歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

顔が見たい

2021年10月15日 | 日記
私は新宿が結構好きだ。

いろんな人がいて歩いているだけで面白い。

人口密度が高いから平日の昼間じゃないとクラクラしてしまうけど。



同じ方向に歩いていく王勢の人。

この先に何があるというのか、そう思いながら私もカラフルな背中を追いかける。

行くところがたくさんあるからこれだけの人がいるはずで、

私はといえば世界堂か東急ハンズ、あとはお世話になっているバーに行く。

あとは友達が働いている百貨店のデパ地下とかね。

うむ、目的地の少ない私ですら4つも行き先があるんだからたいしたもんだ。



オレンジがかった金髪頭にインディゴブルーのセットアップを着た男が前を歩いていた。

中肉中背で大股開きで歩いている。

金髪は肩まで伸びていてライオンみたいだ。

服装はスーツにしてはゆったり着こなすタイプの今時のシルエット。

上と下でどうも雰囲気が違う。

一昔前のギャル男みたいな髪型にはぜひフェイクファーをまといピチピチのジーパンを履いてほしいし、

ビッグシルエットのセットアップには韓国マッシュの小洒落た頭を据えてほしい。

この違う価値観が混在した一人の男に整合性を持たせるとしたら、その鍵は前面にあるということ。

前髪があるのかワンレンになっているのか、面長なのか丸顔なのか、

目は切れ長なのかクリクリなのか、おじさんなのか若者なのか。

髪型が髪型だからチャラ男芸人の慶みたいな顔をイメージしていたけど、村上虹郎みたいな顔ならバッチリだな。

世の中には金髪ロン毛にもゆるだぼビックシルエットにも合う顔があるんだな〜。

こんなに想像力を掻き立てる背中ってあるかな。

靴を見ておけばよかった。

靴には人が出るからね。

一歩前に出て頑張って振り返ってもどうせマスクをしているからどっちにしろ顔は見れない。



本当は整合性なんて無理に持たせなくていい。

ちぐはぐなくらいが愛嬌があって面白い。

そして何もなかったように道は別れその背中とおさらばしたのだった。


わたしの時間 ハイヒール
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