勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

台風一過

2009-10-08 19:59:04 | Weblog
 激しい雨音に目が覚めた。時計を見ると4時少し前。眠い目を擦りながらベランダに出るも風は強くない。テレビが台風の間もない上陸を伝えていた。ふたたびベッドに潜り込む。目が覚めた時には雨も止み、薄日が射していたが風が強い。午後になると空を覆っていた雲は次第に強風に流され、青空が広がり、太陽が照りつけた。激しい風雨は世の中の塵を洗い流して、台風一過の爽やかな秋晴れになった。
 子供の頃、台風が来ると胸が躍った。独特の匂いを漂わせて吹く風は、生暖かくいつもの風と違う。台風が過ぎたあと、あたりの景色が一変するのも面白かった。散乱する折れた木の枝、風に飛ばされて舞う葉っぱ。いつもは水のない畑と畑の間の小さな堀は、溢れるほどの水が道路を越えて流れる。裸足になって水の中を遊んだあの頃。台風の怖さなど知らず、それら非日常の風景は刺激があった。
 都会に住む今、台風が通り過ぎても非日常は感じられない。空の青さや、流れる雲に、僅かに日常との違いを見つける。風の匂いがいつもと少し違い、どこからか金木犀の香りが漂ってくる。小さな秋を見つけた瞬間でもある。
 水かさが増した隅田川が、太陽に照らされて輝きながら強風に波を打つ。列島を縦断した大型台風は、各地に爪あとを残して去っていった。被害のない僕にとっては呑気なことを言っていられるが、北日本ではこれからも大荒れになるという。被害の少ないことを祈りながら、被害にあった方々には心からお見舞い申し上げます。