勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

歓迎

2009-06-07 01:49:27 | Weblog
 肌寒いほどの雨の早朝に出かけた眼の検診、小田原に着く頃には小止みになった雨上がりの丘は、流れる雲と木々の緑が眠気を覚ましてくれた。

 六月の雨が、一面の緑に映える赤紫の紫陽花をやさしく濡らし、二週間ぶりの僕を歓迎してくれているようだ。

 病院の受付では、院長先生と女医さんに似た人形に迎えられ、顔馴染みになった受付の二人のお嬢さんがにこやかに応対してくれる。

「昨日、同じ部屋だった○○さんがみえて、よろしくと言ってましたよ」

「ありがとう、また逢いたいと伝えてください」
 
 診察までの待ち時間に、2階のレストランでいつものように朝食を摂る。そこでも入院時からお世話になった店員さんが、笑顔で声をかけてくれる。

「お久しぶりです。前回はお会いできませんでしたね」

「お休みだったの?」

「あとで伝票を見て、いらっしゃったのはわかりました」

「いつも同じ食事だからね(笑)」

 しかし、今日はいつもと違う歓迎があった。病院の入り口の監視カメラの上から、黄色いくちばしでかわいい声の歓迎を受けたのだ。
前回の時は、まだ卵を抱いていたつばめの雛が、数日前に孵ったという。
 親鳥が何度も何度も餌を運んでくる度に、首を伸ばして大きな口を開ける姿は、可愛くそして生命力に溢れている。
 つばめは、天敵のカラスなどが近寄りにくい、民家の軒先など、人が住むにぎやかな環境に営巣するという習性があり、商売繁盛の印ともいわれ、縁起がよいとされるそうだ。

 僕も縁起のよいお裾分けをいただいたようで、少しばかり幸せな気分になった。