歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

ちいさいきみとおおきいぼく

2018年03月11日 | 
待ち合わせや用事がある時はよく町の本屋で暇を潰す。

「暇を潰す」というにはあまりに有意義な時間かもしれない。



1年以上前だったか、待ち合わせまでの時間を埋めるのに絵本コーナーを回っていたとき、

オオカミが出てくるじんわりとあたたかい絵本を見つけた。

しかし時間が迫っていたので次の機会に買おうとその場を離れたのだ。

それがいけなかった。

次に行った時にはもう置いてなかったのだ。

その後も何度か行ったがやはりだめだった。

今思えばその時店員さんに聞いておけばよかったのだけど、そのときは思いつきもしなかった。



それからのらりくらり、記憶が薄れゆく中でその絵本に対する未練だけが大きくなっていく。

もはやオオカミだったのかすら曖昧だ。

かすかな記憶は海外の作家の作品で、オオカミらしき大きい動物が出てくるということのみ。

店員さんに聞くにはあまりにヒントが少ない。

ひとつの光は絵を見れば絶対にわかるという自信があったこと。



そんな話を夫Kに話すと一言、「探せばいいじゃん」。

そう、道は簡単なのだ。

むしろなぜ今まで探さずにいたのかの方が不思議である。

少ないヒントでは時間がかかるかもしれないが、

探し始めないかぎり記憶とともに可能性もどんどん薄まっていくだけだ。



そして昨日、ネットで検索をかけてから2時間もかからずに見つけた。

表紙の絵を見て一瞬でわかった。

本当に簡単なことだった。

すぐさまAmazonでポチッとしたら、早くも今日届いた。

それはやはりおおかみの話だった。







『ちいさいきみとおおきいぼく』

文:ナディーヌ・ブラン・コム
絵:オリヴィエ・タレック
訳:礒 みゆき
出版社:ポプラ社
第1刷:2013年



おかのうえの おおきな きのしたに
おおきい オオカミが
ずっと ひとりで すんでいた。

あるひ そこへ
ちいさいオオカミが やってきて…

はじめてのきもちに とまどいながら
たいせつなことに きづいていく
こころあたたまる ものがたり。(カバーそでより)



シンプルな文と大幅にデフォルメされた絵のバランスがとてもいい。

押し付けがましくなく、それでいて大人にも響くストーリーだ。

1年も忘れられずにいた一番の要因は独特な絵だと思う。

全然オオカミに見えない大きい黒いやつと小さい青いやつが愛おしい。

人にオススメしたい絵本が増えた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする