ずいぶん前から走っている。
白く靄がかった視界不明瞭のコースだ。
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、
そこでは自分の重苦しい呼吸音だけが聞こえる。
靄が薄くなると前を走っている黒い影が見えてくる。
それはずっと前から私の前を走っている。
接近したり離されたりの繰り返しだが、
最後の数メートルが遠い。
黒い影のシルエットは成人女性のようだった。
理由はわからないが私は彼女を追い越さなければならない。
頭で考えれば考えるほど、彼女の背中は遠ざかる。
大分前から彼女と二人で走り続けている。
走って走って走り続けて、体力と精神を消耗していく。
しまいには思考も働かずぼんやりしてくる。
それでもひたすら走り続けていたらあるとき急に足が軽くなった。
足や手や呼吸など身体中がうまく機能していくのがわかる。
すごいすごい、ずんずん進むよ。
まるで自分の身体じゃないようだ。
すごいスピードで走り抜け、ついには黒い影に追いついた。
横目で影の顔を覗き見るとそれは自分だった。
そうだったのね、と案外軽く受け止めてさらに大きく一歩を踏み込む。
次の瞬間、一気に追い越した。
急速に靄が消え去り視界がクリアになった。
目の前に何も走っていない、コースすらない世界。
真っ白な光だけの世界。
なんだこれ、最高じゃないか。
白く靄がかった視界不明瞭のコースだ。
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、
そこでは自分の重苦しい呼吸音だけが聞こえる。
靄が薄くなると前を走っている黒い影が見えてくる。
それはずっと前から私の前を走っている。
接近したり離されたりの繰り返しだが、
最後の数メートルが遠い。
黒い影のシルエットは成人女性のようだった。
理由はわからないが私は彼女を追い越さなければならない。
頭で考えれば考えるほど、彼女の背中は遠ざかる。
大分前から彼女と二人で走り続けている。
走って走って走り続けて、体力と精神を消耗していく。
しまいには思考も働かずぼんやりしてくる。
それでもひたすら走り続けていたらあるとき急に足が軽くなった。
足や手や呼吸など身体中がうまく機能していくのがわかる。
すごいすごい、ずんずん進むよ。
まるで自分の身体じゃないようだ。
すごいスピードで走り抜け、ついには黒い影に追いついた。
横目で影の顔を覗き見るとそれは自分だった。
そうだったのね、と案外軽く受け止めてさらに大きく一歩を踏み込む。
次の瞬間、一気に追い越した。
急速に靄が消え去り視界がクリアになった。
目の前に何も走っていない、コースすらない世界。
真っ白な光だけの世界。
なんだこれ、最高じゃないか。
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