勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

早とちり

2012-01-16 23:59:59 | Weblog
 子供の頃、失敗をして父に叱られる度にいわれた言葉がある。「そそっかしいからだ」と。。。

 大人になって、それも60歳近くになったある日、買い物をして小銭を出す時に、財布を逆さにして受け皿に全部を開けた。すると「お客様、せっかちなんですか?」といわれた。エッ、僕ってせっかち?

 それ以来、意識して自分を分析するとせっかちであることに気づく。時々他人(ひと)にも確認をすると答えは必ず「イエス」である。せっかちであると同時に、そそっかしく、早とちりの名人であることにも気が付いた。父に言われていたときには、父の偏見だと疑わなかったのだが。。。


 先日、仕事場の休憩室に厨房からお汁粉の差し入れがあった。休憩していたのは4人、お汁粉は2杯、年の功で1杯は僕がご馳走になった。寒い日の温かい食べ物はありがたい。「これ、あたらしくメニューに加えるための試食なのかなぁ」。もうひとりとそんな会話をしながらいただくお汁粉は、お餅が2つ、とろりとした甘さが甘党の僕にはうれしい。「でも、メニューとしてお客様に出すには甘過ぎない?」は2人の意見だった。

 食べ終わって器を厨房に返しに行った。「美味しかった、でもちょっと甘過ぎるかも」。僕の声に、厨房でお汁粉を食べていたスタッフが一斉に振り向いた。「高齢のお客様が多いから、甘みは抑えたほうがいいのでは・・・」。チーフとのやり取りが何故かかみ合わない。「エッ!これ、お客様に出すお汁粉じゃないの?」「はい、ちょうど缶詰の餡があったので、作ってみました」

 な・なんということだ、好意でご馳走してくれたものに、ケチをつけるとは。。。慌てて勘違いを説明したが、顔から火が出るほど恥ずかしかった。チーフは「いつでもご意見を言ってくださいね」と、快く応じてくれたものの、そそっかしくて、早とちりと、思い込みの激しい僕、余計なことを言ったことへの反省の日であった。