夏休み最後の日曜日となった8月30日は、札幌競馬場でサマースプリントシリーズ第5戦・キーンランドカップ、新潟競馬場では2歳馬による重賞競走・新潟2歳ステークスが行われました。
札幌メイン・第10回キーンランドカップ(GⅢ・芝1200m 16頭立て)は、函館スプリントステークスを勝った⑩ティーハーフ、昨年の覇者⑪ローブティサージュ、同年2着⑤レッドオーヴァル、UHB賞を勝った⑨エポワス、函館日刊スポーツ杯を勝った⑫オメガヴェンデッタ、函館SS3着⑮レンイングランド、⑦マジンプロスパー・④スギノエンデバー・⑯トーホウアマポーラといったスプリント重賞ではお馴染みの馬、地方・浦和所属の⑥サトノタイガーなどが参戦しました。
スタートでマジンプロスパーと②サクラアドニス、⑬ウキヨノカゼが後方からのスタート。先行争いでエポワスがハナに立つかと思いきや、①タガノアザガル・③クールホタルビ・マジンプロスパーの3頭が先頭集団を形成。4番手にオメガヴェンデッタ、エポワスは5番手に下げ、⑧ネオウィズダム6番手。外の7番手にレンイングランド、ローブティサージュとサクラアドニスが8,9番手で並ぶ。中団の10番手グループには⑭ペイシャオブロー・ティーハーフ・レッドオーヴァルが固まっていて、最内の13番手にスギノエンデバー追走。後方は14番手トーホウアマポーラ、15番手サトノタイガー、最後方ウキヨノカゼという展開。
16頭一団の状態で3,4コーナー中間点を過ぎ、先頭集団はアザガル・ホタルビ・プロスパーの3頭が横一線。エポワスとヴェンデッタは好位に控え、ティーハーフとオーヴァルは中団馬群。しんがりにいたウキヨが大外を回って先頭集団に追いつく。
4コーナーを回り、最後の直線に差し掛かり、ウキヨノカゼがゴールまで残り200mのところで先頭に躍り出る!内でオメガヴェンデッタが迫り、外からティーハーフとトーホウアマポーラ、さらにレッドオーヴァルも追い込んできたが前に届くかどうか?ゴール前でアマポーラが2番手に浮上したが、ウキヨノカゼがそのまま先頭ゴールイン!ティーハーフとレッドオーヴァルは3着争いまで…。
サマースプリント第5戦・キーンランドカップは、単勝8番人気のウキヨノカゼが優勝。序盤はしんがりの位置にいましたが、3コーナーから大外一気にまくって、直線に出たところで早くも抜け出し、後続をシャットアウトしました。2着には9番人気のトーホウアマポーラ。伏兵の牝馬2頭によるワンツー決着となりました。ティーハーフ・オメガヴェンデッタ・レッドオーヴァルの3頭が並んだ3着争いは、1番人気のティーハーフが制し、ヴェンデッタ4着、レッドオーヴァルは5着でした。前年度の覇者・レッドオーヴァルは7着、3番人気のエポワスは9着に終わりました。
勝ったウキヨノカゼは、函館のTVH賞に続いての連勝で通算4勝目。重賞勝利は2013年のクイーンカップ以来、約2年半ぶりです。2年前のクイーンカップを勝った後、その年の牝馬クラシックも期待されましたが、脚部不安で1年9ヶ月間の長期休養。復帰後は2ケタ順位が続きましたが、前走のTVH賞で久々の勝利を挙げ、今回は完全復活を印象付けたのとともに、スプリンターズステークスの優先出走権を獲得しました。鞍上の四位洋文騎手は、先週の札幌記念に続いての重賞制覇となりました。来週の札幌2歳ステークスで、リアルキングとのコンビで重賞3連勝に挑む予定です。
新潟のメイン競走・第35回新潟2歳ステークス(GⅢ・芝1600m)は、来年のクラシックを目指す2歳馬18頭が集結。デビュー2連勝中の⑭ペルソナリテ、「クロフネ×アグネスタキオン」の⑱ヒプノティスト、外国産馬⑮ルグランフリソン、新馬戦で4馬身の圧勝劇を見せた⑪ウインミレーユ、母は2000年オークス馬・シルクプリマドンナ④プリンシパルスター、マツリダゴッホ産駒②ロードクエスト、アンライバルド産駒⑩トウショウドラフタ、①タニセンビクトリー、⑤ファド、⑦マコトルーメンなどが出走しました。
スタートでロードクエスト、マコトルーメン、⑰カミノライデンの3頭がやや出遅れる。⑤ファド、⑥ノーフォロワー、⑨エポックの3頭が好スタートを切ったが、ルグランフリソンが先手を奪う。2番手集団はファド・ノーフォロワー・エポック・ウインミレーユの4頭が並ぶ。その後ろには、プリンシパルスター・キャプテンペリー・⑬ウインファビラスの3頭が6番手集団を作っている。中団グループは、ペルソナリテが外からポジションを上げにかかり、真ん中にトウショウドラフタ、11番手に⑪シトロン、12~14番手の位置にタニセンビクトリーと⑫トモジャクール、外にヒプノティスト、後方は③カネノイロ、カミノライデン、マコトルーメン、ロードクエストと続く。
外回り3コーナーから4コーナーに差し掛かるところで、ルグランがまだレースを引っ張り、2番手からエポックとファド、外からミレーユが追い上げる。ペルソナとヒプノは中団の外目に出し、クエストは最後方から馬群を割って追い上げる。最後の長い直線コースで、18頭が横に大きく拡がった。タニセンが内ラチ沿いを走り、クエストが先頭集団に追いつき、真ん中からペルソナリテとウインファビラスが追い込む。ラスト200mを切り、ロードクエストが抜け出すと、後続を一気に突き放す!ファビラスが2番手に立ち、ルーメンとペルソナが3番手で競り合う。それらを尻目にロードクエスト先頭ゴール!最後はぶっちぎったロードクエスト、圧勝で新潟2歳王者に就きました。
この秋の2歳戦線~来年のクラシックへと繋がる一戦は、単勝1番人気だったロードクエストが制しました。2着には12番人気のウインファビラス、3着には8番人気・マコトルーメンが入りました。無傷の3連勝を狙ったペルソナリテは4着、2番人気ヒプノティストは6着、3番人気ルグランフリソンは8着に終わりました。
勝ったロードクエストは、6月7日の新馬戦(@東京)に続いてのデビュー2連勝。当然ながら重賞初制覇です。この馬は北海道の様似町にある「様似堀牧場」で生まれ、父・マツリダゴッホ、母・マツリダワルツ、母方の曽祖父がリアルシャダイという血統。マツリダゴッホ産駒といえば、ウインマーレライ、クールホタルビ、アルマワイオリが代表格ですが、産駒3年目で大物が現れましたか。
クエストのデビュー戦はスタートで後手を踏みながらも、直線で大外から鋭く脚を伸ばして2馬身差の快勝。この日もスタート出遅れて最後方からの競馬でしたが、直線で一気に就き抜け、最後は4馬身差をつけました。2歳とは思えない派手な勝ち方をしたので、現時点で2歳世代でナンバー1とも言えるでしょう。左回りで2戦2勝しているけど、右回りはまだ未経験。お父さんは現役時代「中山巧者」と言われたから、クエストも右回りで結果を残しそうな気がします。とにかく今後が楽しみですね。
来週で夏競馬も終わります。9月6日は札幌競馬場で「札幌2歳ステークス」、7日は小倉競馬場で「小倉2歳ステークス」、新潟競馬場でサマー2000シリーズの最終戦「新潟記念」が行われます。
札幌2歳Sは、2010年の2歳女王レーヴディソールの第1子・アラバスター、コスモス賞の勝ち馬・ラヴアンドポップ、ヴィクトワールピサ産駒・スパーキングジョイ、アフターダークなどが登録しています。
小倉2歳ステークスは、中京2歳ステークスを制したシュウジ、フェニックス賞組のコウエイテンマとオフクヒメ、レッドカーペット、レッドラウダ、オウケンダイヤなどが出走予定。
そして新潟記念は、春の新潟大賞典を制したダコール、昨年の新潟2歳王者ミュゼスルタン、同レースで2着だったアヴニールマルシェ、もう2着はいらないマジェスティハーツ、4連勝中の上がり馬メドウラーク、アルフレード、パッションダンス、スイートサルサ、ロンギングダンサーなどが登録。
サマー2000シリーズは、グランデッツァやアズマシャトルといった上位陣が新潟記念に登録しなかったため、函館記念と札幌記念の2戦で15ポイントを獲得したダービーフィズの優勝が確定しました。「消化試合」となる新潟記念は誰が制すのか?