DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

一翔、世界ランカーを一蹴(WBAスーパーフライ級ほか)

2024年01月11日 05時04分12秒 | 世界ボクシング

昨年の大晦日、といっても10日ほど前ですが、東京都大田区総合体育館で行われた試合結果です。
WBAスーパーフライ級戦:
王者井岡 一翔(志成)KO7回2分44秒 挑戦者ジョスベル ペレス(ベネズエラ)

*WBC王者ファン フランシスコ エストラーダ(メキシコ)との王座統一戦を熱望していた一翔。その一戦は交渉が決裂してしまい、今回の実現は叶いませんでした。一翔は代わって2度目の世界挑戦となるペレスを迎え防衛戦に臨みました。

ペレスにはブランクがあるとはいえ、れっきとした世界ランカー。しかしそんな実力者を相手に、普段通りの手堅いボクシングを展開し、計3度のダウンを奪うなどして圧勝してしまった一翔。ボクサーとして安定期を迎えて久しいですが、まだまだ日本ボクシング界の牽引車として活躍してくれそうです。

下記は2024年1月11日現在の、スーパーフライ級の王者たちとなります。

WBA:井岡 一翔(志成/防衛回数1)
WBC:ファン フランシスコ エストラーダ(メキシコ/0)
WBC(暫定):カルロス クアドラス(メキシコ/0)
IBF:フェルナンド マルティネス(亜/2)
WBO:空位
OPBF(東洋太平洋):KJ カタラジャ(比/0)
WBOアジア太平洋:中川 健太(三迫/1)
日本:高山 涼深(ワタナベ/1)

 

フェザー級戦(10回戦):
OPBFフェザー級王者堤 駿斗(志成)TKO3回2分14秒 ルイス モンシオン ベントゥーラ(ドミニカ)

*世界ランカーとしてはいかがわしい経歴の持ち主と対戦した堤。そんな相手を徐々に追い詰めていった堤。3回にダウンを奪い、その後の連打でレフィリーストップを呼び込んでいます。

本来なら昨年10月に対戦する筈だった両選手。その時は堤が体調不良のため、試合直前にキャンセルとなっていました。自己の体調管理能力に問題があったとはいえ、延期されていた一戦に快勝した堤。プロ4戦目にしてようやく初のKO/TKO勝利を収める事が出来ました。今後の活躍に期待できそうです。

今回は無冠戦として行われましたが、2024年1月11日現在のフェザー級王者たちを確認しておきましょう。

WBA:空位
WBC:レイ バルガス(メキシコ/防衛回数0)
WBC(暫定):ブランドン フィゲロア(米/0)
IBF
:ルイス アルベルト ロペス(メキシコ/1)
WBO:ラファエル エスピノサ(メキシコ/0)
OPBF(東洋太平洋):堤 駿斗(志成/0)
WBOアジア太平洋:空位
日本:松本 圭佑(大橋/1)

 

バンタム級戦(10回戦):
元WBCフライ級王者比嘉 大吾(志成)KO4回2分29秒 ナワポン カイカンハー(タイ)

*試合ごとにムラのあるボクシングを展開してしまう比嘉。今回はバンタム級常連世界ランカーであるナワポンと激しいパンチの交換を演じ、最後はボディーでKO。その強打がバンタム級でも通じることを改めて証明しています。

勝利を収めたとはいえ、危ない場面も幾度か見せた比嘉。また、そのボクシングを外されると空回りする傾向があります。今後の課題は様々なタイプの対戦者を相手に、どう対応していくかでしょう。

 

*この興行では、空位となっていたOPBF(東洋太平洋)スーパーフェザー級戦王座決定戦、木村 吉光(志成)と坂 晃典(仲里)の一戦が組まれていました。しかし試合当日の朝、木村が病院に緊急搬送されたため中止となっています。

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名前の変更、などなど(色々:01‐10‐24)

2024年01月10日 05時09分20秒 | 世界ボクシング

最近(2024年1月10日ごろ)のニュースです。

1)昨年末、WBAがWBCに遅れること3年、クルーザー級とヘビー級の間に新たな階級を設置することを発表しました。当初WBAはこの階級をスーパークルーザー級と命名していました。この度、WBCと同様にブリッジャー級に変更しました。どうでもいいですよ、そんなこと。

2)昨年末、WBAライト級の唯一王者となったジャルボンテ デービス(米)がイスラム教に改宗。ムスリム名(ムスリムとはイスラム教徒の事です)をアブドゥル ワヒド(Abdul Wahid)としています。

3)イスラエル マドリモフ(ウズベキスタン)とマゴメド クルバノフ(露)によるWBAスーパーウェルター級王座決定戦が近日中に正式発表されるとの事。現在、ジャーメル チャーロ(米)が同王者に君臨している筈です。再びWBAの一階級複数王者体制が始まるのでしょうか?

4)ジェイ オペタイア(豪)が返上したIBFクルーザー級タイトルは、マイリス ブリエディス(ラトビア)とヒルベルト ラミレス(メキシコ)の間で争われるようになる模様。実現すれば面白い試合になるでしょう。

5)昨年10月に東京のリングで対戦しているフローイラン サルダール(比)と栗原 慶太(一力)。この時はサルダールが僅か60秒で栗原を仕留め、OPBF(東洋太平洋)バンタム級王座を獲得しています。この両者が今月26日、立場を替え比国の地で再戦を行います。

6)昨年8月、神戸のリングでジャック アンパロ(比)に判定負けを喫し、WBOアジア太平洋ミニマム級王座から転落した小林 豪己(真正)。来月3日、後楽園ホールで金谷 勇利(金子)とアンパロが返上した王座を賭け対戦します。

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尚弥、予想通りの圧勝(4団体スーパーバンタム級)

2024年01月09日 05時41分52秒 | 世界ボクシング

先月26日、東京・有明アリーナで行われた試合結果です。
4団体スーパーバンタム級戦(王座統一戦):
WBC/WBO王者井上 尚弥(大橋)KO10回1分2秒 IBF/WBA王者マーロン タパレス(比)

*この試合が決まった時点から、尚弥の圧勝が予想されていた一戦。タパレスもそれなりの奮闘を見せたのですが、両者の力量差には大きな隔たりがありました。スピードと手数を伴った好打で比国人を圧倒した尚弥。4回と10回にダウンを奪う快勝劇を演じ、同級でも4つのベルトの統一に成功してしまいました。

この試合でつっこむとすれば、タパレスは2つの世界王座を腰に巻くには(実際は巻いていましたが)、かなり力量不足の選手だったということではないでしょうか。現在のスーパーバンタム級を見渡しても、対抗馬となりうる選手が存在しないという悲しい状況に置かれている4冠王。本人は「スーパーバンタム級がベスト」と言っているようですが、何時フェザー級に転向していくかに注目です。

2024年1月9日現在の、スーパーバンタム級の王者たちを確認しておきましょう。

WBA:井上 尚弥(大橋/防衛回数0)
WBC:井上 尚弥(大橋/1)
IBF:井上 尚弥(大橋/0)
WBO:井上 尚弥(大橋/1)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:TJ ドヘニー(豪/1)
日本:下町 俊貴(グリーンツダ/1)

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ビボル、完封勝利で防衛記録を伸ばす(WBAライトヘビー級ほか)

2024年01月08日 05時05分26秒 | 世界ボクシング

先月23日、サウジアラビアで行われた試合結果です。
WBAライトヘビー級戦:
王者ドミトリー ビボル(キルギスタン/露)判定3対0(120-107x3)挑戦者リンドン アーサー(英)

この試合が行われた前年にあたる2022年に、現在のボクシング界を牽引するサウル アルバレス(メキシコ)と実力者ヒルベルト ラミレス(メキシコ)を退け、その評価を不動のものにしたビボル。しかし2023年は試合に恵まれず、師走の後半になりようやく2023年の初試合に臨むことになりました。

世界ランカーとして実力も実績も確かなものを持つアーサーを相手に、ブランクの影響をまったく見せなかったビボル。普段より攻撃的なボクシングを展開し、11回にはダウンも奪う快勝劇を演じています。アーサーの頑張りもあったため、2017年11月以来のKO/TKO勝利は叶いませんでしたが、判定はフルマーク。持ち前の上手さに加え、力強さも見せつけた一戦となっています。

ビボルが目指すのはもちろん、3つの王座を保持しているアルツロ ベテルビエフ(露)との王座統一戦。今年はいよいよそのライトヘビー級のドリームマッチは実現するのでしょうか? 

下記は2024年1月8日現在のライトヘビー級王者たちとなります。

WBA:ドミトリー ビボル(キルギスタン/露/防衛回数13)
WBC:アルツロ ベテルビエフ(露/4)
IBF:アルツロ ベテルビエフ(露/7)
WBO:アルツロ ベテルビエフ(露/1)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:ジェローム パンペロン(ニュージーランド/英)

*昨年2023年4月、2017年11月以降初となる同級のWBOアジア太平洋級戦が行われ、英国生まれでニュージーランド育ちのパンペロンが王座を獲得しています。

 

クルーザー級戦(12回戦):
前王者ジェイ オペタイア(豪)KO初回2分56秒 挑戦者エリス ゾロ(英)

*今回の試合が行われる数日前に、それまで保持していたIBF王座を返上しているオペタイア。IBFランカーを相手に行った無冠戦で、見事な左のワンパンチで英国人を仕留めています。

現在は無冠のオペタイアですが、その実力はクルーザー級のトップであることには変わりないことを証明しました。願わくば同級で世界王座に返り咲き、王座統一路線を歩んで行って貰いたいものです。

2024年1月8日現在の、クルーザー級のタイトル保持者たちを確認しておきましょう。

WBA:アルセン グラムイリアン(アルメニア/仏/防衛回数3)
WBC:ノエル ゲボール(アルメニア/0)
IBF:空位
WBO:クリス ビラン スミス(英/1)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:カムシベク クンカバエフ(カザフスタン/0)

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あの試合から30年(WBOストロー級:1994年1月7日)

2024年01月07日 05時31分06秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の今日にあたる1994年1月7日、スペインで行われた試合結果です。
WBOストロー級戦(現ミニマム級):
王者アレックス サンチェス(プエルトリコ)TKO初回1分30秒 挑戦者アルツロ マヤン(Arturo Mayan/メキシコ)

*1990年代を通して最軽量級を牽引していたのは、ご存じの通りあのリカルド ロペス(プエルトリコ)。この試合から数年後、サンチェスは数少ないロペスの対抗馬になり得る可能性のある選手として成長していきます。

(初期のWBO最軽量級で安定王者として君臨したサンチェス)/ Photo: BoxRec

この試合の約半月前の1993年12月22日に、当時空位だった王座を2分49秒という速攻劇で獲得したばかりのサンチェス。このあたりがまだまだマイナー団体として扱われていたWBOらしいですね。

BoxRecによると挑戦者マヤンは、サンチェスに挑戦したこの試合がプロデビュー戦。しかも僅か90秒で散った後は実戦を行わず、そのまま引退したようです。驚くべきことですが、その辺りが「古き良き時代」というところでしょうか。と言っても、僅か30年前の話ですが。

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今週末の試合予定

2024年01月06日 05時05分02秒 | 世界ボクシング

2024年1月、そして今年初の週末の主な試合予定です(2024年1月6日から1月12日まで)。

6日 土曜日
米国ネバダ州
WBAスーパーライト級戦(暫定王座決定戦):
オハラ デービス(英)対 イスマイル バロス(ベネズエラ)

スーパーウェルター級戦(12回戦):
バージル オルティス(米)対 フレデリック ローソン(米)

9日 火曜日
後楽園ホール
WBOアジア太平洋ライト級戦:
王者保田 克也(大橋)対 挑戦者佐伯 瑠壱斗(岐阜ヨコゼキ)

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仲里、地元沖縄で王座の初防衛に成功(日本ライト級)

2024年01月05日 05時12分28秒 | 日本ボクシング

昨年2023年のクリスマスイブ、沖縄空手会館で行われた試合結果です。
日本ライト級戦:
王者仲里 周磨(オキナワ)判定3対0(98-92、97-93x2)挑戦者村上 雄大(角海老宝石)

*昨年4月(2023年はすでに昨年となります)、2度目の挑戦で日本の頂点に立つことに成功した仲里。沖縄のジムから日本国内王者が誕生したのは、実に21年ぶりだそうです。

故郷での凱旋防衛戦を行うことになった仲里ですが、緊張からか数字上はワンサイドな試合でしたが内容は今一つ。真価が問われるのは、次の元OPBF(東洋太平洋)スーパーフェザー級王者三代 大訓(ワタナベ)との一戦になるようです。

仲里と三代は2017年10月に対戦しており、その時は三代が6回判定勝利。今春に予定される両者の再戦は、果たしてどんな結果が待っているのでしょうか。

4団体統一王者だったデビン ヘイニー(米)がスーパーライト級に転向し、それに伴いライト級の世界王座は返上。現在、2つの世界のベルトの保持者がいない状態です。下記は2024年1月6日現在の、そのライト級の王者たちとなります。

WBA:ジャルボンテ デービス(米/防衛回数4)
WBC:シャクール スティーブンソン(米/0)
IBF:空位
WBO:空位
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:保田 克也(大橋/1)
日本:仲里 周磨(オキナワ/1)

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パーカー、ワイルダーに大差判定勝利、などなど(ヘビー級x6)

2024年01月04日 05時05分02秒 | 世界ボクシング

先月23日、サウジアラビアで行われた試合結果です。
WBCインターナショナル/WBOインターコンチネンタル・ヘビー級戦:
元WBO王者ジョセフ パーカー(ニュージーランド)判定3対0(120-108、118-110、118-111)前WBC王者ディオンティー ワイルダー(米)

*接戦が予想された元世界王者の対戦でしたが、2022年9月に王座への返り咲きに失敗して以降、好調を維持しているパーカーの思わぬ一方的な試合に。世界王座から転落後も、力をつけているニュージーランド人に対し、一発に頼る横着なボクシングに終始したワイルダー。2020年以降の戦績が1勝(1KO)3敗(2KO負け)となってしまいました。

ヘビー級戦(12回戦):
前3団体統一王者アンソニー ジョシュア(英)TKO5回終了 オト ヴァリン(スウェーデン)

*3度目の世界王座獲得を目指すジョシュア。2019年9月に、タイソン フューリー(英)に善戦したヴァリンに実力差を見せつけ快勝。2023年を3勝(2KO)で終え、オレクサンデル ウシク(ウクライナ)に喫した連敗からの精神的ダメージからも脱した感があります。あとは何時、世界戦のリングに登場するかでしょう。

ヘビー級戦(10回戦):
IBF1位フィリップ フルコビッチ(クロアチア)TKO初回1分46秒 マーク デ・モリ(豪)

*IBF王座への挑戦が確約されているフルコビッチ。ワン・ツーのコンビネーションでデ・モリをあっさりとストップに追い込み、世界挑戦前の準備体操を終えています。

ヘビー級戦(10回戦):
前WBAレギュラー王者ダニエル デュボア(英)TKO10回2分52秒 ジャレル ミラー(米)

*8月にオレクサンデル ウシク(ウクライナ)に敗れ、WBAレギュラー王座を手放してしまったデュボア。巨漢ミラーを攻め続け、試合時間残り8秒でついにライバルをストップ。再起に成功すると同時に、その存在をアピールしています。

WBC米大陸/NABOヘビー級戦:
王者フランコ サンチェス(キューバ)TKO7回2分42秒 ジュニア ファ(ニュージーランド)

*23戦全勝(16KO)のサンチェスが初回、そして7回に2度、右の強打を炸裂させファをキャンバスに送る圧勝。また一歩、世界へ近づくことになりました。新年2024年には、どんなビックマッチがまっているのでしょうか。

NABF/WBAインターコンチネンタル・ヘビー級戦:
挑戦者アジ カバイェル(独)TKO4回2分3秒 王者アルスランベク マクムドフ(露/カナダ)

*ドイツ注目の星カバイェルが、ボディー攻撃を交えたコンビネーションで強打のマクムドフをストップ。全勝記録を24(16KO)に伸ばしています。191センチと現在のヘビー級では標準的なサイズのカバイェルですが、サンチェスと同じく31歳とまさに油が乗り切っている時期の選手です。今後の活躍に期待が持てそうです。

 

それぞれメインを張れるヘビー級戦が、6つも同時に開催されました。今回の興行後、もちろん世界王座の移動はありませんでしたが、2024年1月4日現在のヘビー級王者たちの顔ぶれを確認しておきましょう。

WBA(スーパー):オレクサンデル ウシク(ウクライナ/防衛回数2)
WBA(レギュラー):マヌエル チャー(独
/0)
WBC:タイソン フューリー(英/3)
IBF:オレクサンデル ウシク(ウクライナ/2)
WBO:オレクサンデル ウシク(ウクライナ/2)
WBO(暫定):張 志磊(中国/1)
OPBF(東洋太平洋):ジャスティン フニ(豪/1)
WBOアジア太平洋:ウラジスラフ シレンコ(ウクライナ/0)
日本:但馬 ブランドン ミツロ(KWorld3/1)

また、今回の興行が行われる前となる2023年11月末時点での主要団体の上位ランカーをまとめてみました。

WBA:レギュラー王者チャー、ワイルダー、マーディン バコレ(コンゴ)、ジョシュア、マクムドフの順。
WBC:ワイルダー、ジョシュア、マクムドフ、サンチェスの順。パーカーは8位。
IBF:フルコビッチ、ヴァリン、ジョシュア、パーカー、注目の新鋭ジェレッド アンダーソン(米)、サンチェス。
WBO:暫定タイトル保持者の張、ジョシュア、アンダーソン、パーカー、サンチェス、フルコビッチ。

*今後のヘビー級戦線を占うには、まず来月2月17日にサウジアラビアで予定される4団体王座統一戦、オレクサンデル ウシク(ウクライナ)とタイソン フューリー(米)の結果を待たなければなりません。

ウシクとフューリーは2月の試合後に直再戦を行う公算が高いため、4つの王座統一というのは短い期間のみになりそうです。しかし統一王者が誕生する前に、来月の試合が引き分けや無効試合となる可能性ももちろん無くはありません。両者のボクシングスタイルを考えると、かなりの接戦が予想されます。果たして、ヘビー級に唯一王者が誕生するのでしょうか?

「ウシク対ヒューリー」戦が決定する際、IBFからは勝者はフルコビッチとの防衛戦を行うよう強く通達されているため、少なくとも春先にはIBF王座は空位になるでしょう。フルコビッチは2022年8月に現WBO暫定王者張に判定勝利を収め、IBF王座の指名挑戦権を獲得しています。試合ごとのムラが大きな選手ですが、実力者であることは確かでしょう。注目は、フルコビッチがその空位になるであろう王座を賭け、誰と対戦するかに絞られます。今回の興行に出場し、勝利を収めたIBFの上位ランカーはジョシュア、パーカーとサンチェスとなります。

今年、2度英国のリングに登場し、ジョー ジョイス(英)を連破した張。今回の興行には出場しませんでしたが、彼も面白い存在であることは変わりありません。張に連敗したジョイスはパーカーとデュボアを下しています。

そしてこれらの選手に加わるのが、10月28日に行ったデビュー戦で、フューリーに地獄の入り口を見せたフランシス ガヌー(カメルーン/仏)。今後、どのような路線を歩んで行くのか非常に気になりますね。

何はともあれ2024年には、ヘビー級で大きな動きがありそうです。

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モレル、順当に防衛回数と白星を更新(WBAスーパーミドル級:レギュラー王座)

2024年01月03日 05時42分43秒 | 世界ボクシング

先月16日、米国ミネソタ州で行われた試合結果です。
WBAスーパーミドル級戦(レギュラー王座):
王者デビット モレル(キューバ)TKO2回1分43秒 挑戦者セナ アグべコ(ガーナ)

*コロナ禍の真っただ中だった2020年8月に、プロ僅か3戦目で暫定ながらも世界のベルトを獲得したモレル。その後、戦わずしてレギュラー王者に昇格し、2流、3流選手たちを相手にしながら順当に白星と防衛回数を伸ばしてきました。

今回迎えたアグベコは、28勝(22KO)2敗(1KO負け)という素晴らしい戦績の持ち主ですが、実力はこれまでのモレルの対戦相手たちと同様のレベル。そんな選手をモレルは、本拠地であるミネソタであっという間に仕留めてしまいました。

初回からキビキビとしたボクシングで挑戦者を圧倒したモレル。2回中盤、見事なコンビネーションブローで一気にレフィリーストップを呼び込み事に成功。現在のボクシング界のスーパースターであるサウル アルバレス(メキシコ)の陰に隠れた存在とはいえ、WBA第2の王座の6度目の防衛に成功。戦績も10戦全勝(9KO)としています。

新年2024年はどこまでカネロ(アルバレスのニックネーム。スペイン語でシナモンという意味で、彼の赤茶の髪の毛の色を表しています)の対抗馬としての存在を高めていけるのでしょうか。

下記は2024年1月3日現在の、スーパーミドル級の世界と日本関連のタイトルホルダーたちとなります。

WBA(スーパー):サウル アルバレス(メキシコ/防衛回数7)
WBA(レギュラー):デビット モレル(キューバ/6)
WBC:サウル アルバレス(メキシコ/6)
WBC(暫定):デビット べナビデス(米/2)
IBF:サウル アルバレス(メキシコ/3)
WBO:サウル アルバレス(メキシコ/4)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:ユン デオクノ(韓国/0)
日本:帝尊 康輝(一力/0)

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山中、一発に沈む(WBOアジア太平洋ライトフライ級ほか)

2024年01月02日 05時44分48秒 | 世界ボクシング

先月17日(昨年2023年です)、神戸ポートピアホテルで行われた試合結果です。
WBOアジア太平洋ライトフライ級戦:
挑戦者ジェイソン バイソン(比)TKO2回1分14秒 王者山中 竜也(真正)

*一昨年(2022年)3月に、世界2階級制覇を目指し3年半ぶりにリングに復帰した元WBO最軽量級王者山中。比国人の右アッパーの餌食となり序盤戦でTKO負けを喫してしまいました。

再起後、3連勝(1KO)と順当な路線を歩んでいた山中。まずは早期の再々起に期待しましょう。

日本ライトフライ級戦:
挑戦者川満 俊輝(三迫)TKO2回1分 王者大内 淳雅(姫路木下)

*同級のWBOアジア太平洋戦同様、挑戦者の右が決め手となった日本タイトル戦。決め手となった右フックから立ち上がった大内でしたが、ダウンのダメージは多大でその後の川満の攻撃に耐えれるものではありませんでした。

2つの日本関連のタイトルで、王座交代劇が行われたライトフライ級。下記は2024年1月2日現在の、同級の王者たちとなります。

WBA:寺地 拳四郎(BMB/防衛回数2)
WBC:寺地 拳四郎(BMB/3)
IBF:エイドリアン クリエル(メキシコ/0)
WBO:ジョナサン ゴンザレス(プエルトリコ/2)
WBO(暫定):レネ サンティアゴ(プエルトリコ/0)
OPBF(東洋太平洋):ミエル ファハルド(比/0)
WBOアジア太平洋:ジェイソン バイソン(比/0)
日本
川満 俊輝(三迫/0)

 

日本スーパーフェザー級戦:
王者原 優奈(真正)TKO初回69秒 挑戦者向山 太尊(ハッピーBox)

*自身の怪我のため、初防衛戦が延期となっていた原。その鬱憤を晴らすように、右の強打であっという間に2度のダウンを奪い快勝。僅か1分強で4月に獲得した王座の防衛に成功ています。

下記は原が活躍するスーパーフェザー級の、2024年1月2日時点でのタイトル保持者たちとなります。

WBA:ラモント ローチ(米/0)
WBC:オシャキー フォスター(米/1)
IBF:ジョー コルディナ(英/1)
WBO:エマヌエル ナバレッテ(メキシコ/2)
OPBF(東洋太平洋):森 武蔵(志成/0)
WBOアジア太平洋:力石 政法(緑/0)
日本:原 優奈(真正/0)

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