昨年2023年にその活躍が顕著だった選手を、独断と偏見で5名選出。2022年編は日本国内組が先だったため、今年はまず、海外の選手5名を紹介していきます。順番は、昨年(2022年のまとめ)が軽い階級からだったので、今年(2023年分)は重量級からとなります。
WBOヘビー級暫定王者張 志磊(中国)/ 2022年の年間成績 世界戦2勝(2KO)
*4月に渡英し、ジョー ジョイス(英)に負傷TKO勝利を収め暫定ながらも世界ヘビー級の頂点に。9月に行った直再戦では、見事な右パンチでライバルをKO。40歳ながらもそのボクシングはまだまだ若々しく、今後の活躍にも期待が持てます。
2023年は、ジョセフ パーカー(ニュージーランド)も顕著な活躍を見せましたが、ジョイスはそのパーカーを破り世界王座を獲得したため、今回は張を選出しました。ちなみにフィリップ フルコビッチ(クロアチア)は、2022年8月に張に判定勝利を収め、IBF王座への指名挑戦権を獲得しています。今後は張、パーカー、フルコビッチの三つ巴戦も期待できるかもしれませんね。
(大中国4人目の世界王者張。見た目以上の実力者です)/ Photo: Reuters
WBOスーパーウェルター級王者ティム チュー(豪)/ 世界戦3勝(2KO)
*3月に元WBC王者トニー ハリソン(米)を接戦の末、終盤にストップ。まずは暫定王座を獲得しました。ハリソンとの一戦を切り抜けたことにより、その実力が本物であることを証明しています。
6月に行ったカルロス オカンポ(メキシコ)との初防衛戦では、3度目の世界挑戦となる実力者を僅か77秒で終わらせています。正規王者に昇格した後に行ったWBC暫定王者ブライアン メンドサ(米)との一戦でも、安定したボクシングで判定勝利。充実した一年を締めくくりました。今年(2024年)は更なる活躍が期待できるでしょう。
(すでに世界王者としての貫禄を漂わせているチュー2世)/ Photo: the Guardian
今年のもう一つのチューもく(注目)点は、実弟で現在豪州国内王者のニキタが、どれだけ兄に近づく事が出来るかになりますね。
WBCスーパーライト級王者デビン ヘイニー(米)/ 世界戦2勝(KO勝利ゼロ)
*5月に超強豪ワシル ロマチェンコ(ウクライナ)との技術戦に僅差の判定勝利を収め、ライト級統一王座の防衛に成功。師走にはスーパーライト級に乗り込んでいき、実力者レジス プログレイス(米)にダウンを奪うなどして大差判定勝利。2階級制覇に成功しました。今後のボクシング界の中心選手に成長しつつあります。
(成長が止まらないヘイニー。新たな階級でも活躍が期待出来そうです)/ Photo: Sky Sports
WBAライト級王者ジャルボンテ デービス(米)/ 世界戦と無冠戦でそれぞれ1勝(両試合ともKO勝利)
*1月に、前WBAスーパーフェザー級王者エクトール ガルシア(ドミニカ)に快勝。4月には若手のライバルの一人であるライアン ガルシア(米)にも圧勝。リング外では問題児ぶりを発揮していますが、リング上での実力はピカ一。
(問題児デービス。その実力は確かなのですが...)/ Photo: The Independent
IBF/WBOフライ級王者ジェシー ロドリゲス(米)/ 世界戦2勝(1KO)。
*WBCスーパーフライ級王座を返上し、本来のフライ級に再転向。あっという間に2つのベルトを獲得してしまいました。まだまだ23歳と今後どれだけ成長していくかが楽しみです。
(すでに2階級制覇を達成したロドリゲス。今後、どれだけの世界タイトルを獲得していくのでしょうか?)/ Photo: Taipei Times
昨年、2022年編で選出した選手は、ロドリゲス、前WBAスーパーフェザー級王者エクトール ガルシア(ドミニカ)、ヘイニー、WBAライトヘビー級王者ドミトリー ビボル(キルギスタン/露)、そして前WBO暫定ヘビー級王者ジョー ジョイス(英)でした。
今回選出したロドリゲス、ヘイニー、チューの3選手は、今後のボクシング界を牽引していく存在と言っても過言ではないでしょう。デービスはリング外の素行を改めれば、牽引はおろか、最強戦士の一人として活躍できるでしょう。張もマッチメーク如何では、今後も大いに活躍できる実力者です。