♪ 哀しいときは目を閉じて 八尾の秋を思い出す ♪ と、菅原洋一さんは「風の盆」で歌っている。
風の盆/菅原洋一
その風の盆が浅草に現れた。仲見世商店街振興会が発足20周年を記念し、富山県越中八尾から、おわら保存会の方々を招いての、おわら踊りの夕べ(風の盆)が開かれた。

暮れなずむ夏の午後7時、浅草仲見世の商店街はすべて店を閉じ、そこには今や遅しと風の盆の町ながしを待つ人が溢れた。

歌にもあるように、目を閉じると聞こえるのは、胡弓と三味線が奏でる静かな音色だけ、そこに繰広げられる踊りは、音さえしない。私語はお控えください、とHPにもある。

やがて、静かにあわられた風の盆の舞は、雷門を抜けてゆっくりと浅草寺に向かう。そこは昼間の喧騒とは打って変わって、幻想の世界にいざなう。

明かりを落とした仲見世通りは、♪踊るまぼろし 影法師 おわら恋しい風の盆♪ が、静かにそしてゆっくりと前へ進む。


♪ 夢かうつつか 風の盆 ♪は、雷門から宝蔵門をながし、宝蔵門前で輪踊りを行い、一時間あまりの町流しが修了した。

♪ 闇にしみ入る 夜泣き歌 君に見せたい 風の盆 ♪