五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

静岡市美術館シャガール展

2014年01月31日 | 第2章 五感と体感
私が関わる某大学OGの某講座に今回初めてフィールドワークを入れてみました。
全7回の講座は、朝から夕方の長丁場です。本来なら7回でありますが、デスクワークは6回にして、残りの一回はフィールドに出ていただくことにしました。
今回の講座のテーマは絵画鑑賞とフォーカシングです。

つまり、絵画鑑賞をすることで湧いてくる感情や思考、そして行動を自ら体験し、それをフォーカシングの理論及び技法的流れに繋げていきます。

昨年の今頃から講座に使う絵画について思索し、幸運なことに今まで日本では開催してこなかったシャガールの人生にフォーカスし分類した回顧展が行われることを知り、まずは9月の宮城県立美術館に赴き、準備を整え10月からの講座が始まりました。

2004年から始めた絵画鑑賞療法から10年。毎回シャガールの一枚の絵画をモチーフに選び、講座を展開してきましたが、今回は、どうしてもシャガールの絵画の質感や色の構成、そしてシャガール自身の人生、思考、信仰、信念等を展覧会を鑑賞することによって身体で感じていただきたく、現場に立って自らが感じるフィールドワークの一枠を作りました。

宮城県立美術館は、私のお気に入りの美術館です。師と仰ぐ佐藤忠良師の展示室も設けられており、静かなギャラリーでゆったりとソファーに座るのは私の大切にしている時間です。
そこで観たシャガールは、スケール感溢れる壮大さを感じ取ることが出来、今回の講座を思索するに相応しいものでした。
その時に、今回の講座に使う一枚の絵は、一枚ではなかなか伝わりにくいことを感じ、思い切ってシャガール回顧展のために編集された芸術新潮7月号を使う事にしました。
これも、偶然のお恵みです。

そして、今回の静岡市美術館行き。1月26日日曜日に行ってきました。
美術館は静岡駅の目の前にあります。大きなビルの3階にあり、新しい美術館です。
エントランスの吹き抜けの白い空間が気持良く、いまどきの美術館らしくロゴもかっこよく、各サインも品の良い淡色の小さなタイルを組み合わせたりして、とてもお洒落です。
美術館の館内が狭い事を気にしていましたが、それはそれで、暖かい愛を感ずる設置が成されており、この美術展を慈しみながら開催したキューレターの心の内が垣間見え、宮城とは全く違う印象を持ちました。

スケール感を感じるには、ちょっと難しい展示ではありましたが、東京近郊からわざわざ新幹線で観に行ってくださった講座生の皆様への小さな罪悪感も消え、私自身も静岡を愉しみました。

美術館の隣には大政奉還後、徳川慶喜が住んだ屋敷跡があり、実際に住まわれていた家が残されておりました。世田谷区が管理している成城の猪股邸と同じ設計者であることもわかり、徳川慶喜が眺めた庭園を一回りし懐石ランチを頂きました。丁度そこでは結婚式が行われ、披露宴は徳川慶喜邸で行われ、静岡人のステータスを感じさせていただきました。
繁華街を抜けると駿府城址公園があり、お濠の周りには市役所や県庁、裁判所などの公的な建物が建ち、学校やカトリック教会もあります。皇居がコンパクトになったとイメージすると良いかもしれません。平坦な土地ですので、どこまでもテクテク歩くことができます。良いお散歩コースです。
その駿府城址公園を抜け、静岡遠足のクライマックスである浅間神社を参拝しました。ここも大きな浅間様です。
たくさんの社が廻りきれず、先ほどパンフレットを読み直したら、なんのことはない、行きたいと思って行けずに終わった古墳は、この境内の長い長い階段のてっぺんにあったことを知り、面倒で上らなかったことを残念に思っています。

もう一度浅間神社に行かねばなりませぬ。。。

ざっと、私の美術館巡りをお知らせしておきます。

もちろん、静岡おでんも頂きました。

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シャヴァンヌ展

2014年01月30日 | 第2章 五感と体感
渋谷の文化村ミュージアムにてシャヴァンヌ展が開催中です。

マリーアントワネットやルイ16世がフランス革命にて刑死したのは1793年。18世紀
そして19世紀に入り、民衆の自由を求める運動が勃発し、ヴィクトル ユーゴーが書いた小説レミゼラブルは今やミュージカルや映画となり、誰もが知っている物語となっています。

そのような時代にシャヴァンヌは生まれ画業を全うしました。

自由を求める民衆の戦いのイメージが濃い時代とシャヴァンヌの絵画はあまりにもギャップがありすぎます。

絵を観ているうちに、そのギャップに当時の社会が見えなくなり、帰宅してからもう一度マリーアントワネットやレミゼの時代を確認しました。

社会が荒れているからこそなのでしょうか。市庁舎やソルボンヌ大学に、ギリシャ神話をイメージさせるような夢の楽園を描き、そうでありながらも労働することや生き抜くことを隠喩したような人物が風景に紛れるかのように美しく淡白に、そして極端な喜怒哀楽を排除した表情を描き壁面画家として大成していきます。

血気盛んな喧騒的な街を歩き、ふと役所や大学に入ると一気に沈静させるような効果は、当時の役人戦略が窺える様な気がしました。

ただ、画家である当の本人シャヴァンヌは、依頼者の作為に一喜一憂する様な人ではなさそうで、静かに綿密に絵を描き続けることを続けたように思います。

自宅からアトリエまでの6キロの路は彼の思索の路だったようです。6キロと云えば、歩けば一時間半。往復3時間です。
通勤ラッシュで一時間半揺られるのとは違います。

パリの郊外、田園風景を眺めながら決まった路を毎日往復することは、祈りの言葉に近いものがありそうです。
毎日同じことを繰り返す中で、淡々と自らの美学を求め続けたとも云えそうです。それがたまたま観る者を鎮静させる効果と噛み合っているだけのことかもしれません。

バッハの二声を聴くような感じです。三声でも五声でもなく。

久しぶりにクロッキーをしたくなりました。

美大を目指してアトリエ通いをしている人はよいきっかけを得るかも。。。
ミケランジェロを観るよりも身の丈のデッサンが間近で見れて勉強になりますし。。。

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魂が繋いでくれた

2014年01月29日 | 第2章 五感と体感
亡くなった人の魂が繋いでくれた時間を過ごす機会を得ました。

時が経てば解決することもあれば、
時が経てば経つほど虚無感が広がることもあり得ます。

放置していれば虚無感は広がるばかりですが、何らかの措置を行うことは人それぞれのやり方がありそうです。

この世に居ない人をどうやってこの世で感じ取るか。

自分の心に浮かぶ不安感や孤独感や寂しさは、自分自身の責任において自分が取り扱わなくては、処理することはできないのです。
他者にどうにかしてもらえるものではありません。

「魂が繋いでくれている」ことを感受する感性を持つと、言葉に出さずともそれを感じ取る方向へ自ら導いていくようです。

天を仰いで心の中で「ありがとう」と感謝しています。

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おみくじ引いた

2014年01月28日 | 第2章 五感と体感
日曜日に静岡に行き、目的地の一つである浅間神社で数十年ぶりにおみくじを引きました。
仕事場での話題に「おみくじ」が出ることが多く、皆さまのお話を聞くばかりでは申し訳ないので引いてみることにしました。

おみくじは、一度だけ引くものと教えられているので、一回きりの大勝負の様なものです。

ドキドキしながらおみくじの隅を破り、おみくじ特有の長細い形状の紙を開くと、小吉という文字が目に入りました。

可も無く不可も無くってところかな。。。と思いながら読み進めていくと私の満足心を満たすことばかりが書かれてあります。

しかし、「緩やかな坂道を下るように物事がうまく運びます。」というくだりに「?」という思いが。。。

「緩やかな坂道を下る?」
力をかけず、負荷がかからないと云う言い回しのようですが、坂道を下るという言い回しに不穏な空気が漂いました。
楽あるところには苦あり、ということを隠喩したものなのでしょうか?
そこが気になりつつも「他者からの助けや後押しがあります。」というくだりに、今までの苦労が多少は実るかしら。。。?と、期待も持たせてもらいました。

「信じる者は救われる」如く、小吉に書かれたくすぐったいくらいに暖かい言葉を良い方に信じることに致します。

おみくじも占いも、自分の成育史に育まれた考え方が、解釈を生みます。どのように捉えるかはその人次第です。

おみくじの言葉を丁寧に解釈し、幸を願いながら境内に結ぶことのほうに意味があるのかもしれません。

頂いた言葉に感謝して、一年を大切に暮らしてゆきたいものです。

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お雛様の裂の塵

2014年01月26日 | 第2章 五感と体感
表装の世界では布の事を未だに「裂(キレ)」と呼んでいます。

「東博」こと「東京国立博物館」の敷地に法隆寺館があります。東博で大がかりな展覧会を観ると精根尽き果てます。
美術展で癒されるということはあまり無く、正直、脳みそがグルグル動き、長い間立って観るので大抵疲れ果てることのほうが多いかもしれません。
そんな時、自分の脳みそを元に整えるために必ず寄るのが敷地内の「法隆寺館」です。

法隆寺の別館の様な役割で、法隆寺に収蔵されていた仏様が、数多く陳列されているのです。

飛鳥の仏たちの何と美しい事よ。。。

好きな形状として慣れ親しんでいる仏の姿を観ると、脳と身体が凪いでいくのを感じます。

その法隆寺館には、触れたら塵になってしまうような「裂」が陳列されています。裂を扱う者として持てば塵になるような裂くと向き合うことは至極の喜びなのです。「こんな裂と直に戯れてみたいものだ」と贅沢な幻想を抱くことはその裂と向き合う私の毎回のご挨拶の様なものです。

昨日、20年ぶりぐらいに実家のお雛様の箱を開けました。戦前に作られたお雛様です。良い物が無くなる直前の時代の物で、作られてから80年くらいは経つでしょうか。叔母のお雛様だったものを半世紀前に受け継ぎました。
箱を開けると、ハリーポッター並みの埃が舞いあがり、霧箱の底を観ると、砂よりも細かい紫色の塵が積もっているのです。
「ああ、、、これが裂の塵なんだ」と、初めて裂の劣化の状態を目の当たりにしたわけです。

お雛様達の裂が少しずつ劣化する様子は、まるで昔読んだ萩尾望都の漫画「ポーの一族」です。
登場する美しい吸血鬼達がこの世から消える時、塵となりはらはらと散ってしまうのです。

ふと、その漫画を思い出し、裂の儚さが東博で逢瀬する天平の裂と重なりました。

第二次世界大戦直前の雛人形であるので裂は良くないと聞き及んでいましたが、そんなことはありません。今、このレベルの裂で作るとしたらかなりの贅沢です。表装の世界で裂と戯れ、多少は目を養われてきたようです。

持てば崩れるくらいの裂を丁寧に扱う暮らしは、やはり好いものです。
崩れる寸前のものを裏打ちしながら使うためには、好いものを選び設えることが、その暮らしの始まりなのです。

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小澤征爾さんの「私の履歴書」

2014年01月25日 | 第2章 五感と体感
経済新聞の今月の「私の履歴書」は小澤征爾さんです。
とても新鮮な気持ちで拝読しています。

私も随分楽天的な性格ですが、天才はそんなもんじゃありません。
征爾氏を育てたお父様もお母様も御兄弟もくじけることの無い前向きな解釈と行動で大変な時代をどんどん生き抜いていきます。

そのような成育史を歩み、数年前の病気についての解釈が素晴らしく、
食道癌の手術を終えた自分の身体を「新しい身体に慣れるのに随分時間がかかった」という解釈をされていることに、深い感銘を受けました。

自己実現という目的を持った瞬間、それに邁進するご家族の姿に学びを沢山いただいている次第です。

最近、「忘れる」という言葉が自分の中に残存し、それについて考えることが多かったのですが、「自分が手がけた曲を忘れなければ次を手掛けることはできず、前に進むことしか考えていなかったけれど病気になったことで初めて向き合うことをしている云々」と語る小澤征爾氏の言葉に改めてそろそろ忘れることと留めることの中間地点に来ている自分の人生過程の位置を考える頃なのだと思い始めています。
私自身の日々の生活も、今日以降の事に思いを馳せながら粛々と仕事をし、勉強し、無理難題に思える仕舞いと謡いをぎりぎりの状態で覚える生活を繰り返しています。
細かい事をいちいち思い出し留まっていたら次の仕事に支障をきたすので、毎日「新しい人」と云う気持ちで日々暮らしているのが現在の私の姿でもあります。別の言葉で表現するなら「終わった仕事は忘れる」です。

とはいっても、その気持で過ごしている私が無理難題の仕舞いと謡いを覚えるには、自分の「忘れる」ことのシフトを変えなくてはなりません。勿論、発表会で舞った仕舞いは次の日にはきれいさっぱり忘れていますが(笑;)
きっと、覚えることの苦しみ?が、「忘れる」こととのバランスを保たせているのかもしれません。
しかし、
身体にも限界がありそうです。

一月いっぱい掲載される小澤征爾さんの手記に学びを頂きながら、改めて自分の身の丈を吟味していきたいものです。
この時期に小澤征爾さんの連載を読むことができ、心から感謝しています。

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熊野願望

2014年01月24日 | 第2章 五感と体感
昨晩BSにて熊野三山を巡る熊野古道の再放送を放映していました。
観ているうちに再放送だと気づいたのですが、去年の自分の熊野詣の前に観たので、随分印象が違いました。

和歌山に住む人は、地元の有名人として幼い頃から知る事となるのでしょうが、私は高校生の頃に南方熊楠を知りました。

粘菌の研究、曼荼羅の研究、宇宙の研究、、、
つまり、森羅万象をある法則で繋げることに没頭した人でもあり、明治政府が行った政策によって廃仏棄釈が行われ、長きに渡って守られてきた鎮守の森も破壊され、日本の文化が汚された時期に唯一立ち上がり熊野に行幸された明治天皇に直訴した人でもあります。

それ以来、熊野は私の憧れの地になりました。

新宮出身の作家中上健次も同じく、何故か彼の奥底に宿る見えない何かが気になり、小説を読んだものです。

意識せずとも熊野に導かれ人生を半世紀も過ぎ、ようやく昨年熊野を巡ることが出来たと云う次第です。

熊野を歩くには、他の場所を歩く必要があり、それが自分の中で「もう行ってもいいよ」という許しがでるまで行けない掟を自分自身で作っていたようです。
機が熟すとはこのことです。

機が熟すとはこのことで、人生の経験を積んだ時期に熊野に入ることにはやはり意味があったようです。

勿論、若いうちに熊野古道を歩くことにも意味は有りますが、私の場合は熟すのを待って良かったと思っています。
若い頃に熊野に入ったら、他の場所に赴くことよりも熊野に没入したに違いありません。
まだまだ行っていない聖地のほうが多いですが、ある程度比較文化を語るくらいの素材を持って熊野に入れたことに自分の生きる意味を考えるには相応しい旅であったと思います。

日本の地図を眺め、どうしても気になる場所が近畿の真ん中です。
自分の旅が満たされれば満たされていくほど、自分の内側に幸福感が増してくるのです。

今年も熊野を歩く計画を練るつもりです。
自分の内の宇宙と天の宇宙が繋がる心地良さが自分の理想の至極でもあるなと思っていますが、望みが高いか低いかは、自分自身で決めたいと思います(笑;)

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鍋囲むママ友

2014年01月23日 | 第2章 五感と体感
我が子の通う幼稚園や学校で知り合うお母さんのことを「ママ友」と呼ぶようになったのは、私が子育てを始めた頃と重なります。
そのママ達に誘われてテニスのグループに入ってかれこれ15,6年経ちました。
仕事の都合で毎回参加できないのが残念ですが、互いの事情にあれこれ云わずに楽しくテニスをしている人間関係がとても心地良いのです。

腰を痛めたり、病気になったり、怪我をしたり、私の身体のことだけでも色々なことがありました。
椎間板ヘルニアもやったし、五十肩もやったし、考えてみると身体の不調も随分経験しています。
それでも、テニスを止めたら、二度と走る気持にならないだろう、と思い、細く長くをモットーに続けてきました。
今回は一年間病気で参加していなかった友人が昨晩の新年会に参加し、快気祝いを兼ねて乾杯。

話題も子供から孫に移りつつあり?、私はほぼ話題の内容が解りませんが((笑)))韓流ドラマや旅の話で盛り上がり、楽しいひとときを過ごしました。

テニス仲間の黒一点のMさんが経営する比内地鶏のお店、比内やさんの焼き鳥とお鍋をつつき、挙句の果てには残った料理を全て持ち帰るという主婦力も発揮し、心も身体もポカポカになりました。

次にテニスができるのは、随分先になりそうですが友情に甘えさせていただきます。

横浜市営地下鉄「仲町台」駅、徒歩3分の「比内や」さんはランチもやっています。お近くにお住まいの方がいらっしゃいましたら是非ご利用くださいませ。美味しいです。

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カレーの日

2014年01月22日 | 第2章 五感と体感
今日はカレーの日なのだそうです。

カレーと云えば、先週自宅の最寄り駅の小さな商店街の小さなアーケードにネパール料理屋さんができました。「インド・ネパール料理」という看板なのですが、働いてる人たちは皆さんネパール人です。
従業員に日本人はいません。

最近では韓流のイメージが強い新大久保にネパール料理店の出店が増えてきたことをテレビ番組で知り、働き者で日本人のアイデンティティに馴染みやすい国民性のイメージがあるだけに、理解できるなぁ、と思っていました。
長年かけて、ネパール人の先輩方が日本語を学び現地でガイドをしたり、働き場所を求めて日本にやってきたりして仕送りし、段々と素地ができてきたのでしょう。
我が家の最寄りの駅は東横線で唯一パチンコ屋さんの無い駅でもあり、お寺が駅の真ん前にあるので地味で小ぶりです。
そんな駅の商店街に、初めてネパール料理店が出来たわけです。

我が街にしては画期的な出来事なので、案の定、オープンした休日には長蛇の列。老若男女がナンをむしりながらカレーを頂き、質実剛健的な小さなアーケードはカレーの匂いが充満。笑っちゃいけないけれど、お隣や御向かいの健康食のレストランや洋服屋さんや雑貨屋さん、お茶屋さんは、カレー旋風の中に巻き込まれることに。。。そういえばクリーニング店もありました(笑)
とはいえ、アーケードを歩く人の数が増えてきたことは間違いなしです。
一長一短ですが、周りのお店が潤えば、いいんじゃない?と、にやにやしながらアーケードを歩き家路に着く私です。

お店の店長さんはカトマンズ出身。厨房で働く人たちは、皆地方の村の出身だそうです。
品の良い御顔立ちの店長さんは美しい日本語を話します。

二人ぐらい日本語に不自由しない人がいれば、お店は成り立ちそうです。

健気で働き者を応援したくなる人の情が長続きして我が街に根付くよう祈っています。

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体調管理

2014年01月21日 | 第2章 五感と体感
ここ数日で梅の開花のニュースが耳に入ってきました。

「梅に鶯」の図を思い浮べると、殺風景な庭の風景に色が指し込まれ、温かみのあるイメージに変換されまます。
大寒が過ぎ、節分を待つこの時期は、寒さの中にも春の想いが想像の中で膨らむことで、身体の中から温かさも生まれてくるようです。

季節の変わり目は、必ず自分の体に変化が起こります。
気候環境に身体が馴染むまで、人によっては眠くなったり、持病が悪化したり、アレルギーが酷くなったり、と、嫌なことが起こりがちです。

私もこの季節の変わり目は苦手です。
湿度や気温の変化や気圧の変化で身体の中と外の兼ね合いが上手くいかず、必ず体調のバランスを崩します。
気候の変化によって体調を崩しやすいことが解っているので、その頃は自重するようにするよう心がけます。
睡眠を多く取り、一日の予定を制限し、食事に気をつけます。
大げさなことをするのでなく、自分の身体に負荷をかけないよう心がけるのです。

その前に、季節の変わり目であることを意識することも大事なことです。
気候を意識すれば、何故自分の体調に変化があるのかを意識しやすくなります。

自分の身体に無理を強いると必ず、身体は悲鳴をあげるのです。

心と身体と魂の三位一体の関係を意識すると、心の問題なのか、身体の問題なのか、はたまた魂の問題なのかを判別しやすくなるようです。

自分のことは自分にしか解りません。

一年で一番寒いこの季節。ようやく寒さに慣れても、じきに春が訪れ、花粉も飛んでまいります。
自分の体調管理を自分なりのペースで見守ることも心の安定に繋がります。

子供は親が体調管理することが大事な役割でしょうが、大人は自分自身の管理次第です。

お身体ご自愛くださいませ^^//

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大寒

2014年01月20日 | 第2章 五感と体感
寒さのピーク、24節気の大寒です。

センター試験が終わり、大学受験生はこれからの本番に気持を引き締め直す一日となりそうですね。
中学や高校受験生は、これからが本番です。

凛とした凍てつくような寒い空気に触れると、気持も引き締まります。
受験生の引きしまったお顔を眺めていると、尚更キリッとした気分になります。

年明けから20日経ち、そろそろ新年のペースが掴めてきました。

今年は、少しばかり自分の中の流れを変えたいな、と、思いつつも、相変わらずすべきことに追われる日々です。
二つのお手玉から三つのお手玉で、バランス良く回していくには、もうちょっと時間がかかりそうです。

一年で一番寒い時期。
身体の免疫力を高め、維持することに努めることも大事なことでしょう。
いつもの通り身体を酷使させていると体調を崩します。

今日は、某学校の初勉強会です。外は寒いですが、身体の中からポカポカと温まる様な勉強会にしたいと思います。

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源氏物語の牛車からツラツラ

2014年01月19日 | 第2章 五感と体感
各々のSNSで繋がっている友人知人の呟きから私の想像が広がることがよくあります。
昨日は源氏物語に登場する牛車の話題になり、またまた想像が広がっています。

源氏物語や平家物語は、日本で生まれアイデンティティを育んできた私にとっては自分のDNAを紐解く大切な存在です。

プライドの高い六条御息所が感情的に貶められる「車争い」は、光源氏の正室葵上に対する嫉妬が高まるきっかけとなっていきます。
源氏物語の登場人物の感情に焦点を当てて読み解いていくと、読んでいる自分が登場人物の誰かにいつしか自分を投影していることに気付きます。

平安後期の乗り物と云えば、牛車&輿や、馬です。しかもその当時の馬は、寸胴で足の太くそれほど背の高くない馬です。そして、水上は舟です。
牛車や舟、馬が登場する場面だけをピックアップしても、相当の面白さがあります。

夕顔が急死し、隠密に荼毘に付し弔いのために東山の袂に向かうのですが、途中の鴨川沿いで錯乱気味の光源氏が馬から落ちる場面や須磨に流される前に亡くなった父親桐壷帝の眠る下賀茂神社を牛車で通り、暗闇の糺の森をじっと眺めて父親に挨拶する場面や、方角を重んじるがために、近くに行くにも良き方角に進みながら回り道をして牛車を進ませたり、、、
現代に生きる私とは道具や衣服が違うだけで、湧き出す感情はなんら変わらないのです。

源氏物語は朝廷のごく一部の人々の物語ではあるのですが、感情の表出、考えることや概念、起こす行動は時空を超えて変わらないものであり、「人」の普遍性を描いていることに過ぎないのです。
その面白さに気付くと源氏物語から四百年ほど後の能楽の台本である謡曲の普遍性に惹きこまれていくのです。

平成に生きている私は何と幸せなことよ。。。

今では、戦時中の言論統制によって源氏物語を自由に翻訳できなかった谷崎純一郎の憂いとリベンジを垣間見る事も出来、与謝野晶子が鞍馬の庵で綴ったものも読むことが出来、訳の中から見えてくる作家や研究者の思いまで読み解くこともできるのです。

源氏物語を媒体にすることによって湧き上がる感情や思考、行動を自らが愉しむ人生と解釈すると、歴史のページの一枚に自分の存在を挟み込む様な感覚にもなるのです。

大寒の季節、温かい部屋でじっくりと源氏物語を読むことも春へのエネルギーの蓄積になるやもしれませぬ。

未だに、朝廷を舞台とした光源氏の色恋沙汰の源氏物語だと解釈しているとしたら、それは戦時中の言論統制の概念が根強く残った教育を受けてきたことの証かもしれません。

日本人のアイデンティティについてだけでなく人の思考と感情を紐解くためにも無くてはならない文学なのです。
ギリシャ神話と源氏物語の読み比べも比較文化の学びの宝庫です。

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自分の何を変えるのか?

2014年01月18日 | 第2章 五感と体感
自分から湧き出す不安な感情を自分自身がどう取り扱うか?

つまり、その要因が他者であろうと、自分自身が不安な感情を安心な方向にもっていくには、自分のどこかを変える必要があるようです。

「自分が悪い」ということではありません。

家族であろうと職場や学校の人間関係であろうと、他者は他者なのです。
どんなにせっついても、説教しても、泣いても怒っても、その感情を受け取る相手が問題意識を持たない限り、無理やり他者を変えることはできません。

相手に問題を感じる時、真っ先に自分の役割がなんであるかを考えてみるのも混乱に陥らない考え方かもしれません。

もし、我が子の問題であれば、親(保護者)としてどんな手助けができるかを考える必要があります。

平素の暮らしの中で、自分自身が今までどんな愛を我が子に与えてきたかを考えてみる事も大事なことです。
それを考えるには、自分自身がどんな愛を親から与えられてきたかを巡らしてみる必要が出てきます。
つまり、自分の愛の原型が、自分の傾向を成しているという仮説を立ててみると、どんな理想で子育てをしてきたかが見えてきます。
その理想が叶えられていない時に感ずる不安感を自分自身がどう取り扱っているかを意識化できたら、今までと違う自分の取り扱い方が見えてくるはずです。

信念とか理想は生きて行く上でとても大切なことですが、いつしかその理想が自分の概念を縛ることに繋がっていたとしたら子供は満たされない愛を親に希求し続け、柱を見失っていきます。

今日明日はセンター試験です。
結果がどうであれ、子供は大変な緊張感で臨んだ結果であることを忘れないでいたいものです。
結果如何で、あれこれ云うよりも、黙って温かい食事出し、健康管理で子供を包んであげるだけで、子供の愛の原型がまたひとつ育まれていくこと間違いなしです。

子供に訴えたい事は、実は自分自身に訴えたい満たされない愛の孤独感であることもあり得る、、、ということです。

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若狭神宮寺の薬師如来

2014年01月17日 | 第1章 意識と知覚
昨日、絵ハガキの寒中見舞いが友人から届きました。

若狭神宮寺の薬師如来の写真です。

物凄くセンスの良い、しかも高い技術を持つ仏師が彫った仏様を観た瞬間、一日の疲れが吹っ飛びました。
お顔良し、ラホツ良し、袈裟も良し、眼差し、眉から鼻筋の曲線も美しや。。。ああ美しや^^。。。

若狭神宮寺といえば、東大寺で行われるお水取りと深く関係のあるお寺です。
伝説によると、若狭と奈良の東大寺は地下水が結ばれており、お水取りが始まる前週の2月末に若狭で東大寺二月堂の袂にある井戸から水を汲むための水を取るのです。
それを「お水送り」と云います。

3月1日から14日までのお水取り(修二会)のクライマックスでもある閼伽井の井戸から水を取る行事に繋がるのです。

冬至から小寒、大寒と時が過ぎ、節分が過ぎると凍りついた水の温度も少しずつ緩んできます。

春分に向けて森羅万象が動きだす頃までに整えるべく精神を神様仏様キリスト様があれこれと人に課題を与えていく時期でもあります。
そう思うと、寒さの厳しい日々も心を整えることで温かさを自分の内から湧かせることもできそうです。

若狭、鞍馬、京都、奈良、天河、熊野三山が地図上で真っ直ぐな線で結ばれます。
太古の人々が編み出した見えない規則に守られている自分は幸せです。
この一直線を旅することが私の目標なのですが、残すは若狭と天河です。一度に廻っては勿体無いので、あれこれと回り道をしながら自分の結願を叶えていきたいものです。

それにしても私の喜ぶツボを理解してくれている友人の存在は有難いものです。

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絵画を観て心留める

2014年01月16日 | 第1章 意識と知覚
一枚の絵を鑑賞し、その絵から湧き出す感情を自分自身の意識に留める、というようなことは、案外美術展に行ってもしているようでしていない感じがします。
私自身、美術展に行って、自らの内から溢れる様な感情表出する、というようなことはめったにありません。

溢れる様な感動は、若い時の方があったようです。
いくつかの同じような体験を重ねてていくと、段々とその感受に慣れてしまい、美術展に行っても感動よりも確認するという心情のほうが優先しているように思います。

今回、某カウンセリング講座で行っている絵画鑑賞療法は、一人の画家に絞り、できることなら一枚の絵を毎回講座毎に観続けることが理想なのですが、今回は芸術新潮2013年7月号シャガール特集を使っています。そしてそれを媒体にフォーカシングを学習すると云う内容です。

美術館に行き、そこで直接絵画を鑑賞し、その場でワークショップを開きたいところですが、美術館のキューレターであり学習担当者出ない限り叶いそうも無いので、3月まで静岡市美術館で開催されている仙台からスタートしたシャガール回顧展を講座生に個々に行ってもらいフィールドワークを体験しレポートを書く、という流れで講座が進んでいます。

自分がこの世に生まれてから今日までの自分自身の生育史が一番大切なものであり、美術展に出かけるという投げかけをされた瞬間から、フィールドワークは始まっています。
そして、そのフィールドに立ったことで、どんな思考と感情が湧き出すかを、シャガールの絵を媒体に意識化していきます。
その作業を行う事が自己を意識化する訓練に繋がります。

自分自身の成育史に育まれた個性の美を自分自身が意識化して解釈する作業なのです。

自己の傾向を知らずして他者を援助しようとすると諸々の問題が出てきます。

何故自分はこの勉強をしているのか?という自問自答もテーマの一つになることでしょう。

既に静岡市美術館のシャガール展に行かれた方もいらっしゃり、食事したお店の情報を教えていただいたり、駿府城の場所を確認したり、と、情報を収集中です。私自身も皆様と同じ場所に立ち、シャガールを観ることで自分の内から何が見えてくるか、楽しみにしています。宮城県立美術館の広さとは、どうも条件が違うようです。始めて訪れる美術館で、同じ展覧会が箱が違う事でどう見え方が違うか、というところも私の興味の一つです。

来月は、レポートを書き終えた状態での講座になると思います。
寒い中、ご足労をお掛けしますが、美味しい料理と、できることなら富士山を愛でて静岡の旅を楽しんでいただければ幸いです。

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