勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

白龍

2012-01-02 00:09:57 | Weblog
 大きな爪痕を残して静かに暮れて行く2011年を見届けるかのように、クリスマスに続き大晦日の夜9時からライトアップされたスカイツリーは、年明けの午前1時まで、夜空を飛ぶ白龍の如く輝き続けた。


風もなく穏やかな大つごもり、川の流れが止まったかのような、波のない静かな隅田川を見るのははじめてである。

 スカイツリーを撮影する人たちも三々五々散って行き、人影もなくなった隅田の川面に影を落す逆さツリーを見ることができた幸運に、心は熱く萌え寒さも忘れるほど。


2011年から2012年へと、年が変わる時間が迫る頃、スカイツリーが同時に二つ見えるスポットに場所を移す。


アサヒビールのビルの壁に映し出されたツリーは、新しい年に向かって夜空に昇る龍の鱗のようでもあるが、逆鱗は見えない。


もうひとつの撮影スポット吾妻橋の袂では、浅草寺の初詣を待つ人たちが、手にしたカメラやケータイをツリーに向けて記念撮影。


雷門近くでは、午前0時を今や遅しと待つ人の群れで、道路は歩行者天国状態、警察の警備と誘導のマイクもかまびすしい。


2012年午前0時、仲見世通りを埋め尽くした人の波は、スカイツリーを横に見て、隅田川の流れのように静かに動き始めた。

そして、五重塔とスカイツリーに見つめられて、下町の2012年が始まった。

 ところがである、今年こそあの大震災から立ち直らなければならない矢先の午後2時半、それは、あの3、11とほぼ同時刻、突然震度4の大きな揺れにあの日の悪夢が甦る。元日早々なんということか。先が思いやられる2012年の幕開けであった。今年の干支の龍よ、どうかその逆鱗を誰にも触れさせないように隠し続けてくれ。