五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

鎌倉の山桜愛で能の会

2014年03月31日 | 第2章 五感と体感
昨日は生憎の雨でした。どなたが雨男か雨女かは解りませんが、確か去年の発表会は嵐の中の国立能楽堂での発表会だったように記憶しています(笑)昨日は朝の内はまだ雨だけだったようですが、一日外が強風の中の発表会となっていたようです。

意外にも鎌倉には公的な能楽堂がありません。これだけ文人に好まれた地であるのに、個人の御屋敷に能舞台を持つことはあっても、公的に私人所有の能舞台を移築して建てる動きにはならなかったようです。昨日の能舞台は某能楽師所有の舞台をおおやけに貸してくださっています。

鎌倉能舞台のある長谷寺を更に山側に入った谷戸の道は大船方面に繋がっています。周囲は低くい山ではありますが、連なる山は鎌倉五山と云われ、ハイキングコースにもなっています。横浜や藤沢、逗子に抜けるには谷戸や切通しを抜けなくては行くことができない地形となっています。故に、義経も鎌倉入りのために兄である源頼朝からの許可を得る為藤沢寄りの江の島を望む万福寺で腰越状を書き、待機しました。腰越も海沿いは山であり、当時は簡単には入ることは出来なかったはずです。
このあたりの鎌倉の山間に入ると、「千手」を思い、哀しくなります。そのような雰囲気の場所です。

今回私が舞ったのは安宅です。歌舞伎で言えば勧進帳。琵琶湖を抜け安宅の関で弁慶が白紙の東大寺再建勧進の書状をとうとうと読み上げ、義経一行が無事に陸奥の国へと落ち伸びる場面です。

とうとうと読み上げて、勇ましく陸奥へ向かう様な迫力には欠けた弁慶こと私ではありましたが、能の面白さ、歌舞伎の面白さはここにあるんよ~♪と、歴史の名場面を妄想しながら楽しくも苦しい稽古を積ませて頂きました。

社中の皆様の素晴らしい舞台と、ご師匠様の熱心な指導と懐の深さに、今回も堪能しきりの発表会でした。
そして鎌倉の山桜が雨に濡れ、徐々に色付いてきた鎌倉の山を時折窓から愛でながら、好き好き一日を過ごすことができました。

「宝くじの3億円が当たったら、能楽堂を建てるよ」と宣言する私達は、「いやいや、3億円じゃ無理無理。二人が当てないとだめね。もしくは5億円だわ~。維持管理を考えると儲けないと~;;」などと本気度の高いジョークを飛ばし、宴は毎度の賑やかさでお開きとなりました。

めでたしめでたし。

改めて夏の横浜金剛会に向けて自らを律して稽古に励んで参りたいと思います。

みなさま、お疲れ様でした~^^//

ここで、一句「鎌倉のやまざくら愛で謡い舞い」
お粗末さまでした。


☆☆
4月22日(火曜日14時~)~27日(日曜日)世田谷美術館区民ギャラリーにて「江戸表具を愛する会」の作品展を行います。新緑の季節、砧公園をお散歩がてら、ぜひ!


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生き甲斐の心理学を学ぶ

2014年03月29日 | 第2章 五感と体感
年度末。昨日は昼間も背広を着た人々が多く電車に乗っていました。何となくいつもとは違う様相でした。

東急セミナーBEたまプラーザでの勉強会も昨日で丸二年が経ちました。多くの方に利用していただき、成果も感じています。

自分の生き甲斐とは何か?
自分は何のために生きているのか?
自分の身体と心と魂を大切にしているか?

これらの設問を真面目に心理学の理論を学びながら自問自答していく勉強会は、たぶん、他には無いかもしれません。

「こういう学びがしたかった~」と、閃いたように受講してくださる方にもたくさん出会いました。
特に雪谷校では、駅の構内に看板やチラシが設置されているので、「自分の生き甲斐って。。。」、と、考えると、沸々と興味が高まり受講される方もいらっしゃいます。

答えは自分の内にあります。

自分自身の生育史という尊い宝物のページを開きながら自分のペースでそのページを捲っていく学びですので、学びの進度は自分自身で決めていただいています。

カルチャーセンターでの講座ですので、3カ月が一つの括りとなりますが、学びを始めて終える時期も、御自身が判断する、というような緩いスタンスで行っています。

自分の内から湧き上がる感情を互いに大切にしていくことで、自分の内から湧いてくる応えは、一人一人の個性の賜物です。

「これだ。」という、答えを見つけることよりも、死ぬまで自問自答することに生きている意味を見い出すものかもしれませんが、私自身、自問自答すること自体に生きている意味を感じているようにも思います。

日本は、寛容なアイデンティティを持ち具えている国です。
自分に合った学びを自由に取捨選択できる環境も整っています。
だからこそ、好きな学びを年齢に関係なく、学び続けていきたいものです。

☆☆
小さな掛け軸展:3月27日~29日まで。「渋谷のIMA」にて開催中。
私は版画作家のアコちゃんの作品を表装し、小さな掛け軸を作りました。色違いで2副出品しています。購入もできます。期間中私は不在ですが会場の担当の方にお声を是非掛けてください。


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桜咲く年度末

2014年03月28日 | 第2章 五感と体感
近所の公園の桜が咲きました。
私は、花が咲くか咲かないか、ぎりぎりの淡い桜色の蕾が木全体を包んでいる状態が好きです。
昨日は、日当たりのよい場所は既に随分花が開いていました。でも、池に面した桜は、まだ私の好きな状態でしたが、今日あたりは、もう少し花が開いているのではないでしょうか。

今日も電車に揺られながら車窓から見える桜を楽しむことができそうです。

蕾が膨らむ頃のむんむんとした自然界の匂いは、どくとくの甘くて青臭い匂いです。

花粉症の人はそんなことを言っていられる状況ではないかもしれませんが、蕾が開花するくすぐったいような香りを聴きながら、年度末を過ごしたいものです。

今日は東急セミナーBEたまプラーザでの講座です。私も年度末最後の講座となります。
たまプラーザの講座は丸二年。来年度から三年目に入ります。
受講生の皆様も私も継続は力であると、感じながら二年間続けてきました。短い期間受講する方もいらっしゃれば、継続して開設当時から学び続けている方もいらっしゃいます。
来年度も受講者の皆様と和やかに展開してまいりますので、「生き甲斐の心理学講座」を宜しくお願い致します。

☆☆
小さな掛け軸展:3月27日~29日まで。「渋谷のIMA」にて開催します。
私は版画作家のアコちゃんの作品を表装し、小さな掛け軸を作りました。色違いで2副出品します。購入もできます。期間中私は不在ですが会場の担当の方にお声を是非掛けてください。


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自分の役割と立ち位置

2014年03月27日 | 第2章 五感と体感
春だなぁ~~、としみじみ感じる今日この頃です。
柳の新芽も柔らかい黄緑色で枝を埋め尽くし、さやさやと風になびいています。
この情景は、私にとって春の始まりに欠かせない萌える気持の儀式の様なものでもあります。

昨日あたりから庭の新芽も目立ち出し始めました。紅葉の紅いほわほわ新芽。夏椿の白いほわほわ新芽。
芽吹きを見ると希望を感じます。

いにしへの人々は、そんな季節の変化をもっと直に感じていたのだと思うと、またまた旅に出たい情動に駆られます。

自分の役割というのは、生活する色々な場面において違うはずですが、4月を迎えるに当たり、「自分の仕事や学びの場で、どのような立ち位置で自分を活かしていくか、または自分の役割は何か」ということを思い巡らさないまま突入してしまうと一カ月ぐらい後に息切れが生じてきかねません。
「心の自由」は、そんな時に発揮されるはずです。
自分の役割の中で自分の心の自由が発揮されたら、こんな好ましい事はありません。

人には自由な心が与えられているはずなのですが、どういうわけか、小さな箱の中で生きているかのごとく自由が得られていないと思いがちです。でも、そういう思いが湧くことも「心が自由である」ことの証拠でもありましょう。

自分の個性は、時と場所でそれなりに変化(へんげ)できるはずで、個性を頑なものにしてしまえば、益々壁に囲まれてしまいます。時と場所で心地良く自然体でヘンゲできれば、自分にかかるストレスも少なくて済みそうですが、そのように心地良く自由自在にヘンゲしている人にはそうそう出会った事はありません。

年度末と新年度の狭間に、「新芽ほわほわ」など愛でる余裕の無い方も多いかもしれませんが、せめて春の芽吹きと息吹を電車の窓からでも感じ取りながら自分が関わる場所の自分の役割とそれに関する立ち位置を再認識して新たな気持で臨みたいものです。

☆☆
小さな掛け軸展:3月27日~29日まで。「渋谷のIMA」にて開催します。
私は版画作家のアコちゃんの作品を表装し、小さな掛け軸を作りました。色違いで2副出品します。購入もできます。期間中私は不在ですが会場の担当の方にお声を是非掛けてください。


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エントロピーを感じる時

2014年03月26日 | 第2章 五感と体感
先日、バザーに出品するために「カード掛け」を作り、バザー担当の方々との打ち合わしていると、「懐かしいわぁ。私の実家は富山の表具屋だったのよ」と、云う言葉が飛び出してきました。
その方のお兄様も、京都の美術館で表具師としてのお仕事をされていたそうです。
私自身、学生時代、北陸や東北出身の友人達の「根を詰める凄さは、半端じゃない」ことを思い知らされていましたし、実際東京都表具協会主催の展覧会に出品されている北陸の表具師のお仕事ぶりを拝見させていただく毎に、半端じゃない。。。と、いうことを学生の経験踏まえて感じ続けていただけに、突然の目利きの出現をとても嬉しく思いました。

「幼い頃仕事場で糊を棒でこねる手伝いをしながら、父の仕事を眺めていたわ~」との言葉は、私自身も祖父のアトリエで湯煎している膠を棒でこねながら「ぼぉーっ」としてアトリエの風景を眺めていたことを思い出し、そうやって先輩や親の姿を見ながら学んで体得していくものだと、改めて自分の生育史に感謝する時間を持ちました。

「希望」という言葉は、言葉だけですと中々伝わりにくいものですが、自分自身が希望を感じる時の体感は「ぐーんと、未来に向かって光が放たれるような」そんな感じになります。そんな感覚の時には、間違いであるとか失敗等という負な感情は湧きません。それが一瞬の出来事であっても、光が放たれる感覚を味わうと、小さな事がどうでもよい様な感覚に変換されるのです。
いつも自分が光を放っていると思っていたら、それはちょっと問題があるやもしれませんが(笑;)。

表具の仕事の内容を知っている方のお陰で、「とても手間のかかる作業なのよ。そんな値段じゃ、表具に失礼よ~!」と、強気な意見を出してくださったお陰で、当初提示されていた金額よりも倍の値札が付けられ、めでたしめでたし。
どこでどんな人に出会うか解らないものだ、、、と、有難さを頂き、調子に乗った私は、余り裂でシコシコと作り続ける決意を致しました。

希望を持たされると、いくらでも宇宙に倍々に広がっていく感覚は、まさにアルファーからオメガです。
エントロピーを体感するのは光の中に生きている生き物であるゆえのお恵みであるかもしれません。

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小さな掛け軸展:3月27日~29日まで。「渋谷のIMA」にて開催します。
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化けた人への反応

2014年03月25日 | 第2章 五感と体感
昨晩のテレビ番組のお話です。ウクライナに住むお嬢さんが、日本のアニメに影響され、セーラームーンの様なメイクをして、暮らすことによって孤独感を癒してきたそうです。ウクライナでは変わりモノと云われ、町を歩いていても道を歩く人から奇異な目で見られます。
そのお嬢さんが、日本にやってきて、街を歩くと「可愛い~」「きれい~」という声がかかり、歩いた浅草では写メを撮る人でいっぱい。。。
温帯地域や亜熱帯地域の人々の持つ許容力だけでなく、この現象は外国からやってくる人々と交わってきた「いにしへの時代」から育まれてきているものかもしれないと、比較文化的な視点で興味深く拝見しました。

天照大神の天の岩戸の「あら面白し」(面が白い)、平安貴族の闇夜に浮かぶ白塗りの化粧も思い起こし、化けた人への憧れを持つ民衆の力にも驚きを感じました。

トリックスターを心の中に秘め、化粧や美肌に執着することに興味を持つ人もいれば、舞台を見て化けた人を見て喜ぶ人もいれば、自分が歌って舞って表現したい人もいれば、それはひとそれぞれ。人が化けることで統御感を得ることは、健康な印なのかもしれません。

いと面白し、なお話でした。



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心の自由

2014年03月24日 | 第2章 五感と体感
久しぶりに顔を出した場所に、いつもの皆さんがいらっしゃり「お元気でしたか~?」「あなたのことだから何処かを駆けまわっていたとは思っていたけど~」等と、声を掛けていただき、皆さんに感謝した日曜日の朝でした。

明るい言葉を掛けられると嬉しいものです。

明るい言葉を掛けて嬉しがられるのも嬉しいものです。

「人との交わりが上手くいっている」と思うのは、そういう単純な明るい心の動きが相互に働くことなのかもしれません。

午後からの勉強会ではそんな話題がふつふつと湧き、私自身も参加した気心知れた皆さんと共に心地良い勉強をさせていただきました。ありがたいことです。

自分の都合ばかりを優先していると、それはただの我が儘になりかねないでしょうし、それは「心の自由」ではないようです。
「心の自由と」は、「偏らない寛容さ」だけでなく、全体を見渡して自分の立ち位置や役割を黙って決めることができている状態の時に使うことのできる言葉かもしれません。

自分の感情を周囲に出しっぱなしにしている状態の人を「心の自由」な人とは言えません。

「心の自由な人」には私にとってはほど遠いものでありますが、私自身「心の自由な人」にお会いしたことは未だにありません。

ストレスをためないで自分を自由にさせていくためには、やはり修行は必要なようです。
もしかしたら、死ぬまで心の自由を求める事が「生きる」ということなのかもしれません。

天に手を合わせ、心身を委ね、頭を垂れる姿が一番「心の自由」に近い状態であるやもしれませんが、、、。

森羅万象との交わりを大切にしながら、自分と向き合っていきたいものです。
自分の身体と心と魂を大切にしつつ。



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地図を見て気の向くまんま

2014年03月23日 | 第2章 五感と体感
京都や近江、奈良を旅していると仏教よりも以前に伝わってきた道教の匂いを感じます。
地図を開き寺社や霊峰の位置と方位を見るときっちりとした五芒星が描かれたり、東西と南北が美しく十字の線を引けたりと、何時間でも地図を見ながら歴史の古層を思い巡らすことができます。

未だに私達は道教、仏教、神道、ゾロアスター教や景教+キリスト教、富士講、地元に伝わる伝説等が重ねられた不思議な空気感を意識せずに体得しているのです。

無理やりに神仏習合を引き離そうと明治政府がやっきになったとしても、長年蓄積してきたアイデンティティを引き剥がすことは出来なかったと思います。でも神仏分離をすることで、大抵の人は身についた信仰心を持ちながらも宗教というものを面倒くさいものとして考えるのを放置してしまったことが、今の私達に影響しているのかもしれません。
明治の歴史となると、三学期に大急ぎでやることが多く、教科書の目次を最初からやっているといつも古墳時代や奈良時代あたりばかりが記憶に残る傾向にあるようです。だからゆえに、私のように奈良病(奈良好き病)にかかるのかもしれませんが(笑)。
人の身体に宿る魂から湧き出す感情は、風土と人を通して考え方を育くみます。蓄積された考え方はいつしか自分の素地となり、感情が湧いてくるのです。この感情と思考の相互関係が陰陽のように交じり合い、それが「私」という個性と成っていくように思います。

地図は、自分の祖先だけでなくアイデンティティのルーツまでも想像させてくれます。

地図を見て、実際にフィールドに立って、改めて書物を開くと、身体の芯に沁みていくのを感じます。

滋賀の地図を見ながら次に立つ場所をチェックしています。

今、芸大美術館では湖北の寺社の展覧会が行われています。「観音の里の祈りとくらし展」琵琶湖・長浜のホトケ達・4月13日までです。

私にとって地図は空想のための大事な道具です。春の風に吹かれるままに「帰りは秋ごろかな~」と言って、身軽に旅に出たいものです。
・・・、と、妄想しながら、日々を慌ただしく過ごすことが私の現実ですが、心はいつも旅人、そしていつもエトランゼな感覚があるのは、そういうところから湧いてくる感覚なのだろうと思うのです。

そういえば、母方の祖父がそうだったことをふと思い出しました。山頭火を好み、エスペラント語を若い頃学んでいた教育者でしたが、定年退職して画塾を経営しながらふらりと旅に出てしまう人でした。80過ぎてから英語を本格的に勉強しだし、幼い頃からカッケーじいさんだと思っていました。きっとその影響もあるのかもしれません。というか、大ありです((笑))

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自分の感情の取り扱いの学び

2014年03月22日 | 第2章 五感と体感
自分が湧き出している不安や不満や嫉妬の感情を抑制し続けているとそのうち六条御息所のように幽体離脱して嫉妬する相手を殺してしまうかもしれません。

かといって桐壷の正室のようにあからさまに光源氏の生みの母をいじめ抜いて病にさせてしまうのもどうかな、と、思います。

空蝉のように上手に逃げるのもひとつのやり方でもあろうし、女三宮の自分の始末の悪さに我が子薫のいじいじした抑圧的な個性が育まれていったり、

紫の上の光源氏に育てられ妻になり、否が応でも全体を見渡さざる得ない環境に暮らし、最後の最後に自分の意思を実行する紫の上の格好の良さは、ブログに幾度か書いていますが源氏物語の中で私が好きな帖「法みのり」でもあります。

源氏物語やギリシャ神話は「人の感情」や「人の個性」の揶揄の宝庫と言っても過言ではありません。

私の仕事の立場上、〇さんのような。。。×さんのような。。。という事例を出すわけにはいきません。守秘義務というのがありますし、「〇さんのような」と言ったところで、他者の事を批評したところで、「私」というフィルターを通している言葉である為、アテにはなりません。
そのようなわけで、ブログや勉強会では私個人の自己事例を自己責任の範囲で語ったり書いたりしています。

他者批判や他者否定、解りもしないのに他者分析をしていくと、学びの本質から外れていきます。

例えばブログに書いている私の感情の取り扱いを読んだり、聞いたりすることで、その相手がどのような感情が湧き出すか、が、現象学を大事にした学びに繋がっていくのです。自分に湧いたカタルシスを臨床学的に経過観察し自らの体感的な体験をすること自体が学問の体得ともなっていきます。自分の生育史を理論武装することを自分自身で行うことです。

マンネリ化した平素の生活から異なる場所に身を置くことで、思いもかけない感情が湧いてきたり、自分に育んできた習慣や慣習、環境が自分の傾向を成してきたことが見えてくるはずです。
フィールドワークもそこで効果を発揮していきます。

自分の暮らす環境の中で日本人のアイデンティティを源氏物語を通して学ぶも好いでしょうし、ギリシャ神話で激しい感情の取り扱い事例を学ぶことも深い学びとなります。

自分の感情の取り扱い方がいつも同じ事を繰り返し、同じパターンを繰り返すことで、自分のストレスからますます解放さないことに悩んでいるのであれば、解放されずに悩む自分の感情に焦点を当てつつ、源氏物語やギリシャ神話の登場人物を追ってみると案外自分の傾向と似たような人物に出会うかもしれません。似たような人物に出合った時、新たな学びの扉が開くかも。。。私も毎度、この繰り返しで学びの扉を開いているという生活を続けているのです。
自分の感情の取り扱いを毎度同じように繰り返して、他者のせいにしたり、不満を他者にぶちまけたり、自己嫌悪に陥ることを自分が意識できているのであれば、尚更、学びの時期が訪れている証拠であるかもしれません。

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春分の日ツラツラ

2014年03月21日 | 第2章 五感と体感
今日は春分の日です。

一昨日、仕事の前にお線香だけ持ってお墓参りをし、お線香の香りに燻され仕事場に行きました。
私にとっては敷居の高い某禅宗の寺のため、一人で行くときは住職代行の御子息に会わないようそそくさと本堂の前を抜けて墓地に行きます。
お彼岸あたりが毎年半年間の講座の最終日に当たるのです。これも御縁だと思い、毎年の恒例となってはや10年が過ぎました。
しかも、出産した都立広尾病院が目の前にあり、これも御縁ということで、お寺の前から心の中で頭を下げます。
昔は広尾の日赤があまりにも古いビルで、本来ならばそこで出産したかったのですが、あまりの汚さに足が向かず、広尾病院にお世話になりました。病室からは目の前に東京タワーが見え、出産後は楽しい入院生活をしたことがつい最近のように思い出します。あれからもう四半世紀近く経つなんて信じられません。
そんなこんなで今年もめでたく、私のプチ儀式を済まし、今日は月末に迫っている発表会の稽古です。

春分の日は、夜と昼の長さが同じ日となります。
春分の日以降の満月が、随分先になるので、今年のイースター(復活祭)は4月20日日曜日となります。
お釈迦様の誕生日4月8日と重なると、華やかさが増す心持になりますが、今年は花祭が過ぎ、関東以西では桜の花もすっかり散った頃がイースターなので、何となくダラダラした4月になりそうです。とはいえ、自然界の春の装いは嬉しいものです。
今日から太陽の昇っている時間が長くなっていきます。息を潜んでいたような感覚から胸が開く様な感覚へとなるのは、人の身体の生きる知恵でもあるかもしれません。

各大学の卒業式も目白押しですね。

めでたい季節の変わり目、花粉が飛ぶのは心外ですが三寒四温で体調を崩さぬよう整えることに気を遣う時期でもあります。

呼吸を整えながら背筋を伸ばして、この時期を過ごしたいものです。

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繋がる琵琶湖話

2014年03月20日 | 第2章 五感と体感
昨日は某勉強会の後期最終日でした。

個人的には来週まで続く勉強会が終わらないと2014年度は終わりませんが、大きな講座のお手伝いが終了し、ほっと一息つくことができた気分で解放感を頂いています。

各勉強会では、自分の体験した話題を提供しながら勉強する内容に繋げていくことが多いのですが、今回も琵琶湖巡りの話題を利用しながら勉強会を展開する師匠と一緒に絵画鑑賞とフォーカシングの半年間の講座を終えました。

琵琶湖に纏わる話題を提供していくうちに、どんどんと祖先の繋がりの話題が耳に入ってきました。

「祖先が琵琶湖に関係している」事に関して、意外にもその話題が多かったことに、ますます琵琶湖に面白さを感じています。

どんな勉強もそうでしょうが、我が事に繋がる話題と判断すると、俄然学びが進んでいくものです。
そこから興味が深くなり、知識が広がっていきます。

フィールドに立つといことは、ただ立つだけではなく、その場を直に五感で感じ、そこに住まう人々と交流し、学問と繋げて行くことで自分が学ぶテーマの理解が体感的に深まっていくのです。
教科書やネットだけでの学びでは、自分の身体に沁みついてはいきません。

昨晩のテレビ番組で、原発事故で3年ぶりに故郷の地に立った女性が紡いだ言葉が印象的でした。「たくさんの写真やテレビの映像でここを見てきたけれど、実際に立つと、見えるものが違います。山はあんなに美しいのに。海もこんなに美しいのに。」と云いながら目頭を押さえながら佇み、歌を詠んでいらっしゃいました。
現場に立って見えてくるものを伝えることは、現場に立った人の使命であることを考えさせられ、更には実際に立つことの重要性を改めて感じました。

「行って、見て、見た事をそのまま伝える。」

そのまま伝えることは、ジャーナリストでも難しいことだと思いますが、自分の生育史で体得した自分というフィルターを通して紡ぐ言葉だからこそ、聞いた人は五感を動かし、感情を湧き出すことができるのかもしれません。

今年は、多方面で琵琶湖を中心とした歴史話に花が咲くかと思います。勿論、そこが奈良や京都、そして江戸や陸奥の国の歴史談議へと繋がっていくはずです。
繋がりながら、日本人のアイデンティティを学ぶ次年度後期の某講座を受講されると更に何のために自分がこの勉強をしてくるかが自分なりに見えてくるはずだと確信しています。

一見、関係なさそうなことが自分に深くかかわっていることが解ることで、自分の澱みに風穴を開けることも可能なのです。

「解釈が変わると世界が変わる」、というカールロジャーズの云う所以でもありそうです。

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琵琶湖石山寺へ3

2014年03月19日 | 第2章 五感と体感
琵琶湖勉強会三日目の旭は素晴らしいものでした。琵琶湖を越した伊吹山方面から旭が昇り、さえぎる物の無い高い空に落ち着くまでのお日様は、のびのびと輝いていました。

毎日観ていても飽きない森羅万象の普遍性は普遍性であるがゆえの安心感を与えてくれます。
日が昇り、日が暮れて、月が出て、四季の移り変わりと天気や気候で、同じものが違う装いで地上の私達を楽しませてくれます。それが風情であり、もののあわれという感情を日本に住む者に与えてくれたように思います。

特に琵琶湖に生える松は、太平洋側で見る松とは違います。
一定の暴風にさらされることが少ないのか、故意的な形が作りやすい事と同時に、放っておくとそのままスンと育つような松に長谷川等伯の屏風画を思い起こし、等伯の松がさやさやと風に靡く様子が頭から離れませんでした。

三日間、日本人のアイデンティティを自分のアイデンティティに投影しながら琵琶湖のフィールドワークを満喫したわけですが、やはり、現場に立つことで見えてくるものに頑な何かに風穴を開ける事もできたようです。
異な場所に立つと、自分自身の理想と現実のギャップがおもむろに出てくるものです。その湧き立つ感覚が予想もつかないことなので、とても面白いのです。

三日目午前中で勉強会が終了。シスター方の作る料理に胃袋も満足し温かいおもてなしに感謝し、唐崎を後にしました。

午後、私達が向かったのは大津です。時間も限られていたので、タクシーで木曽義仲の義仲寺を通過し、そこにある芭蕉の墓に外から拝み、瀬田川の「瀬田の唐橋」を見、瀬田川~宇治川~淀川へと御当地に相応しい名称に変化する一本の川をしげしげと眺めました。そして、この瀬田は、粟津ヶ原でもあり、壬申の乱、源平合戦で木曽義仲が義経に追い詰められ自決した場所でもあり、このあたりに纏わる数々の能が作られています。「自然居士、源氏供養、守山の望月、義仲、兼平、巴、三井寺、蝉丸、、、ざっと挙げても大津周辺の能はこれだけ頭に浮かんできます。

大津は中山道と東海道の分岐点でもあり、商業の大拠点であったことも忘れてはなりません。琵琶湖に土地を持った近江の文化人はこぞって茶室を建て琵琶湖を望みながら茶の湯も愉しんだようです。

琵琶湖から流れゆく瀬田川を少し下ると小高い山が見えてきます。そこが石山寺です。
写真で見る通り、大きな石の上にお堂が建っています。紫式部がここで源氏物語を書いた謂われており、梅園を訪れがてら参拝する人々が鳴らす本堂の鐘が雑多で賑やかであることに近江の大らかさをも感じ、梅の香り漂う境内を歴代天皇が訪れた月見の庵を羨ましがりながら見上げ、石山寺参拝を果たしました。

来年も同じ場所で勉強会を行う予定です。
壬申の乱についてもう少し、皆さんと分かち合いたいので、来年はゆったりと近江京跡を歩いてみるのも良いかもしれませんね。

琵琶湖に纏わる歴史は、紐解きのように面白いのです。
大津あたりを中心に歴史を学んでいくと、時系列の整理もできます。
東と西の分岐点であり、放射線状も伸びていく動線を想像するだけで、わくわくゾクゾクです。
私も更に勉強を深めてまいります。


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琵琶湖・唐崎から堅田へ2

2014年03月18日 | 第2章 五感と体感
まし宿泊先の食堂からは大津が正面に、その左は草津が見えます。
日が明ける頃になるとどこからか鴨がやってきます。修道院の岸に寄り、釣り人の舟を避けてはいるものの大波を立てるモーターボート以外にはさほど気にすることも無く静かに群れています。
このあたりは、護岸工事をしていないために、水面と岸がフラットに繋がっており、鴨達も楽に岸辺に上がってきます。

唐崎の駅を真っ直ぐ岸辺に向かって161号線を越えたこのあたりは、つい最近までは森が広がり、広大な敷地に茶室もある家が建っていたそうです。お隣のメリノール会のお陰で、その名残を知ることが出来ますが、ここ5,6年で一気に開発され住宅地になったそうです。

そして、二日目の昼食後に堅田へ。
唐崎のお隣の駅が坂本。比叡山にはここから登ります。そしてさらに北に上っていくと堅田の庄があります。琵琶湖大橋があるので対岸の守山が近くに見えます。古来から水の民として有名で、平家物語にも登場します。吉川英治の新平家物語には「湖族」と書かれてあります。湖にせり出している臨済宗満月寺の浮御堂と立派な老松を鑑賞し、湖に面している最近できた古民家Caféに行こうと歩いていると伊豆神社が見えてきました。そこで参拝していると地元の子供会の集団に出くわしました。皆、堅田の歴史が書かれてある資料を持っています。「これ、どこで頂いたの?」と聞くと、堅田資料館で頂いたとのこと。早速その資料館に向かいました。元民家が資料館になっており一階の土間に4,5人のおじいちゃん達がのんびりお茶を飲んでいます。
その頭領ともいえそうな地元を愛する岡本さんから、堅田の歴史をたっぷりと聞くこととなりました。
新平家物語の「湖族」は吉川英治氏の造語だそうで、地元の人々と町おこしを企み、その際に生まれた言葉だそうです。
私はてっきり、最古の土器が出土する様な場所なのでてっきりそういう名称が昔からあるのかと思っていました。行ってみないと本当に解らないものです。
縄文時代、平安時代、室町時代、明治時代の堅田に纏わることを色々とお聴きし、最後は近江八景の歌や万葉集をすらすらとそらんじてくださり、勉強仲間は絶大なる拍手を贈り、岡本さんと記念撮影して資料館を後にしました。
たぶん、こんな歴史オタクの訪問はそうそう無いと思います。岡本さんの経験と勉強の成果をお聞き出来た事は奇跡に近いものを感じました。
堅田歴史資料館でたっぷりと時間を費やし、古民家Caféに寄り、琵琶湖の絶景を眺めながら皆で歴史談議に花が咲き、幸せな午後を過ごしました。

堅田には、千利休の孫が住んでいたそうです。そのような縁で臨済宗大徳寺派の満月寺のほかにも大徳寺派の寺が多くあることに納得しました。利休切腹の後、この土地の豪族が擁護したのでしょう。
平安時代には下賀茂神社の御膳の食料を献上していたそうで、悠久の時に重ねられた豊かさのアイデンティティの根源も知ることとなりました。
敦賀に行けば魚も手に入り、気候も穏やか。比叡山からは近からず遠からず。。福井や石川方面にも道が繋がり、情報の拠点とも成り得る場所であり、義経も見たであろう湖の風景を感慨深く眺め、心底幸福感を頂きました。長谷川等伯もこの道を辿ったのだと思うと、松の画の見え方が解ったような気にもなり、私の頭の中は縄文から江戸時代まで時空間が交錯してしまい、大変なことになっておりました^^;

そうそう、堅田の岸辺に立つと琵琶湖の先には三上山を望むことができます。別名近江富士です。

松尾芭蕉が愛してやまなかった琵琶湖の風景。私も沢山歌が詠めるかな、、、と、思いきや、興奮しすぎて頭はグルグル、、、とても歌を詠む等と云う余裕はありませんでした((笑))

明日も琵琶湖報告続きます。

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琵琶湖の旅と勉強会1

2014年03月17日 | 第2章 五感と体感
二泊三日の勉強会を終え、昨日夕焼けの富士山を眺めながら戻りました。
唐崎に泊まるのは初めてなので、前日から周囲をリサーチしたので私は三泊しました。
京都から湖西線に乗り、三つ目が唐崎です。その次の駅が坂本。ここが比叡山の入り口となります。

以前から気になっていた天智天皇御陵に寄るために山科で途中下車し、御陵(みささぎ)を参拝。意外にも奥が深く門からのんびり5分くらいかけて歩きました。ここは墓守りが常駐しています。雨がしとしと降る中、杉が強く香り、住宅地に囲まれた所ではありますが森の香りを充分に堪能しました。壬申の乱で敗れ、歴史上この地に御霊が落ち着くまで、どのような物語があったのか考えるには最適の場所でした。
雨が強くなってきたので御陵から直接大津へ行くことにし、お陰で逢坂の関と蝉丸神社を通過し、大津歴史博物館に向かいました。
三井寺の並び北側にある大津歴史博物館の先には大友皇子の御陵もあり、琵琶湖を望む近江京があった場所でもあります。
以前この場所に立ち、気が晴々とする体験をしましたが、雨降る中でもやはり「気の好い場所」を感じました。
たまたま近江に纏わる古文書展が開催されており、思いもかけず近江を駆け巡った歴史上の人物の直筆との対面も果たし、良筆の明智光秀、読んだら破棄せよよいう〇×印の上に書かれた隠密の義経の書状、廃仏棄釈による日吉大社の嘆願書、芭蕉の歌の数々にも触れることができ、琵琶湖は情報が放射線状に広がる中枢地点である故に様々な合戦も経験し、時系列を整理するには、歴史上の出来事をかなり入れ込んでおかなくては難しい場所なのです。
であるから故に、本格的な琵琶湖巡り開始が随分後回しになってしまいました。動けるうちに琵琶湖を丹念に廻る夢が叶いそうです。

勉強会が始まる前に、憧れ過ぎていた琵琶湖巡りの興奮を治めるのに一苦労しましたが、帰宅してもまだまだ興奮治まらず、次の琵琶湖行にはどこに行こうかと地図を広げる始末です。

私達の宿泊勉強会は、必ず修道院を使わせて頂いています。今回の宿泊はノートルダム教育修道女会です。宿泊施設があり、黙想会で使われている修道院です。そこで特別に許可を頂き、勉強会を開催させて頂きました。
修道院の目の前は湖畔です。枯れた蘆が繁り、護岸工事がされておらず自然のままの湖畔に、鴨の群れもやってきます。対岸には大津プリンスホテルが見え、夜になると低い位置に連なるように灯が散らばり、都会の夜景にヘキヘキとしている私に、落ち着いた品の良い夜景から身の丈の安定感を頂きました。飾りのイルミネーションや高くそびえるビルの明かりよりも、尊い有難さを感じることが闇に光を見つけた時の自ずから感ずる感情なのだと思うのです。

翌日からやってくる勉強仲間は、皆ここを訪れるのが始めて。「きっと皆喜ぶでしょうね~~」とシスター方と歓談し眠りにつきました。

翌朝も曇り空。
湖の波は安定していて、湖にいる鴨達もそれほど揺らがず波打ち際に群れ寄っていました。
「毎日見ていても飽きないし、何時間見ていても飽きないのです」
と仰るシスターに、「私も飽きません^^」と幾度お答えしたことか。

実はこの修道院のお隣も別の修道会の修道院。アメリカ系メリノール修道会の広大な敷地があります。有難いことに隣の敷地との間に木戸があり、そこを開けるとお隣を散歩できるようになっています。
そして、その隣に唐崎神社の近江八景のひとつ「唐崎の夜雨」で有名な唐崎の一つ松が立っています。
江戸時代までは船着き場となっていたこのあたりには、それを偲ばせる大きな燈篭が立っており、港の跡もあり、修道院や神社のお陰でこの風景が保たれているのです。
唐崎神社は、日吉大社の末社であり、天智天皇が亡くなった際、ここでも遺体が安置され「もがり」を行ったとされているそそれが謂われとなってでしょうか?、平安時代の貴族はこぞって禊ぎをしにここを訪れたそうです。
それが所以か、神社の前に「みたらし団子」の店があり、ここの店主は19代目。歴史上の名だたる人々を接待してきたそうです。禊ぎ→御手洗→みたらし→下の病気を治す神社となり、このみたらし団子屋さんは日吉大社の氏子さんらしく、御手洗いを祀るためのお守りやご朱印を預かっており、そこで参拝者は求めることができるようになっています。
つまり、元祖みたらし団子だそうです。
日吉大社、唐崎神社のみたらし祭は4月の12から15日あたりまであるそうです。日吉大社の末社のお御輿が唐崎神社に集まる大がかりな祭だそうです。
19代絶やしていない「みたらしの餡」を舐めるようにして頂き、店主の寺田家伝来のお話をとくとくとお聴きすることもでき、お腹も頭もいっぱいに満たされました。
芭蕉もお団子を頬張りながら、歌を読んだのでしょう。三代目と云われる立派な立派な一つ松に句碑が建っていました。
「唐崎の松は花より朧にて」
私の場合には、「唐崎の松は花より団子にて」かな、と、。

午後からの勉強会にはまだ時間があったので、思い切って比叡山の麓にある日吉大社(全国の日枝、日吉、山王神社の総本宮)を参拝してきました。
京都の鬼門として都を守ってきた神社の風格は、畏れ多いものでした。
ここで気になっていた今年厄年の息子の祈願を果たし山を降りました。

案の定、お昼を目処に全国から赴いた皆様の驚きは想像通りでした。琵琶湖を一人占めにした様な窓からの風景を見ることができるよう全員が窓を向きながら勉強会を行うという前代未聞の机の並べ方をし、「これがほんまもんの掛け軸療法や~」と思いつつ、日本人のアイデンティティに相応しい勉強会が行われました。

今日のブログはこの辺で。。。明日に続きます。

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琵琶湖でツラツラ

2014年03月13日 | 第2章 五感と体感
幼い頃に越前の大野に二年間住んでいたことが、自分の傾向に大きな影響を与えています。

光り輝く四国の高知から一気に北陸のどんよりとした曇り空の多い盆地に親の転勤で連れて行かれ、このギャップが私の今を成しているように解釈しています。

幼い子供は、違いや変化を理屈で考えることができません。
そのかわり、五感を使って、変化への適応を図ります。
その経験が、同じ場所で生まれ育った人とは、違い適応する力を育まないと生きていけない遺伝子が突出して働いていたのだと思います。

「どれもありだな。」

という考え方が、覚めている考え方だと云えばそれまでですが、大きく違う環境を知る自分は、確かに「どれもありだ」という学習をして育ってきているわけです。

環境によって、住まう場所によって、風土によって、風習によって人は違う考え方をし、解釈も違うことを子供の頃からじっと見続けてきたのです。

「子供の頃、無口だった」、と、言うと、ほんとうに皆様に笑われます。
無口な代わりに、周りを見渡し、観察し、自分の立ち位置を無意識に探していたようです。
この傾向は、未だに自分の傾向を支配しています。

それと同時に「私は私である」ことを段々と身体で学んできたようにも思います。

自分と他者の関係において、転勤族であるゆえに「いつか近い将来はお付き合いしている人と別れが来る」という考え方も構築されたように思います。
それが投げやりな人間関係では無く、だから故に大切にしたいという考え方が自分に構築されたことは、幸運だったと思っています。

今日は、久しぶりに関西へ赴きます。京都や大和と云いたいところですが、以前からじっくりと落ち着いて琵琶湖を眺めながら勉強会をしたいと願っていたことが叶いました。
幼い頃、米原から北陸本線に乗って越前の国を往復していたことは、私の経験の原型のようなものだと以前からツラツラ思っていました。

歴史深い琵琶湖をこれから時間をかけてゆったりと巡る時期がやってきたことに感謝しています。

今回は比叡山の袂で歴史を辿りながら有意義な時間を過ごしたいと思っています。

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