早朝に目が醒めた。締め切ったカーテンの陰から射し込む陽射しに誘われて、ベランダに出る。マンション前の道路から、清掃と思われる音が聞こえてきた。
覗いてみると、一人の男性が、道路際から植え込み、そして歩道を、きびきびとして手馴れた無駄のない手順で掃除をしている。
歯切れの良い、テキパキとした手際の良さや、枯れかけた柳の枝を下ろす身の軽さに感心するとともに、どこのだれだろうという疑問が湧いた。
隣にあるコンビニへの買い物ついでに、聞いてみた。「どちらの方なんですか?」「町会のものですが、この先に勤めているので、きれいにしてるんですよ」「ボランティアですか?」「ええ」。
彼の指差した先は、我が住まいの数件先からの、吉原界隈では名にし負う風俗店の立ち並ぶ一角がある。通りすがりの人たちは、彼に親しげに挨拶して通る。
早起きは三文の得という。ひんやりした空気の清々しさだけでなく、きれいに掃き清められた道路にも、無償の行為を黙々とこなす人にも、何か得をした気持ちにさせてもらった。
隣にあるコンビニへの買い物ついでに、聞いてみた。「どちらの方なんですか?」「町会のものですが、この先に勤めているので、きれいにしてるんですよ」「ボランティアですか?」「ええ」。
彼の指差した先は、我が住まいの数件先からの、吉原界隈では名にし負う風俗店の立ち並ぶ一角がある。通りすがりの人たちは、彼に親しげに挨拶して通る。
早起きは三文の得という。ひんやりした空気の清々しさだけでなく、きれいに掃き清められた道路にも、無償の行為を黙々とこなす人にも、何か得をした気持ちにさせてもらった。