歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

ライオンキング

2019年09月11日 | 映画
映画館ってやっぱり好き。

ミニシアターも好きだけど、シネコンも好き。

映画館での体験を特別にしている要因として、やっぱりお金を払っているというのは大きいかもね。

しかし、それにしても、高すぎない?

またチケット代が値上がりしたらしく、一本見るのにほぼ2000円。

2000円といえば文庫本3冊買える値段ですよ!

もうレディースデイやファーストデイ、レイトショーを狙っていくしかないね。



それでも映画館に映画を観に行くのです。

非日常体験なのです。

ということで最近観たのはディズニーの『ライオンキング』と新海誠『天気の子』だ。

いずれもそれなりに満足感の得られる作品だった。

ここでは『ライオンキング』について。





『ライオンキング』

監督:ジョン・ファヴロー
撮影:キャレブ・デシャネル
音楽:ハンス・ジマー
出演者:ドナルド・グローヴァー
    セス・ローゲン
製作会社:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
     フェアビュー・エンターテイメント
日本公開:2019



フルCGでリメイクされたこの『ライオンキング』の予告を観た人は、

皆同じことを思っているのではないかと思う。

「超実写」って何???って。

このコピーを書いた人に私はまんまとやられた。

なんだかとても気になる。

アニメ『ライオンキング』は子供の頃から好きで、

私のエンドレスジブリループの中に唯一入っていたディズニー映画でもある。

(ちなみに映画『クールランニング』も鉄板だった。)

最近のアメリカアニメの傾向(妙に立体的なCGアニメ)が苦手でしばらくディズニーから距離を置いていたが、

ついにほとんど実写という領域に手を出し、しかもそれがライオンキングのリメイクということで興味がわいた。

この映画を見るにあたり私の一番の関心ごとは、

「リアルなライオンが人間の言葉を喋るとどんな感じなのか」ということである。

動機は不純、いざ鑑賞。



キャラクターや演出など実写に合わせて多少調整している部分はあるけれど、

ストーリーと物語の進み方はほとんどアニメと同じだった。

して、その実写風CGはすごいとしか言いようがなかった。

もうほとんど実写じゃないの。





このリアルライオンが英語を喋るわけだから、やはり最初の方は違和感がすごい。

この感覚前にもどこかで感じたことがあると思ったらソフトバンクのTVCMの白戸家お父さんだ!

しかしお父さんと違い、言葉に合わせて口が動いているので慣れるのも早い。

それより表情が少ないので、登場人物の心の動きが読み取りにくかった。

そこまで実写にこだわるのか!ある意味すごいぞ!



そもそもアニメがあるのだからそんな大変な思いまでして実写版を作る必要があったのかとも思うが、

それこそがある種クレイジーでもあり本当に感服させられる点でもある。

リメイクにここまでやるかという感じね。



ストーリーは同じなので、アニメ版と比較して観るのが面白いかと。

私が気になったのは、あのセクシーなスカーが実写ではただただ怖いライオンだったことかな。

表情がないからより冷徹なイメージになっている。

また本物の動物に見えるので、悲惨な状況がより痛々しく思えた。

子供時代のシンバがスカーに追い込まれて逃げる場面なんかもう悲しくってね。



実写は実写で面白かった。

しかしやっぱり何十回も観たアニメ版の印象は強く、薄ら薄らと実写版の記憶にアニメ版が覆いかぶさっていく。

あと1か月もすればすっかり忘れてしまいそうだ。





余談だけど、アフリカに何度も行き動物にとても詳しい知人曰く「あんなところにハキリアリはいない」らしい。
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ナイトクローラー

2019年09月11日 | 映画


『ナイトクローラー』

監督:ダン・ギルロイ
脚本:ダン・ギルロイ
製作:ジェニファー・フォックス
   ジェイク・ジレンホール他
製作総指揮:ゲイリー・マイケル・ウォルターズ
      ベッツィー・ダンバリー
出演者:ジェイク・ジレンホール
    レネ・ルッソ
    リズ・アーメッド
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
日本公開:2015


久々のジェイク・ギレンホール映画。

私の好きなハリウッド俳優ツートップが内一人なのです。

ちなみにもう一人はエイドリアンブロディです。

我ながら濃いのが好きだな。





今回はどんなかっこいいジェイク・ギレンホールを拝めるのかと思いきや、

撮影のために12キロ減量したという彼は大きな目をギラつかせた不気味な男になっていた。

ジェイク・ギレンホール扮するルイスは最初からつかみどころのない不思議な男だった。

舞台は深夜のロザンゼルス、

仕事を探していたルイスは偶然事故現場に出くわしそこでナイトクローラーなる職種に出会う。

ナイトクローラーとはいち早く事件・事故現場に駆け付けて現場をカメラにおさめ、

それをテレビ局に売りさばく報道スクープ専門の映像パパラッチのことらしい。



これならできると踏んだルイスは他人のロードバイクを転売し簡素なカメラと無線機を手に入れる。

今思うとはじめからある程度モラルに欠けていたわけだ。

最初はとにかく無線に従って現場へ駆けつけ見よう見まねで映像を撮っていたのだが、

血まみれの被害者をどアップでとらえた映像がローカル局の女性ディレクターニーナにひっかかり道が開けていく。

ここら辺からのルイスの行動力は凄まじい。

何かのスイッチが入ったように仕事に没入しステップアップしていく姿は、

一見サクセスストーリーを観ているようにも思えるのだが、

その先にあるのは果てない欲求と、エスカレートしていく猟奇的行動だった。





昨日の『タクシードライバー』に引き続き不健康で危険な男が主人公だ。

ジェイク・ギレンホールってやはしすごい。

1ミリも「ジェイク・ギレンホール」をちらつかせない。

なぜあんなにイケメンなのに(本来は)、そんなに貪欲なの!?



元はお金を稼ぐ手段だったのに途中からルイスは何かに取り憑かれたようにカメラを回すようになる。

どんどん釣り上がる報酬を鑑みるとやはりあくまでお金は根っこにあるのかね。

ルイスは報道マンとして超えてはいけない一線を超え、あまつさえ事件をコントロールしようとし始める。

カメラの中にしか興味がないのか、人の生き死にに対する無感情なルイスの表情がとっても怖い。

同業者をおとしめて見下ろすカットは鳥肌ものだ。



しかしここで思うのはルイスだけが異常なのかということ。

否、ニュース番組のディレクターであるニーナはルイスの成長(変貌)にはじめこそ不信感を抱くが、

少しずつ彼の撮ってくる唯一無二の過激な映像に魅了されそっち側の人間になっていく。

犯人と警察の銃撃戦のビデオを見て女の顔になるニーナもかな〜り恐ろしい。



報道とは何かを考えさせられる映画だった。

この映画では「真実を伝えるもの」ではなく「客層に合わせた商品」として描かれている。

高く売れる商品はないかと街を這いずり回るナイトクローラー、

もっともっと視聴率がとれる過激な商品はどれだと選別する制作陣は、

いずれもどこかぶっ壊れていてお金に群がるハイエナのようだった。

事実として多少なりともそういう部分はあるのかもしれない。

というかスポンサーが付いている時点で商品であることには違いないのだろうとも思う。



面白かったし、いい映画だと思う。

しかし、昨日の『タクシードライバー』同様、最後がなんともはや。

終始ハードな映画なのに、最後のシーンでコミカルな後味が残ってしまう。

あれは必要だったのだろうか。

怖さを助長させたかったのか、単なるユーモアか、終わり方って難しいね。
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