2018年生まれのサラブレッド7398頭の頂点を決める競馬の祭典・第88回日本ダービー(東京優駿 GⅠ・芝2400m 17頭立て)が30日、東京競馬場で行われました。18頭立てになってから初めてのフルゲート割れとなった今年のダービーは、無敗での2冠を狙う①エフフォーリア、⑭タイトルホルダー、⑪ステラヴェローチェ、⑮アドマイヤハダル、⑧ヨーホウレイク、⑤ディープモンスターの「皐月賞組」の他に、ウオッカ以来の牝馬制覇に挑む⑯サトノレイナス(桜花賞2着)、毎日杯覇者⑩シャフリヤール、府中で2戦2勝⑬グレートマジシャン、青葉賞馬⑫ワンダフルタウン、京都新聞杯を勝った④レッドジェネシス、プリンシパルステークス優勝⑥バジオウの別路線組も参戦してきました。
単勝の人気は、エフフォーリアが1.7倍で圧倒的1番人気、2番人気サトノレイナス(5.1倍)。3番人気以降はグレートマジシャン、シャフリヤール、ワンダフルタウン、ヨーホーレイク、タイトルホルダー、ステラヴェローチェと続きました。
スタートは18頭揃って飛び出し、エフフォーリアも良いスタートを決めた。スタンド前での先行争いで、エフフォーリアと②ヴィクティファルスの1枠勢、タイトルホルダーとバスラットレオンも先手を主張し、最後はバスラットレオンがハナを奪う。エフフォーリアは3番手につける。サトノレイナス・シャフリヤール・ワンダフルタウン・ヨーホーレイクは中団の位置、グレートマジシャンとディープモンスターは中団より後ろ、レッドジェネシスはポツンとしんがりで1コーナーを回る。
2コーナーから向正面のところで、バスラットレオンが単独先頭、2番手タイトルホルダー、外から⑦グラティアスが3番手に上がり、4番手ヴィクティファルス、エフフォーリアは5番手に控え、その直後にサトノレイナスが6番手。7番手シャフリヤール、8番手ワンダフルタウン、9番手バジオウ、10番手ヨーホーレイク、グレートマジシャン11番手追走。中団より後ろのグループには、③タイムトゥヘヴン・ラーゴム・ステラヴェローチェ・アドマイヤハダルと固まり、16番手ディープモンスター、レッドジェネシスが最後方を進む。
3,4コーナー中間を過ぎて、バスラットが先頭だが、レイナスが早くも先頭に立とうとしている。グラティ3番手、ホルダー4番手、向正面で後方にいたモンスターとハダルが捲るように上昇し、ワンダフルも5番手集団の中。エフフォーは中団まで下がり、シャフリとマジシャンも外に持ち出す。
4コーナーを回り、いよいよ直線勝負!バスラットレオンがまだ先頭だが、2番手からグラティアスが接近。残り400mでサトノレイナスが前に出る。馬場の真ん中からエフフォーリアとタイトルホルダーが足を伸ばし、残り300mでエフフォーリアが先頭に躍り出る!あとは2冠へ向けてラストスパート!後続からグレートマジシャンとシャフリヤールが追い上げ、残り100mでシャフリがエフフォーの内側に潜り込むと、ゴール前で徐々に並びかけ、最後はほとんど同時にFINISH!エフフォーリアの2冠か?あるいはシャフリヤールが最後逆転したか?
【第88回日本ダービー 全着順】
1着 シャフリヤール 2分22秒5
2着 エフフォーリア ハナ差
3着 ステラヴェローチェ 1馬身1/4
4着 グレートマジシャン ハナ差
5着 サトノレイナス ハナ差
6着 タイトルホルダー
7着 ヨーホーレイク
8着 グラティアス
9着 バジオウ
10着 ワンダフルタウン
11着 レッドジェネシス
12着 ラーゴム
13着 タイムトゥヘヴン
14着 ヴィクティファルス
15着 バスラットレオン
16着 ディープモンスター
17着 アドマイヤハダル
【払戻金】
単勝 ⑩ 1,170円
複勝 ⑩ 270円 ① 120円 ⑪ 550円
枠連 1⃣-5⃣ 1,020円
馬連 ①-⑩ 1,010円
馬単 ⑩-① 3,360円
ワイド ①-⑩ 450円 ⑩-⑪ 3,880円 ①-⑪ 1,030円
3連複 ①-⑩-⑪ 8,800円
3連単 ⑩-①-⑪ 58,980円
2年ぶりの有観客開催となった日本ダービーは、2頭が並ぶ大接戦となりましたが、写真判定の末にシャフリヤールが1着。2018年生まれのサラブレッド7398頭の頂点に立ちました。1番人気のエフフォーリアはハナ差の2着に敗れ、無敗での2冠制覇ならず。横山武史騎手の「戦後最年少ダービージョッキー」誕生もなりませんでした。3着争いも3頭が並びましたが、ステラヴェローチェが3着。ステヴェロは皐月賞に続いての3着。終わってみれば共同通信杯に参戦したメンバーが1~3着を独占しました。
3番人気のグレートマジシャンは4着、2番人気のサトノレイナスは5着。レイナスは3コーナーで先頭に並んで、直線で先頭に立ったけど、仕掛けるのが早かった気がしました。
GⅠ初制覇のシャフリヤールは前走の毎日杯に続いての重賞連勝。毎日杯勝ち馬のダービー制覇は、キングカメハメハ、ディープスカイ、キズナに次いで4頭目ですが、毎日杯から直行での優勝は初めてだと思います。ディープインパクト産駒は日本ダービー4連勝、通算でも7勝目を挙げました。母・ドバイマジェスティは2頭目のGⅠ馬を輩出。兄のアルアインは、毎日杯を勝った後に皐月賞を制しました。
鞍上の福永祐一騎手は、昨年のコントレイルに続き、史上3頭目のダービー連覇を達成。2018年のワグネリアンで初勝利を挙げてから、ここ4年で3勝をマークしています。シャフリを管理している藤原英昭調教師は、2010年のエイシンフラッシュ以来2度目のダービー制覇です。
昨年はコントレイルの強さに酔いしれ、今年はゴール前での大熱戦となりました。エフフォーリアが抜けた時は、このまま押し切るかと思ったんですが、シャフリヤールの追い込みが本当にすごかったです。シャフリヤールが勝てたのは馬の能力というのもあるけど、ジョッキーの経験の差が大きいと思います。でも、横山武史騎手もいつかはダービーを勝てる日が来るでしょう。
シャフリヤールはコントレイルが無敗の3冠制覇を達成した日にデビュー。今年2月の共同通信杯では、エフフォーリアが2馬身半差で圧勝し、シャフリは3着。毎日杯でコースレコード勝ちを果たし、ダービーで無敗の強敵にリベンジを果たしました。レコード勝ちの次走は反動する事がよくあるけど、ダービーでも激走を見せ、2分22秒5のダービーレコードを樹立。エフフォーリアは怪物級だと思っていましたが、キャリアわずか4戦目でダービーを勝ったシャフリヤールもまた怪物級ですなぁ。
エフフォーリアも敗れはしたけど負けてなお強しと言える内容でした。エフフォーリアの父・エピファネイア、祖父・シンボリクリスエスもダービーで2着。「親子3代でダービー2着」という記録も珍しいですが、母の父のハーツクライも2004年のダービーで2着でした。これはもう運命であって、必然だったのか?
エフフォーリアとシャフリヤールの直接対決は1勝1敗の五分。この2頭の3度目の対戦が、秋のGⅠシリーズで実現してほしい。