五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

東京聖地巡り

2017年12月30日 | 第2章 五感と体感
東京聖地巡り  2017年12月30日

家族のようにお付き合いしているイエズス会のスロベニア人のK神父様とクリスマスランチが叶いました。
毎年お正月に私の自宅にご招待していたのですが、今回身体を気遣い、私達が訪問することにしたのです。
夏までは具合の悪かった神父様が昨日意気揚々と現れたことで、気になっていたことが解消されました。
93歳とは思えない食欲とワインの飲みっぷりに、安堵しつつ、修道院内の聖堂「クルトハイム」と庭を案内して頂きました。
密かな憧れのクルトハイムは、重厚で簡素な聖堂で、私が好きな聖堂の一つです。
上智の学生と云えども、簡単には入ることの出来ない聖堂で、私自身も久しぶりに二度目の訪問が叶いました。
修道院の庭には、大きな木がたくさんあり、夏は木陰の散歩で涼むのだそうです。









再会を喜び合いお喋りも尽きなかったのですが、日も陰ってきたので、四ツ谷を後にし、
築地のいつもの鰹節屋さんに向かいました。

築地駅の真ん前には西本願寺があります。
つい最近寺カフェが誕生したので、中に入ってみました。
お茶だけでなく、食事もでき、観光客を案内するには便利な施設です。



そして、いつもの鰹節屋さんで鰹節を求め、
築地の波よけ神社で茅をくぐり、お参りし、



カトリック築地教会を訪問しました。
築地教会は、西本願寺と同様、空襲を免れており、東京で一番目に建てられたカトリック教会です。
日本で一番最初に建てられたのは、今の中華街入り口あたりにあった横浜天主堂です。





そのようなわけで、
四ツ谷のイグナチオに始まり、
   ↓
クルトハイム 

   ↓
築地 西本願寺
   ↓
築地 波除神社
   ↓
カトリック築地教会で結願。

12月29日の東京聖地巡りは、
神仏習合キリスト教の巡行が叶い、
よき一日でありました。


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まだまだこれから

2017年12月29日 | 第2章 五感と体感


高野山で出合った高山右近の甲冑


まだまだこれから    2017年12月29日

例年ならば、年賀状を出し終え、クリスマスの置物を片付け、お正月の飾りに入れ替えが終わっている頃なのですが、今年はいずれも成されておらず、それらのことは大幅に縮小せざる得ないという現状です。

ここまできたら、もういいや。。。と、思う気持ちもありますが、この三日間でできる事は、とりあえずやろうとは思っています。
「もう三日しかない。。。
いやいや、あと三日ある。。。」
と、お気楽気分に変換して、年の瀬を過ごす事に致します。

仕事柄、若い人と関わる事も多いのですが、今年は、人生の大先輩である方々との新たな出会いも多く、また一つ世界が広がったような一年となりました。
自分の表現したい何らかの情動が、物質的な条件を超えると、案外すんなりとできてしまい、「まだまだこれからよ」ということも目の当たりにし、自分の可能性をもう少し信じても良さそうだ、、、という、魔法にかけられることもしばしばあったように思います。

まだまだこれから
と、思っていたら、
昨晩のスポーツニュースでの川崎フロンターレの中村憲剛選手のインタビューが印象的でした。
インタビュアーが「37歳という年齢ですよね。日本代表、MVP、そしてJリーグ優勝で、やりたいことはすべてやったんじゃないですか?」と問うと、ニコニコ笑いながら「いやいや、ここからじゃないですかね~」と仰いました。
濁りの無い爽やかな言葉に、中村選手に魅力を感じました。

身の丈の状態は、自分が決めれば良いわけで、年齢や立場という条件で縛られていたら始まるものも始まりませね。その時点時点で自己の現実吟味力を養っていけばよいわけです。反省しながら軌道修正しつつ、人生を楽しむことは刺激的で面白いものです。
今年を締めくくる言葉は、「まだまだこれから」と言うことに致しまして、あと三日間、できる事をやりつつ、お気楽気分で年越しに流れ込もうと思うのでした。

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クリスマスの会話

2017年12月27日 | 第2章 五感と体感

パリ サクレクール寺院


クリスマスの会話        2017年12月27日

或る方の紹介で、草加で裏千家のお茶の先生をしていらっしゃる人生の大先輩ととある場所で一泊させていただきました。
千利休が生きていた頃はカトリックが今様の人々に大変身近であったことから、千利休がロザリオを持って道を歩いている画があったり、出雲阿国がロザリオをぶら下げて舞っていたりと、信長、秀吉の時代には、キリスト教がもたらした典礼や文化が大変大きな影響をもたらしている話題となりました。
昨年は、高山右近が列福されたことを祝し、お家元が高槻教会でお茶をたて、奉納するミサが行われたことをお話すると、お茶の手前は、カトリックのミサそのものであることを知りながらも、カトリック教会のミサを体験したことが無いと先生が仰るので、ぜひ、来年早々に実現しましょう、ということになりました。

お茶時の設えから表装の話、能の話、お花の話等に広がり、裏打ちされた個人の文化体験が如何に大事であるかを、しみじみと感じ合い、超楽しい時間を過ごしました。

形だけなぞらえても、裏打ちしたものが無ければ、薄っぺらいものにしかあらず、
しかも、その薄っぺらいものを感ずることは、裏打ちを意識している人にしか感じないものなのでありましょう。かく云う私自身も、裏打ちの質はまだまだ取るに足らないものですが、表現されたものの背景に宿る何かをひたすら積み上げる人生を楽しむことは、意識しているつもりでいます。

京都の東寺の終わり弘法を楽しんできた友人が、粋な和菓子を届けてくださったことも重なり、人生をしみじみと感じる愉しさを改めて感ずるのでした。

さて、何処のカトリック教会でミサを体験していたこうか、、、と、思いを巡らすなか、カトリック築地教会が私の中で候補に挙がっています。
歴史的な建造物でもあり、空襲で爆撃を免れたことでも有名な教会です。
戦後の時代、色々な苦労を重ねて今日に至っていらっしゃる世代の方々には、色々な想いが湧くのではないでしょうか。

形ばかりに囚われす、普遍的な魂を感じ取りつつも、諸々の話題を慎みやかに楽しむ事こそ、たのしけれ。
日本人のアイデンティティは此処にありやもしれませぬ。
素敵なクリスマスに感謝。

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クリスマス

2017年12月24日 | 第2章 五感と体感



今日の写真はパリの大好きなパサージュ(アーケード)





クリスマス    2017年12月24日

今日は聖夜のミサを目標に、朝からバタバタと過ごすことになりそうです。
早くから準備をしておけば良いのでしょうが、今年は、仕事や用事が重なり、恒例の学校でのタブロー(生誕劇)も観に行くことが出来ず、ラジオや街に流れるクリスマスソングを聞きながら過ごしてきました。
今日こそは、落ち着いて聖夜のミサに与りたいので、日中はちょっぴり頑張って動きます。





昨日は、思いがけぬ誘いを頂き、家で家事に勤しむつもりが、観劇の日となり、元気の気を貰うことができました。
やはり、気分転換は必要です。
必要な時に必要なものが与えられる、というのは、まさしくこういう事なんだなぁ~と思いながら、舞台を心底愉しみました。

皆様も良き聖夜をお楽しみください。


マドレーヌ寺院
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冬至

2017年12月23日 | 第2章 五感と体感

写真:このマトリョーシカ、パリのロマノフの末裔が経営するお店で出合ったものです。

冬至        2017年12月23日

昨日は冬至。しかも、利用した田園都市線と小田急線から見える富士山がとても美しい一日でした。雪を被る富士山の美しさをしみじみと眺める事は、私の統合に至る統御感の一つでもあるかもしれません。
朝からかぼちゃを頂き、仕事先で頂いた柚子の香りでお風呂に浸かり、一年で一番夜の長い日にタイミングよく片付いた仕事もあり、ほっと息をつきました。

そして、昨日22日で今年最後の講座が全て納まりました。
たまプラーザのいつもの中華屋さんで、いつもよりも豪華なコース料理で乾杯し、しかも新たなメンバーもお迎えして歓談することもでき、ほっこりした楽しい時間を過ごしました。中華屋さんの従業員の方から「金曜日のマダムたち」と命名され、まんざらでもないと喜んでいる、とてもおちゃめなお仲間です。
講座生の皆さんの明るさと優しさが相乗効果を成して、雪谷校もたまプラーザ校も、満員御礼となり、心から感謝しています。
今年は、表装にしても生き甲斐の心理学にしても、じっくりと仕事の内容を整えられた一年だったように思い返しています。
これから数日は、事務仕事に勤しんで、きっちり納めたいな、と、イメージだけは希望に満ちております(笑;)

明日は聖夜。
今日の天皇誕生日は、突然舞い降りたお楽しみをご褒美といたします。

謡って舞ってから、歌って踊って、です~

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配慮の心

2017年12月21日 | 第2章 五感と体感

写真:日本橋の奈良県ショップの前に立つ何故かサンタの服着ている遷都
君。

配慮の心 2017年12月21日

待降節の最後の週、仕事やプライベートの宴や、クリスマスカードやプレゼントのやり取り等で普段よりも忙しなく過ごしています。
毎年のこととはいえ、段々と夜遅くまでワイワイやる気力と体力がなくなってきたので、早々に家路に着くことが習慣化してきました。それが自然な成り行きということなのでしょう。

気付けは、付き合いの長い人が多く、よくよく考えてみれば半世紀以上生きていれば、自然の成り行きですし、友人達と話題になる過去の話から現在に至るまでの道行きが長いのは当然の事です。

友達同士のお付き合いだからこそ、無言の配慮の心無くしては続かないというのも、人の心の流れの普遍性であるかもしれません。
不義理が続けば、どちらかが引いていくでしょうし、優しい配慮の心が互いに通じ合えば、きっと長くお付き合いが続いていくのも、人の業に繋がるのです。

互いの配慮し合う心のエネルギーが心地よい人とは長きにわたり、連絡をしあったり会ったりしていますが、互いのエネルギーの度合いが違うと、その違和感が相手を遠ざけていきながら、自分の心地よい人間関係が育まれていくのかもしれません。
配慮の心は、人によってそれぞれでしょうが、双方に安心感や喜びや感謝の心芽生えたら、配慮の心の調和がとれたことになります。でも、自分が知らずに配慮されている事も結構あることも頭の中に意識しておくことも大事な事でありましょう。
あとから気付く、というのもよくある事ですし、もしかしたら気付かないままでいることだってあるはずです。

人との繋がりが塩梅良く繋がっていくことを見ているのも私の喜びの一つです。
歳を重ねれば重ねるほど、そんな喜びを心に秘めて、里山に佇むお地蔵さんみたいに仄かな笑みのお顔で居たいものです。

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音を吸う

2017年12月19日 | 第2章 五感と体感


音を吸う    2017年12月19日

大きなコンサートホールには、大抵クロークがあり、コートをそこに預けます。
日本では、手に持って膝に置けば良いと思う人が多いのが現状であるかもしれません。

千人の人が荷物とコートを持ってホールに座ると、その音は演奏者に聞こえてくるだけでなく、演奏した音がモフモフのコートに吸い込まれていくのだそうです。

確かに石の教会は反響がダイレクトで、パイプオルガンの響きが身体に直に伝わり、音が倍になるくらいの体感を感じます。木造の教会だと、音が吸収されていくような柔らかさを感じます。

先日、邦楽の太鼓や笛の練習をどこでする?という話題になり、若い囃子方の方々の工夫を聞いてなるほど、、と、思うことがありました。
マンションに住んでいたら、太鼓や笛の練習は近所に響き渡り無理があります。
謡いにしても、かなりの声量なので声が響き渡る人でしたら、お隣にはしっかりと聞こえるはずです。
押し入れに沢山のお布団や物が積まれてあるので、押し入れの戸を開けて、そこにむかって謡うと音が吸われて近所迷惑にならない、という話題が上がったことをふと思い出しました。

大きなホールでのコンサートでは、私も面倒くさがらずにコートを預けようと思うのでした。

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現実吟味力を養う

2017年12月16日 | 第2章 五感と体感
自分のスケール  2017年12月16日

東急セミナーでの各講座の今年後半は、自分のスケールの思考と感情と行動のスケールを吟味するための「プロセススケール」を学び合っています。


昨日で雪谷校の年内最後の講座が納まり、皆さんと和気あいあいの時間を過ごしました。

今年最後の質問を
「来年は自分自身をどんな色のイメージで歩んでいきたいか?」
と、させていただきました。

つい最近、浴室の大きな張り出し窓のブラインドの色をレモン色に決めた時も、来年の自分は黄色かな。。。というイメージが湧いたことをふと思い出しました。

今までの自分なら迷わず白を選んでいました。
築20年の家は、そろそろ壁紙も汚れが目立ちだし、浴室のタイルも白ではありますが、白いブラインドにすれば、タイルの汚れが一層目立つような気もしての決断でもありましたが、たまには気分で決めてみようと思ったのです。

自分自身がその場その場で湧き出している感情を、一瞬の間でも自分自身が意識化することができると、咄嗟の時の判断に、吟味する力が加わるのです。

「自分は、いま、慌てているな。。。」
「自分は、いま、怒っているな。。。」
「自分は、いま、嫉妬しているな。。。」
等、なかなか受容しにくい感情であっても、自分に湧き上がった真の感情を意識化できていると、自分の行動や言動にも余裕が生まれます。

私自身、咄嗟の時の判断や行動が、結構お節介的であることを自ら受け容れつつ、自らの身を守るためにも、自分の現状を把握して現実吟味力を養いたいものです。

来週金曜日のたまプラーザ校も、そのような内容で締め括り、年内の講座を納めたいと思います。

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待降節をあんじょうよく楽しむ

2017年12月14日 | 第2章 五感と体感


待降節をあんじょうよく楽しむ   2017年12月14日

我が家にもクリスマスカードが届き出しました。
クリスマスの季節に決まった人から決まったものが届くと、今年も安生良く過ごしていらっしゃる証拠だと、安心するのです。

色々あっても、節気の決まり事がこなせることは、相手側が御無事であると推察することが出来るのです。
普段離れて暮らしているからこその心遣いは、この季節ならではの互いの安否確認のツールでもありましょう。

この週末は、友人がシュトレンを届けてくれます。
私は、その贈り物をすっかり当てにしているので、「そろそろかな~」と、この時期になると、連絡が来るまでその友人の事を思いを巡らすのです。毎年恒例のメールが来ると一つの行事が整ったような、平安感たっぷりの心持になります。

日本の習わしであるお歳暮も同じような心持のやり取りでもありましょう。

師走の忙しない時期は、こんなやり取りをしながら、冬至に向かって日が短くなる時期を過ごしつつ、クリスマスを目安に人との関りを大切にする大切な時期なのです。

人の生活は、人と人が会ってこそ、成り立つものです。

人との繋がりは、歳を重ねていくほど、仕事での付き合いがなくなったり、天国に行かれる方も多くなることもあり、少なくなってはいきますが、大事な人とのお付き合いは、心を籠めて続けてゆきたいものです。
冬至に至る待降節の時期を楽しみたいものです。


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何とかなる?

2017年12月12日 | 第2章 五感と体感

東大寺の散華

何とかなる?       2017年12月12日

自分の身体と心は一人分しかないことは、自我の目覚めのあたりから薄々と気付き始め、社会に出るとガツンとその問題にぶち当たり、やっぱり自分は一人だ、という孤独感に改めて気づかされたりするようです。

自分の始末は自分でつけなくては、誰もやってくれませんので、自分が問題の処理をせずに長引かせれば、自ずと問題は処理に至らず始末が付きません。

たぶん、親子も夫婦も社会の組織の中でも、同じような問題があるわけで、何らかの役割を誰が担うかの押し付け合いも日常茶飯事の事でありましょう。

誰かがやってくれることを期待して、それがままならないときに、誰かのせいにしていれば、こんな楽チンな事はありませんが、そのような考えが当然の権利だと思い続けていると、自分のために動いている誰かの心と体が蝕まれていくことにも気づくことはないように思います。

ぽつん、と、独りになったときに、気付けば、その人は始めて幸いを知ることになるのかもしれませんが、大抵の場合、そのまんま何とかなってしまう人の方が多いようです。それが人の役割のバランスであるとも言えそうですが。。。

何とかなる。

何とかなる、と、思いながら、律令制度が成り立った奈良時代から1300年余り経った日本の国でありますが、昨日のノーベル賞のニュースを見ながら、日本というアイデンティティを他の国に住まい、意識し、発信し続けてきたお二人に対して、日本に住まう私たちが罪を押し付けているような痛さも感じました。

日和見に事を流し続けていくうちに、そろそろほんとうに世界から見限られてきたような節を感ずるのは、私だけだろうか。。。と、思いつつガンジスの砂粒の見えないくらいの一粒の私ができることを改めて考えるのでした。

何とかなる、という先の中には、何にもならない、という結末もあることを忘れてはならないな、とも思ったり。

そうはいっても、深刻になっても仕様がありません。
個人的には、「笑う門には福来る」心境は変わらずです。。。


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笑う門には福来る

2017年12月11日 | 第2章 五感と体感


笑う門には福来る        2017年12月11日

笑う門に角には福来る。

集っては他人のうわさ話や芸能人のゴシップネタを話したり、日ごろの家庭の事情を吐露する事も、良き発散ではありましょう。。。でも、話題がいつもそんな話題では、腹の中に毒素はたまるばかりかもしれません。

確かに、不安な事が重なれば、それが気になり執着しがちになるのは当然のことです。
しかしながら、わかっちゃいるけれどどうにもならない現実に自分の心が支配されすぎていると、必ずや免疫力が落ちて、体調を崩しがちになるようです。

気心知れた友人たちと、自分の不安な現状を吐露する時間が終わったら、その話題を繰り返すよりも、まったく違う話題で楽しんだ方が、健康的なのです。
他者に自分の問題を話しても、何らかの手掛かりや助けになる情報も得られるとは思いますが、同じ話題を何度も繰り返すことは効率良くないのです。

一対一の対面でのカウンセリングの時間は、大抵40分から50分が相応しいと云われている所以はそこにありそうです。
だいたい悩みの心の内にある吐露する内容は、ひとしきり他者に話すと、不安感の繰り返しが訪れてくるようです。繰り返しの起点あたりで、話題を変えた投げ掛けをすることで、なるべく何度も同じことを繰り返さないようにするために、
明るい話題を提供すると、感情に光が差して、お顔の血の巡りに変化が表れてくるのです。

不安感の強さと安心感の強さは、振り子のような関係かもしれません。

感受する心を自分自身が楽しめることこそが、生きる力そのものであるかもしれないとも、最近つらつら思います。

今年は、腹を抱えて笑うくらいの大笑いを随分経験させていただきました。
笑いは、不安ありきが前提とも言えましょう。
師走は、諸々の集いと宴の多い時期です。
人は、明るい話題を提供するよりも、暗い話題を提供する方が楽なのだそうです。
明るい話題の提供は、暗い話題を提供する事よりも知恵が必要なようです。

笑って酉とさよならして、戌をお迎えしたいものです。
  笑う門には福来る  ほんと、仰る通りでございます。

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年末のけじめ

2017年12月10日 | 第2章 五感と体感


年末のけじめ   2017年12月10日

12月第一週が過ぎると、仕事の日数が減るので、家の事をまとめて行うようにしています。私自身家の用事を行うための脳みそを働かす余裕があるのが12月というわけです。
この時期は、馴染みの電気屋さんにあれこれとお願い事をするのが、毎年の恒例です。
今年はブラインドやカーテンレールの取り換えや水漏れ大破寸前のキッチンの蛇口を取り換えてもらうための打ち合わせをして、それらが年末ぎりぎりに整う段取りをつけることもできました。築20年となる我が家は、毎年諸々なメンテの必要性が出てきています。こまめにメンテしているつもりですが、物質耐久には限りがあるので怠るわけにもいきません。
水回りや普段掃除しない場所を綺麗にすることも年末の行事です。台所の収納やカーテンを洗うのは夏の大掃除で済ますので、ちょっとは楽です。
師走にやるべきことを済ますと、けじめをつけられます。
12月でけじめをつけて正月を迎え、一か月後の春節で心と体を新たにするというのが私流の切り替えなのです。
忙しない時期を正月で区切りをつけて、助走をつけて春節から一年を始めることは、体内の循環に合っているように思います。
そんなわけで、月に一度の腰越やつつじが丘の講座は2月から12月を「一巡り」としています。
日本の慣習に合わせて全てを4月から始めて、3月を終わりにすると、繁忙さが倍増してしまいます。分散しておくと、頭の整理が順当にできるのです。

12月半ばに突入する時期になり、今年の締めを飾る講座、東急セミナー・たまプラーザ22日まで、あと2週間弱となりました。

夜は忘年会やイベントが目白押しの時期でもあり、体調崩さない程度に楽しみたいものです。

今年のけじめを意識しつつ、大晦日の日まで穏健に丁寧に、過ごしたいものです。




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ウキでウキウキ 山元町のお話

2017年12月09日 | 第2章 五感と体感


ウキでウキウキ   2017年12月9日

今日も宮城県山元町のお話です。

11月27日に一年ぶりに訪れたNPO法人ささえ愛山元さんの道路を隔てた敷地に何やら色とりどりの球体の群れに真っ先に目が行きました。
近づいてみてみると、それは海に浮かせる「ウキ」です。
お隣の住人でもあり、施設のお仕事もなさっているМさんが、拾ってきたウキに顔を描いていくうちに、どんどん多くなっていったそうです。



幼稚園に行く子供たちも、ささえ愛山元さんの利用者さんもスタッフさんも、近所の人も、皆が笑顔で、このウキを見ていると思うと、ウキウキした高揚感が湧き上がってくるのです。

もともと芸術的なセンスが抜群のМさんは、考え方も詩人のような繊細さと大らかさを備えていらっしゃいます。
この辺りは、津波の被害を受けてはいませんが、きっと陸地に流されてきたウキを見て、アイディアが思い浮かんだのでしょう。
一つ一つの朗らかなお顔の絵は、Мさんのお人柄を表しています。
奥さんのお顔も描いて、二人並んでおかれているウキは、心の底からの優しさと愛を感じます。



理事長の描いているヴィジョン「森の小径プラン」を現在整備しているのもМさんです。彼の芸術的センスで、森がどのようになっていくかも楽しみです。




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公開講座のご案内

ユースフルライフ研究所

2017年12月19日 つつじが丘勉強会

1月はお休み 2018年2月から講座開始です。
2018年2月6日 鎌倉腰越講座
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12月15日13:30~15:30雪谷校
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森の小径というヴィジョン

2017年12月08日 | 第2章 五感と体感


森の小径というヴィジョン               2017年12月8日

「夢を描く。ヴィジョンを持つ。そして、これらを言語化して、行動に出る。」
という心理学の理論は、カウンセリングだけでなく、ビジネススキルとしても良く知られている理論です。

先日、宮城県山元町のデイケア施設の最後の講座で、施設のスタッフの皆様から感慨深く印象的な言葉をたくさん聞かせていただきました。
その中で、強靭な行動力を持つ理事長が、「私は、ちゃんとヴィジョンをスタッフの皆さんに伝えていないわ~」と呟かれたのです。

そのNPO法人の理事長さんは、震災直後から、施設の再建、稼働するために動き出し、2011年7月には移転した場所で再開を果たしました。それだけでなく、仮設住宅の集会所で「パラソル喫茶」と称する「お茶っこ」の場を定期的に開催し、手作りの料理やお菓子を用意して、被災者の方々が集い、気持ちや近況を共有しあうきっかけの場を提供してこられました。
その活動のお陰で、私共も多くの人々と出会うことができました。
ヴィジョンを言語化して、着々と自己実現を果たされてこられた方が、そのようなことを仰るので、ご本人がそう思うのだから、そうなんだろうと思いつつも、私自身のヴィジョンの持ち方が比べ物にならないくらい希薄であることに気づかされました。

こうしたい。
こうありたい。

人は、理想と現実のギャップがあるからこそ、不安感が増大するのが、人の悩みや不安のメカニズムであり、その理想と現実を行ったり来たりしながら、現実の自分を受け容れていくことも人の統合のあり方でもあるのです。
いつも、天国のように幸せ感で満たされていたら、危険を察知する吟味力は、育ちません。
そのようなわけで、「ストレスは、幸福のための道しるべである」と、私自身も学んできました。

ヴィジョンを持たずに「なるようになれ」では、何も始まりませんが、ヴィジョンが見えた時に「なるようになる」ことを信じていれば、それが実現へ動く自分の「力」になるのです。

今回の講座の最後の質問は、
「あなたは、何処に向かっているのか?」という、問い掛けでした。

何をしたいか、
どうありたいか、
という事ばかりに、意識が向いていると、実現するまでのプロセスが見えてきにくくなります。
だからこそ、自分は何処に向かっているのか?という行程的な質問を投げかけてみました。

理事長さんの応えは、施設の前の森を整備して、車椅子でも歩くことの出来る小径を造る事だそうです。
その小径は、もうすでに着手されています。

言葉と行動が一致している人の言霊は、やはり力強さを感じます。

理事長さんが仰られた「ヴィジョンを言葉に出していない」という自己の解釈は、きっと、行動が先に立つので、周囲が理解についていけず、混乱気味になる、ということの気づきなのかもしれません。こればかりは、本人でないので分かりませんが、拙い私の推察です。

これから東北は厳しい冬の季節。
森の整備を進めながら、森の中で木漏れ日の光を浴びるのをたのしみに、私も次のステップを踏んでゆきたいと思うのでした。



森の小径の散策が今から楽しみです。

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金蛇水神社と手打蕎麦

2017年12月07日 | 第2章 五感と体感


金蛇水神社と手打蕎麦  2017年12月7日

11月27日、山元町に向かう途中、親戚の案内で、宮城県岩沼市に鎮座する金蛇水神社を参拝しました。





古代から七色の水が湧く場所であったため、水を祀り、同時にお金の神様として遠いところからも参拝者が訪れるそうです。



岩沼市の山の中腹にあるため、津波は免れました。

仙台市のお隣、名取市で蕎麦屋を営んでいた〇さんが、店舗が震災の被害を受けたため、そこで蕎麦屋を営むことが出来なくなり、金蛇水神社の好意を受け、お茶屋の中で蕎麦屋を再開しています。日本のそば粉100パーセントの10割蕎麦を打つのは女将さんだそうで、御主人よりも優しい仕上がりになっているとのこと。
私の親戚の名取の家の近くの蕎麦屋だったため、足繁く通ううちに親しくなり、御主人が病気で入院中の正月には、御主人に代わって店を切り盛りしました。何しろ、お正月の神社は大変な賑わいで、てんてこ舞いだったそうです。
蕎麦屋の出資までして、金蛇水神社に丁寧に参拝してる親戚も仙台で会社を経営しているのですが、子供の頃からの人徳で、人が好く、震災後7年近く経ち、会社の運気も上がってきているようです。


煮物はストーブでコトコトと炊き上げます。蓋を取らせていただき、パチリ。


煮物も盛りだくさん。



「金蛇水」というあまりにもダイレクトな名称の神社のせいか、台湾や韓国からもお参りに来る人がいるそうです。

宮城の県南は、長い長い浜辺がありました。気候も良く、食の豊かな土地柄でもあります。たいていは東側に海が広がり、西側に山があるのですが、関東に住む私にはその方角に慣れるまで時間がかかりました。その西側の低い山には水が出るところが多く、縄文時代の遺跡や遺物が多く見つかっているのです。
水が出るところには、たいてい神社があります。
水は富に繋がり、白蛇がそこを守ることで鎮静を図り、公平に分配することで、戦いを避けてきたことは、人の知恵でもありましょう。

頂戴した「天下の周り物」を上手に使うことができるよう、私も丁寧に参拝しました。

10割蕎麦とは思えない、繊細な優しい御蕎麦を頂き、蕎麦屋のご主人からアテルイ的な東北の精神性を感じ取りつつ、興味深い体験をさせてもらいました。

お茶屋の中は、いい雰囲気です。でも、来年は取り壊して、新しくなるそうです。ちょっと残念。。。


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