4回(第2火曜日)  
(綾子塾は、限定メンバー制)

③越乃生き甲斐の心理学 
場所:横浜桜木町 婦人会館
(公開講座)
時間:13時~15時半
日程:2021 1月28日第2回(第4木曜日)  

紅葉坂植村勉強会
場所:横浜桜木町婦人会館
日程:2021年2月2日火曜日


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宮城県亘理郡山元町

2015年12月13日 | 第6章 螺旋状に上昇する意味
宮城県亘理郡山元町2015年12月13日

今回も山元町の皆さまに御世話になり、特産のイチゴとりんごを沢山頂き、集ってきました。
春以来の訪問であったため、町役場の前に海から真っ直ぐに繋る大きな道路の工事が随分進んでおり、高台移転のために造成していた山から発掘された古墳時代の遺跡が住宅地と公園になることも知り、町のインフラが目に見えるようになってきたように感じました。

復興は進んでいますが、やはり海側の元住宅地を車で走ると、津波の被害の大きさは未だに良く解ります。
海から離れた小山が土地のかさ上げの為に崩されており、今まであった小山が無くなっており、山を崩すことで縄文時代の石器なども多く出土されているので、その仕事をされている方もいらっしゃることを聞きました。
海の幸、山の幸の恩恵を受け、食に恵まれた土地柄は、太古の昔から人が暮らしやすい場所だったのでしょう。
古層の歴史を重ねて今に至る土地が改めて発掘され、それがその土地に住まう人々の誇りと生き甲斐になるとしたら、とても本質的なところで正中線が正されていくように思うのです。

自ずから本質的な事柄に意識が向くことも人の持つ力なのかもしれません。
その事自体に気付くことは、その行程に喜びを感じなくては見えてこないものでもあるように思います。

2012年1月から始まった山元町の皆様との交流によって、私自身育てられたものの大きさを感じています。
皆様と共に感じ合った喜怒哀楽は、私の宝物だ。。。と、しみじみ思いつつ、育んできた宝物はきっと次に活かしてゆけるはずだと期待できるような、そんな想いが湧いています。ありがとうございました。

・・・・
12月15日火曜日は「つつじヶ丘」勉強会です。
12月18日金曜日「東急セミナーBE雪谷」・25日金曜日は「東急セミナーBEたまプラーザ」です。今年の講座は25日が最終日となります。

☆☆ ☆☆
ブログの下に掲載される広告は、私個人に関わるものではなく、一切関係ありません。有料の広告非表示でブログをアップしているのですがスマホ対応はされていないようです。

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人生は螺旋塔 6

2009年11月22日 | 第6章 螺旋状に上昇する意味
:::折口信夫の「死者の書」を読んで:::

「いつか、スイスバスに乗ってヨーロッパから中近東の旅をしたい、」と思ったのは、高校の地理の先生の話がきっかけでした。そもそもふわふわと妄想しながら10代に突入した成育史の私は、みごとにその話題に乗っかりました。

アフガニスタンやイランの砂漠にぽつんと立つ石造りの螺旋塔は、砂漠の民の灯台だったと聞いています。
数年前、奈良の浄瑠璃寺に向かう途中、その螺旋塔と同じデザインの塔に出合い、驚きました。確か、水道局の建物?だったように記憶しています。

城壁でもなく、櫓でもなく、螺旋塔というデザインは、砂漠を旅する人にとって、とても象徴的な道しるべだったに違いありません。

故有元利夫さんが描いた「花降る日」というタイトルの作品には、やはり、その螺旋塔がモチーフとなっています。その絵の前に立たずんた19歳の時も、自分との出合いの扉を開けたような衝撃が走りました。

DNAという無意識の螺旋が私の体内を廻り、時々、私の前に現れる螺旋状が、ときどき意識化を図ってくれているようにも思います。

折口信夫の「死者の書」を読みながら、私自身の「死者の書」を表現するのであれば、「魂と心と体」のどこに焦点を当てるだろうか。。。、そんなことを考えました。

人は螺旋状を生きているし、生命を断たれ魂となっても螺旋状にあり続けると漠然と思うのは、DNAの形状を無意識の中で納得しているからかもしれません。

希望は永遠に螺旋を巡る体感の中にある、と本気で信じている自分は幸せかな。。。

[生き甲斐の心理学参照」
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解釈が変わると

2009年07月31日 | 第6章 螺旋状に上昇する意味
今、ここでの自分の感情を自分自身が捉えることができたら、次に行う作業は解釈です。

湧き上がった感情は、解釈へと移行します。

たとえば、不安な感情が湧きあがるとします。すると、その不安を克服すべく、自分は何らかの考え方が頭に浮かびます。

その考え方は人によって違います。

倫理道徳に関係なく、湧き出す感情をいったんそのまま自分の心の中で湧きっぱなしにしてみると、だんだんと、感情が具体的にみえてきます。

もし、「湧き出した感情に対しての自分の捉え方」に不服を感じたら、ちょっとばかり意識的に解釈を変えてみると、違った世界が見えてくるかもしれません。

自分の心の中は、自分以外の人が立ち入ることのできない聖域です。
自由意思を与えられた人間は、いかようにも解釈次第で現状を変えていけるはずです。
人類誕生から5万年かけて地球全体に住みついた「ヒト」。
生きる知恵が、ヒトの遺伝子に備わっていることを信ずると、ひ弱な自分も案外逞しいと感じられるような気がしてきます。


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二人のスター

2009年06月27日 | 第6章 螺旋状に上昇する意味
マイケルジャクソン逝去について、いろいろな視点から報道されています。
もうすでに神話化されているような節もあります。
ともかく、彼の存在は時代の象徴として捉えても過言ではないでしょう。

昨日同日に、ファラフォーセットが逝去。

二人のスターが、いっぺんに天国にいってしまいました。

二人の熱狂的なファンだったわけではありませんが、当時のアメリカの文化の格好よさを知る媒体でした。

長くてふわふわしたブロンドの髪をなびかせながら活躍する三人の女優のなかの一人が、ファラです。映画チャーリーズエンジェル。個性の違う三人の女性の中で、一番華やかに見えたのが彼女でした。
アクション映画の主役が女性三人、というのは画期的なものだったと記憶しています。

マイケルは、一緒に育ったようなものです。同世代の彼は、私が気付いた時には、もうすでにスターでした。
最近コマーシャルに使われていた歌はジャクソンファイブの頃のもので、彼の声は、時代が変わっても変わらずに美しいと感じていました。
50年という年月、ジェネレーションを共に生きてきた私たちには、生活の中に常に彼の歌声が意識・無意識に関わらず耳に入ってきていたのです。

本牧の米軍ハウスが無くなり、フェンスが取り除かれ、日本流の家が建ち並び、バスの中から見ていた風景が明らかに変わってしまったころに20代だった私は、その面影を追いながらも、そのうちそれらの記憶が自分の中に溶け込んでいったように思います。つまり、私という個性の一部になったということです。

とにもかくにも、重たい鎧から解放されたマイケルは、自分の真の姿で自由に飛び回っていることでしょう。7月公演を前に残念ですが、これも何かの意味があるのでしょう。

お二人のご冥福をお祈りします。




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開局20周年のJ-WAVE

2008年10月05日 | 第6章 螺旋状に上昇する意味
10月1日、FM放送局、J-WAVEが開局20周年を迎えました。
試験放送を含めると、20年以上となります。

その当時は、バブル真っ最中。
テレビの番組は、莫大なお金をかけながら、クダラナイものが多く、ほとんどテレビを観ていなかった記憶があります。

そんな中で、開局したJ-WAVEは、私にとって新鮮そのものでした。

特に、朝の番組を担当していらしたジョン・カビラさんは、モヤモヤしていたその頃の不安のようなものを大いに解消してくれたのです。
「こういう人がようやくメディアに出てきた」そんな思いでした。
彼は、レコード会社を退職し、ラジオの世界に入ってこられました。
私よりもちょっとお兄さん。
言うべきことは言い、褒めるべき時に恥ずかしくなるくらい褒めたたえる。
そうはいっても、人に不快感を与えない。

言葉が綺麗で、とても紳士的。

他のメディアに翻弄されず、独自で音楽を開拓し、多くのミュージシャンを紹介してきたことも評価に値します。

「多くの人が求めているもの」
・・・にもかかわらず、
それが、社会に表出されないジレンマ。
そのストレスを上手に表出させ、品よく表現することに成功したとも云えます。
日本という社会に、紳士的に挑戦した放送局だと思っています。

ヘンなことをヘンだと誰も言わぬまま時代が流れることに、ブレーキがかかったと言っても過言ではありません。

朝起きると、必ずラジオをONにします。
家にいるときは、テレビよりもJ-WAVE。

いつまでも新鮮な放送を続けていただきたいと願います。

どのナビゲーターも個性が光っています。
一本筋の通った放送局J-WAVEさん、これからもよろしく。

朝だけではありません。そうそう、過激なピストン西沢さんと秀島ふみかさんの爆笑トークも毎日楽しみ、モーリーロバートソンさんの発言も気持ち良い、くりすともこさんやレイチェルさんも。。。

J-WAVE世代と呼ばれる世代がいった何歳の人を指すのかわかりませんが、私もその中の一人です。

J-WAVE皆様の今後の活躍を期待しています。


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何事も手間暇かけて

2008年09月18日 | 第6章 螺旋状に上昇する意味
夏から頼まれた掛け軸を仕立てています。
同時に4副の掛け軸を手掛けるのが精いっぱいで、梅雨明けから始めた掛け軸が一副ずつ、仕上がってきつつあります。

しょうふ糊を使い、化学糊は一切使いません。
化学糊は、時間をかけずに、しかも綺麗に仕上がるとのこと。でも、私は一度も使ったことはありません。
しょうふ糊を使う手法は、時間が必要です。工程ごとに一週間前後乾かし、按配をみながら、次の作業に進みます。でも、昔は、それが当り前のやり方でした。

花を活ける友人がいます。手間暇かけて花材を探し、それに相応しい花器も自分で焼きます。今日も信州の山に行っているはず・・・花は新鮮さが命なのだ・・・、そう言いながら、腰越漁港で買い求めた「かま揚げシラス」がいったい何日持つか?、とちぐはぐなことを言っています。

ほんとうに必要なのは、安易に出来上がったものでは無いように思うのです。
いつか、飽きがきます。

理想の形を求めつつ、それに対しての努力は惜しまない。「ある領域に関しては、絶対に曲げないものを持っている人」との付き合いは興味深いものがあります。

手軽に習い事ができる便利な世の中。それはそれで良いと思います。
でも、伝統的な巧の業は、そのものの価値に値段が付けられないほどの手間暇がかかるものなのです。

「ものを作る職人が居ない・・・」と嘆く前に、「簡単に安く手に入る」ことを改めて考える必要がありそうです。

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日ノ出町・アートランド

2008年09月10日 | 第6章 螺旋状に上昇する意味
2006年5月から2年4か月、月に二回行っていたアートカウンセリング講座は、本日で一区切りとさせていただきました。

講座参加の皆様、ありがとうございました。

ロコ・サトシさんのアートランドは、変わらずに活動していますので、よろしくお願い致します。

アトリエでの勉強会は、毎回楽しいものでした。

今日はロコさんの新作がアトリエいっぱいに広がっており、その作品を回避しながら窓側の隅に座り勉強会・・・

今日観た笑顔いっぱいの太陽の絵は、心をウキウキさせてくれました。

ロコさんの作品だけでなく、棚にはこのアトリエに集まってくる子供たちの多様な作品が山と積まれ、それぞれの個性がピカピカ光っています。
それぞれの個性の美は単独で輝きを放ちながら、この空間の個性を作り上げています。

子供も親も先生も、みんなみんな垣根なく一人の人間として自分を表現する場。

自分の個性のあるがままを一番大切にすると尊い宝物が顕れてきます。

このアトリエのコンセプトは、私のアイデンティティとも繋がります。
大切に付き合っていきたい場所です。

もともと桜木町のガード下に絵を描きはじめ、そこからライブアーティストとして活躍するようになったロコさん。そのガード下も時代の流れで改修工事が始まるそうです。
かれこれ30年・・・
時はどんどん流れていきますが、自分の真からやりたいことは、その頃から変わっていないように思います。

何となく類友のアートランドのお仲間。

これから、こういった場は社会にもっと必要になっていくはずです。

カウンセリングの勉強会はいったんお休みですが、アートランドの仲間としてこれからも関わっていくつもりです。
引き続き、応援よろしくお願い致します

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行動と思考の整理

2008年08月06日 | 第6章 螺旋状に上昇する意味
これだと信じて動いてきても、数年経つと、何となく次の方向性が見えてくる時期がやってきます。

その機会を無視して現状維持とするか、与えられた機会に乗っかり、新たな扉を開いてみるか。。。

それは、その時の状況で違います。

自分の中で、整理統合してきたものをいったん崩し、また整理し直すことは、事の大きさに関わらず随分経験してきました。

その時期がどうもまた、訪れているようです。
今回は、自分の内で自然に芽生えてきたものと、外から与えられることが一致しているような気がしています。

乗るか乗らぬか、

「えーい!乗っちゃえ!!」
これが私の結論ですが。。。

流れの中で出合うものすべてが、現在、自分の欲しているものと符合することにちょっとした興奮を覚えながら、この夏、心を静めて扇子の先を見据えてみようと思います。

同時に自分の「思考と行動」の整理を湧き出す感情から丁寧にしていきたいものです。

自分の転換期。波立つ器を静めながら自分の鞘に納まるまで、暫し不動の我が身を愉しみます。

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解釈によって変わること

2008年07月26日 | 第6章 螺旋状に上昇する意味
人はそれぞれ、自分というセルフイメージを持ちながら日々生活しています。

「自分を見つめて、見えてくる自分の傾向」は、

案外、「人からどう思われたいか?みられたいか?」から生まれてくるような気がしています。

最近「せっかち?」と問われることが立て続けに起こり、「なぁるほど、せっかち、、うんうん」と、「さもありなん」という気持ちがわき上がり、改めて、自分を見つめなおすきっかけとなっています。

だいたい、私の母が私から見ると、ある部分で「せっかち」です。
対して、父は、「よきにはからえ」、と私には映ります。

でも、そのせっかちさは、ある部分に有効であり、ある部分では、まったく有効ではありません。

どの部分でせっかちに見えるかというと「食と住まう」に関してです。
でも、本人は気配りだと思っているようです。
「よきにはからえ」の父は、気配りしてくれることが当たり前のようです。
(ロジャーズ的にいえば、あることの繰り返しが習慣化し、分化し、その人の個性となる)

長年の関係性から生まれた「良き按配」といえば、そうです。

自分の傾向は「一日にして成らず」と云えるようです。

私自身、何かに夢中になると、一直線。なりふり構わず、生活がそれ一色になっていきます。あれもこれも、という器用さはありません。
興味のあることに関しては、脳味噌がピピッと働き、そうでないものに関しては、まったくもって眠った状態のようです。その差が激しいとも云えそうです。

ということは、「せっかち」は、私の興味の領域に達した時に現れる自分の現象なのかもしれません。
私の好きな領域における精神情動であると解釈すると「せっかち」は、より一層納得できます。

・・・それと、はやとちり、というおっちょこちょいさも、自分の傾向として付け加えておきます。これも「せっかち」にはいるかも・・・


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アボリジニの見神欲

2008年07月17日 | 第6章 螺旋状に上昇する意味
エミリー ウングワレー展
7月28日ま・国立新美術館にて

かなり期待して行きました。
そして、久しぶりに期待に応えてくれた展覧会を観ました。

「人が描く」行為、というのは、魂の情動だと常々思います。

自己の魂を顕わにし、それを自分の表現にどう表すか。
難しい言い方かもしれませんが、簡単にいえば、「湧き出す情動」は、誰にも止めることはできません、ということでしょうか・・・

生きる「しるし」を表層の世界に表すことは、現在、芸術という言葉で区切られてしまっていますが、本来、区切るべきものではないと考えています。

区切りは無いのです。人が勝手に区切っただけの話。

顕わにしたい魂の情動を、規則的に表現したくなった時に、表現のためのルールをつくり、そこに音楽とか美術という区別ができ、それぞれの分野でさらにルールができ、技術をもち、工芸的になっていくのが、知性ある人間の技であるとも云えます。

でも、時々、そんな概念を吹き飛ばしてしまう表現者が現われてくることも事実ですし、その表現を商業にしたいと行動する人間が出てくることもよくある話です。

「ベルリンの壁」以前の20数年前、ニューヨークで出会ったドイツ人の現代美術家・キーファー氏のアトリエで衝撃を受けたことが私が絵を描くのをすんなりやめたきっかけとなりました。
彼の持つ激しい闘志と平穏でありたい心の葛藤がコールタールという材料で画面いっぱいに表現され、その表現力に打ちのめされたと同時に、描くことの意味が瞬時に私の内在していた想いと一致したのです。

エミリーの絵は、その時の私の体感を包み込んでくれるようなものでした。
大地の母は、普遍的で、アボリジニという民族を超越した魂の融合を得たように感じました。
描くエミリーは、誰よりも表現力のある人かもしれません。もしかしたらシャーマンかもしれません。でも、そんなことはどうでもよく、湧き上がる情動が彼女の手を動かしているに過ぎないことを目の当たりにしたときに、人の持っているといわれている「見神欲」という言葉が私の頭に浮かんできました。

人は見えないものを見、そこに普遍性を見出し、真善美を求めていく。
感謝と喜びは、普遍性の中に留まり、それを巡って螺旋状に天に昇っていくのだと
確信しつつも、いつもそのことを確認したい自分がいるのです。

エミリーの描いたしるしは、私たち人間の代弁者であるといっても過言ではないと思いました。

時満ちて出合うものとは、このことかもしれません。

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天国からのイタズラ

2008年06月30日 | 第6章 螺旋状に上昇する意味
信頼する人との別れから丁度一年が経ちます。

その人は、いまだにブラジルに住み、元気に活動し、私が書くブログにもいつものように突っ込みやヤジを飛ばし、でもたまには優しい言葉で励ましてくれたり、素直な自分を語ってくれたり・・・。それはそれは、賑やかで楽しく、まじめで正直で、気遣いのある聖職者です。

、、、と云いたいところですが、今は天国で私たちを見守ってくださっています。

この一年、Hさんを巡る人たちとの交流が私にとってとても大切な経験でした。
横の繋がりが如何に心のよりどころになるかを、身をもって体験したように思います。

先日、不思議なことがありました。
世田谷美術館にて行った表装の作品展に、たまたまお散歩で立ち寄ったシスター方が入ってこられました。いつもなら、声など掛けないのですが、その時は、なぜか話かけました。お話を聞いているうちにその中のお一人が今年の春ブラジリアから帰国したばかりだとおっしゃいました。そのブラジリアのある修道院で、一晩だけHさんを泊めたそうです。彼は、日中陽の差すなか話を聞いてほしいという若者を木陰に誘い、熱心に聞いていたそうです。ポルトガル語で、話すことすべてを聞きとれるわけでもなく、彼はひたすらその人の目を見ながらウンウンと頷いていたそうです。話を聞いてもらった若者は明るい表情で帰っていったそうです。

その姿が未だに深く印象に残っているそうです。

表装の作品展で、そんな話題で涙するとは思ってもいませんでした。しかも、Hさんを知る人がその会場に数人居たときでした。

きっと、この出会いもHさんのイタズラに違いない。。。

そう思うと、パッと明るい気分に導かれるのです。

たぶん、この一年、そのようなイタズラを感じ取り、「あ、ここに居るな~」
と思われた方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

7月1日。

この日がまた訪れることに、ちょっとした緊張感はあるのですが、これもまた、Hさんのイタズラのようです。ちょうど、腰越での勉強会があり、そこで彼を知る人たちと時を過ごします。云い知れない孤独感を一人で過ごさないで済みそうです。

今日から明日にかけて、祈りのうちに過ごします。

イタズラ好きのHさんのサプライズを今後も期待しながら、皆と微笑み合いたいと思います。
7月1日に、一緒にいられない私のお友達に、ブログを通してメッセージです。

手を繋いで、共に居ようね。

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ストレスの言語化

2008年05月14日 | 第6章 螺旋状に上昇する意味
生き甲斐の心理学の勉強会で、必ず「あなたの不安感は?」と問われます。

この問いに初めて出合う方は大抵困惑します。

実際私もそうでした。

「あなたの不安って何?」と問われても、言い様がありませんでした。
でも、頭のどこかに渦巻くグニャグニャしたものは感じるのですが、それが言葉に出ないのです。

「なたの不安に感じることをいくつか数えてみてください」、そう問われれば尚更です・数えているうちに、何が何だかわからなくなります。

自分の頭の中の絡まった糸をほぐす作業は、ここから始まります。


「不安感ー怒りー身体症状ー鬱ー錯乱」

「平安感ー友好的感情ー健康感ー幸福感ー統御感」

いま、自分は、どの状態に在るか、それを自分で分析できたらそれだけで、安心に繋がるかもしれません。

ちなみに、本日の私は、総体的に幸福感を感じながらも、任された仕事の準備をまだ始めていないことに関しての「焦り」と、6月に二つの作品展を控えているのに、仕立てている最中の掛け軸が、まだ仕上がっていないことの「不安感」、連絡すべき人に便りを出していないことへの「良心の呵責」、そんな感じです。

このストレスと言うべく不安感は、とりあえず、今日中には克服できると信じて、これから行動に移します。

このように私の「不安感の根源」を「行動」に移すことで解消できるものだと認識すると、イライラや焦りの気分は半減されます。

そんなわけで、ブログを書き終えたら、仕事開始です。

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