2023年も10月を迎えましたが、「秋はどこなの?」と思うような暑さが残っています。10月1日は中山競馬場で秋のスプリント王決定戦・第57回スプリンターズステークス(GⅠ・芝1200m 16頭立て)が行われました。2年前の覇者③ピクシーナイト、重賞6勝⑧メイケイエール、昨年の高松宮記念を勝った④ナランフレグ、昨年の2才マイル王⑫ドルチェモア、キーンランドカップを勝った①ナムラクレア、今年のサマースプリントシリーズチャンピオン⑬ジャスパークローネ、ソダシの妹⑥ママコチャ、セントウルステークスで波乱を起こした②テイエムスパーダ、ロケットスタート⑯モズメイメイ、「短距離王国」安田隆行厩舎所属⑩アグリ、芝の右回りでは強い⑩マッドクールなどが秋のスプリント王座獲りに挑みました。
注目スタートで、モズメイメイがポンと飛び出したが、ジャスパークローネが先手を奪う。テイエムスパーダが押しながら2番手に上がり、モズメイメイ3番手、マッドクール4番手。5番手グループにはナムラクレア・ママコチャ・メイケイエールの牝馬3頭が並ぶ。ピクシーナイトはその後ろの8番手を追走。9番手⑤ウインマーベル、10番手ナランフレグ、外側11番手ドルチェモア、後方勢は12番手⑦オールアットワンス、13番手アグリ、14,15番手の位置に⑮キミワクイーンと⑭エイシンスポッターが並び、⑪ジュビリーヘッドが最後方。
3,4コーナー中間を過ぎて、クローネが先頭、ママコチャが2番手に浮上、エールが大外に持ち出し、マッド最内6番手、クレアは7番手あたり。ピクシーとマーベルは中団馬群、アグリは後方4番手。
4コーナーを回って最後の直線に差し掛かり、ママコチャがジャスパークローネに並ぶが、クローネまだ頑張る。その間からマッドクールが接近。ナムラクレア4番手、メイケイエール5番手、大外からアグリが猛追するが届きそうにない。残り100mを切ってママコチャが先頭だが、内からマッドが伸びてくる。クレアも外から上がって来るが、最後はママコチャとマッドクールの2頭が並んでゴール!ナムラクレアは3番手、メイケイエールとジャスパークローネが4,5番手争い。
秋のGⅠシリーズ開幕戦は、6番人気・マッドクールと3番人気・ママコチャの2頭の叩き合いとなりましたが、早め先頭のママコチャが接戦を制しました。イン差しを狙ったマッドクールはハナ差及ばず2着。1番人気のナムラクレアは3着に終わりました。4着には4番人気のジャスパークローネ、メイケイエールは5着。ナムラクレアとメイケイエールはGⅠタイトルが遠いですなぁ。2番人気のアグリは大外猛追も7着、復活を狙ったピクシーナイトは8着でした。
秋のスプリント女王に輝いたママコチャは、5度目の重賞挑戦で初制覇。栗東・池江泰寿に所属し、父・クロフネ、母・ブチコ。マイルGⅠ3勝のアイドルホース・ソダシを姉に持っています。ブチコは現役時代にゲートを破壊する暴れっぷりを見せましたが、繁殖入り後はGⅠ馬を2頭も出す立派なお母さんになりましたね。
鞍上の川田将雅騎手は、2018年のファインニードル以来となるスプリンターズステークス2勝目。今年に入ってGⅠ3勝目の川田騎手、2週間後の秋華賞ではリバティアイランドを牝馬3冠に導けるでしょうか?池江泰寿調教師は、昨年のジャンダルムに続き、同レース2連覇を達成。馬主の金子真人ホールディングスは1999年のブラックホーク以来、24年ぶりの同レース勝利となりました。
デビュー当初からソダシの妹と言われていたママコチャは、昨年6月の1勝クラスから3連勝でオープン入り。前走の北九州記念で初めてのスプリント戦に臨み、ジャスパークローネの2着でした。重賞では上位人気になりながらも惜敗が続いてましたが、やっと勝つことができました。しかし、GⅠ制覇の喜びも束の間、姉のソダシが脚部不安により引退を発表。これからは姉の分まで活躍しないといけなくなりました。姉妹対決を一度は見たかったです。
一方、盛岡競馬場では「秋の地方3歳王者決定戦」第36回ダービーグランプリ(ダート2000m・7頭立て)が行われ、無敗で南関東クラシック3冠を達成した⑦ミックファイア(大井)が登場。ミック以外にも史上7頭目の道営3冠馬①ベルピット(門別)、ケンタッキーダービーに挑んだ⑥マンダリンヒーロー(大井)、羽田盃3着⑤サベージ(大井)などが参戦しました。
スタート後の先行争いで、ミックファイアが早くも先頭。マンダリンヒーローが2番手につけ、②ルーンファクター(岩手)3番手、③タイガーチャージ(大井)4番手。ベルピット5,6番手でゴール板を通過。
1,2コーナーを過ぎて向正面のところで、ミックファイア先頭、2番手マンダリンヒーロー、3番手タイガーチャージ、4番手ルーンファクター、5番手ベルピット、6番手④ニシケンボブ(門別)、サベージが集団から大きく離されて最後方。
3コーナーを回り、2番手のマンダリンが前のミックに並ぶ。ベルピットが3番手に上がり、タイガー4番手。最後方にいたサベージも5番手に浮上。4コーナー手前でマンダリンが前に出かけるが、ミック譲らない。ラストの直線に入ってもミックファイアとマンダリンヒーローの叩き合いが続き、ベルピットが最内3番手。残り200mでミックが盛り返して、マンダリンを突き放す。サベージが4番手に上がったが、ミックファイア先頭でゴールイン!ミックファイアこれでデビューから7連勝!
3歳ダート王者・ミックファイアが3か月ぶりのレースで完勝!3コーナーでマンダリンヒーローに並ばれ、直線でもマッチレースが続きましたが、二枚腰でマンダリンを振り落として勝負あり。慣れない長距離輸送と左回りでのレースでしたが、やっぱりミックは強かったですね。マンダリンヒーローはアメリカから帰国後、3戦連続の2着。マンダリンも力はあるんだけど、生まれた時代が悪かったとしか言えません。
ミックファイアが左回りと輸送を経験し、それで勝てたのは今後に向けて大きな収穫だと思います。12月のチャンピオンズカップ参戦も期待したくなりますね。強力な中央の古馬勢をなぎ倒すところをファンは期待しているのですが・・・。