夏競馬は今週から札幌、小倉、新潟の3場が同時に開幕。7月最後の日曜日だった29日は、札幌競馬場で牝馬重賞「クイーンステークス」が行われ、ディアドラとソウルスターリングのGⅠ馬2頭が参戦。台風12号の影響が心配されながらも無事に開催された新潟競馬場は、新潟名物・直線1000mを使った重賞レース「アイビスサマーダッシュ」が行われました。
札幌のメイン・第66回北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ・芝1800m 11頭立て)。昨年の秋華賞馬⑨ディアドラは、今年3月のドバイターフ3着同着以来のレース。オークス馬②ソウルスターリングは、北村宏司騎手との新コンビで復活を目指します。4歳2強の他にも、マーメイドステークスを勝った⑧アンドリエッテ、函館記念3着⑪エテルナミノル、4戦連続2着⑤フロンテアクイーン、昨年は2着だった③トーセンビクトリー、今年も札幌にやってきた「雷神」ジョアン・モレイラ騎乗の①アグレアーブル、④ツヅミモン&⑥リバティハイツの3歳世代も参戦しました。
スタートで⑩ハッピーユニバンスが後手を踏んだが、他の各馬は揃って飛び出した。先行争いでツヅミモン、ソウルスターリング、アンドリエッテ、⑦ティーエスクライの4頭が前を行き、1コーナーを回ったところでティーエスクライが先頭に立つ。ソウルスターリングは3,4番手、ディアドラは後方2番手から。
2コーナーから向正面のところで、ティーエスクライが先頭、ツヅミモンが2番手、3番手にソウルスターリングが上がり、4番手にリバティハイツ。その後の5番手にエテルナミノル、内側6番手にアグレアーブル、7番手にトーセンビクトリー、8番手にフロンテアクイーンが追走。9番手にアンドリエッテ、その直後の10番手にディアドラがいて、最後方にハッピーユニバンス。
3コーナーを過ぎ、ティーエスがまだ先頭だったが、ゴールまで残り600mのところで後続勢が差を詰め、ソウスタとツヅミモンがティーエスをかわすと、アンドリが3番手に上がり、エテルナも外から接近。ビクトリーとフロンテアが5,6番手につけ、後方にいたディアドラが大外から進出開始。
4コーナーを回って直線コースに差し掛かり、ソウルスターリングがツヅミモンをかわして先頭に立つが、大外からディアドラが2番手に上がり、残り200mを切ってソウスタをあっさりと抜き去る!そしてこのまま突き放して1着ゴール!2着争いはフロンテアクイーンとソウルスターリングが並びました。
札幌シリーズの開幕を告げる一戦は、1番人気のディアドラがGⅠ馬の貫禄をみせつけて圧勝しました。4番人気・フロンテアクイーンと2番人気・ソウルスターリングの2着争いは、フロンテアクイーンが制しました。フロンテアはターコイズステークス、中山牝馬ステークスに続いての2着ですが、昨年9月の秋風ステークスから2着が5回も続いています。ソウルスターリングは直線に入ったところで一旦は先頭に立ったんですが、その後が伸びず。でも、久しぶりに3着以内に入れましたね。
モレイラ騎手が乗ったアグレアーブルは7着に終わり、3歳勢はツヅミモンが9着、リバティハイツが10着と完敗。古馬の壁は厚い。
ディアドラは昨年の秋華賞以来の勝ち星を挙げ、重賞も通算3勝目。前走のドバイターフから実に4カ月ぶりのレースだった今回、スタートから後方2番手を追走していましたが、ラストの直線で大外から追い込んで差し切り勝ち。2着に3馬身差をつけての完勝でした。レース後に陣営が札幌記念への参戦を示唆しているとか。距離が1ハロン延びるけど、ぜひ出てほしいですね~。ただ、ルメール騎手はマカヒキに乗るし、岩田康誠騎手は骨折してダメだから、誰が乗るのだろうか…。
新潟メイン・第18回アイビスサマーダッシュ(GⅢ・芝直線1000m 17頭立て)は、「韋駄天ステークス組」から⑮ダイメイプリンセス,⑬ノットフォーマル,⑭レッドラウダ,⑫ナインテイルズ,⑨アペルトゥーラ,⑦レジーナフォルテの6頭がエントリー。さらには昨年4着①アクティブミノル、⑧ラブカンプー&⑩モルフェオルフェの3歳牝馬コンビ、昨年のフィリーズレビューを勝った③カラクレナイ、⑰ペイシャフェリシタ、芝初挑戦の④ベストマッチョなどが参戦しました。
外回り4コーナーの奥深いところからのスタートで、アクティブミノルとラブカンプーが良い飛び出しを見せる。その一方で⑪クラウンアイリスはダッシュがつかなかった。
18頭が外ラチいっぱいのところに集まり、ラブカンプー先頭に躍り出て、アクティブミノル・レジーナフォルテ・ナインテイルズ・レッドラウダの4頭が並び、6,7番手の位置にモルフェオルフェとペイシャフェリシタ、ダイメイプリンセス8番手、9番手⑯ブロワ、ラインスピリット10番手、後方グループには②ダノンアイリス、カラクレナイ、⑤クラウンルシフェル、アペルトゥーラ、ノットフォーマル、ベストマッチョがいて、クラアイはポツンとしんがり。
ゴール残り400mを切って、先頭争いはカンプー、レジフォル、アクティブ、テイルズ、フェリシタ、ラウダと6頭が固まった状態。その後ろでダイプリが馬群を割り込もうとしている。残り200mを切って、カンプーが逃げ粘るが、内側からダイプリが接近し、外からテイルズも頑張る。そしてゴール前でダイプリが抜け出すと、カンプーが2番手に下がり、レジフォルが3番手を狙ったが、ダイメイプリンセスが先頭でゴールイン!ダイメイプリンセスが得意の直線1000mで重賞初勝利を飾りました!
最高気温39.3℃(マジです)の酷暑の中で行われたアイビスSDは、ダイメイプリンセスが1番人気の期待に応えて優勝。序盤は中団より前の位置につけると、残り400mで外から内側に進路変更→ラブカンプーとレジーナフォルテの間に割って入り、残り100mで抜け出して1着。外枠を引き当てながらも、内側からグイッと差し切りました。2着のラブカンプーは、ミルコ・デムーロ騎手のおかげもあるけど、51キロの軽量が大きく効きました。この2頭は森田直行厩舎に所属していて、森田調教師は開業5年目で重賞初制覇。おまけにワンツーフィニッシュだから最高じゃないですか。
3着争いは接戦でしたが、ナインテイルズが3着に入り、レジーナフォルテは4着。3番人気だったペイシャフェリシタは11着という結果に終わっています。
2度目の重賞挑戦で初制覇を果たしたダイメイプリンセスは、父・キングヘイロー、母・ダイメイダークの間に生まれました。この馬は5月5日の駿風ステークスで勝利を挙げると、5月20日の韋駄天ステークスでも1着。このレースでも勝ったため、「新潟直千」で無傷の3連勝となりました。鞍上の秋山真一郎騎手も「1000mの直線の適性が高いのがわかっていた。コーナーを回るレースよりは手応えはいい」と話していました。この次は1200mの重賞レースでも好走を期待したい。