ダート競馬の年末総決算・第61回東京大賞典(GⅠ・ダート2000m 14頭立て)が29日、東京・大井競馬場で行われました。JRA勢からは、同一GⅠ3連覇を狙う⑬ホッコータルマエ、JBCクラシック覇者⑪コパノリッキー、チャンピオンズカップ2着⑤サウンドトゥルー、ラストラン④ワンダーアキュート、①ナムラビクター、⑩グランドシチーの6頭が参戦。南関東勢からは、⑥ハッピースプリント(大井)、⑦サミットストーン(船橋)、⑫ユーロビート(大井)、②プレティオラス(大井)などが出走しました。
単勝のオッズは、1番人気がホッコータルマエ(2.3倍)、コパノリッキーが2番人気(2.7倍)、サウンドトゥルー3番人気(3.9倍)。4番人気以降はハッピースプリント、ナムラビクター、ワンダーアキュート、サミットストーン、グランドシチーと続きました。
横一線のスタートで始まったこのレース、コパノリッキーとホッコータルマエの2頭が先手を主張し、リッキーが先手を取り、タルマエは2番手に控える。ワンダーアキュートとハッピースプリントが3,4番手で並び、サウンドトゥルーは7番手、ナムラビクターは中団より後ろの位置でスタンド前を通過した。
1コーナーを回ったところで縦長の展開になり、リッキーが先頭、タルマエがピッタリ2番手。その後ろの3番手にハピスプ、内側の4番手にアキュート。少し離れた5番手にサミットストーン、グランドシチー6番手、トゥルーは中団の7番手を追走し、ビクター8番手、9番手に⑧ケイアイレオーネ(大井)。後方グループは、10番手ユーロビート、11番手③]ユーセイクインサー(笠松)、12番手⑨ファルコンクロウ(浦和)、プレティオラスと⑭タッチデュールが最後方の位置で並走している。
外回り3コーナーを回り、前の争いでは、ホッコータルマエが逃げるコパノリッキーに並びかけ、ハッピースプリントは一度は先頭集団に追いつくも、引き離されてワンダーアキュートにかわされる。中団ではサウンドトゥルーが5番手まで上昇。4コーナーから最後の直線コースに差し掛かり、タルマエがリッキーをかわして先頭に躍り出る!このまま3連覇を決めるのか?しかし、外からトゥルーがグイグイと追い込み、ゴール残り100mでタルマエを捕らえ、ゴール前で抜け出してFINISH!豪快に差し切ったサウンドトゥルー、3度目のGⅠ挑戦で初制覇!
東京大賞典 全着順&払戻金
1着⑤サウンドトゥルー 2分03秒0(良)
2着⑬ホッコータルマエ 1馬身3/4
3着④ワンダーアキュート 6馬身
4着⑪コパノリッキー クビ
5着①ナムラビクター 1/2馬身
6着⑥ハッピースプリント 1馬身1/2
7着⑩グランドシチー 1/2馬身
8着⑦サミットストーン 2馬身1/2
9着⑧ケイアイレオーネ クビ
10着⑫ユーロビート 1馬身1/4
11着②プレティオラス 2馬身
12着⑨ファルコンクロウ 1馬身
13着⑭タッチデュール 大差
14着④ユーセイクインサー 大差
単勝 ⑤ 390円
複勝 ⑤ 140円 ⑬ 120円 ④ 340円
枠複 [4]-[8] 340円
枠単 [4]-[8] 740円
馬複 ⑤-⑬ 430円
馬単 ⑤-⑬ 900円
ワイド ④-⑬ 200円 ④-⑤ 860円 ⑤-⑬ 710円
三連複 ④-⑤-⑬ 2,920円
三連単 ⑤-⑬-④ 8,650円
冬の大いに新たな砂の王者誕生です!直線で豪脚を見せたサウンドトゥルーが、ホッコータルマエをゴール前で差し切り優勝。同一GⅠ3連覇&史上初のダートGⅠ10勝目の偉業に挑んだホッコータルマエは、宿敵・コパノリッキーを徹底マークし、直線で抜け出したものの、サウンドトゥルーにその夢を打ち砕かれました。ラストランのワンダーアキュートが3着に入り、コパノリッキーは直線で失速して4着に終わりました…。5着のナムラビクターまでがJRA勢が占め、地方勢はハッピースプリントの6着が最高でした。
GⅠ初制覇のサウンドトゥルーに騎乗した大野拓弥騎手は東京大賞典初勝利で、ダートGⅠ2勝目。管理する高木登調教師はダートGⅠ初勝利となりました。サウンドトゥルーにはフジキセキを祖父に持っています(母・キョウエイトルースの父)が、その祖父が28日に頚椎損傷で亡くなりました。祖父・フジキセキの死から一夜明けたこの日、孫が弔い星を挙げました。
「幻の3冠馬」だったフジキセキは、種牡馬になってもキンシャサノキセキ、イスラボニータ、ダノンシャンティ、ストレイトガール、カネヒキリなどのGⅠ馬を輩出。種牡馬でも優秀でしたね。改めてご冥福をお祈り申し上げます。
今年のダート界は、ホッコータルマエが帝王賞でGⅠ9勝目を挙げ、「ダートGⅠ10勝」の大記録に王手をかけながらも、JBCクラシック以降足踏み状態が続き、大記録は来年に持ち越し。コパノリッキーはフェブラリーステークスで史上初の連覇を果たし、骨折休養後にJBCクラシックを制覇。しかし、チャンピオンズカップでサンビスタが牝馬として初のCC制覇の快挙。番狂わせを起こしたサンビスタはそのまま現役を引退。そして暮れの東京大賞典で、夏から急成長を遂げたサウンドトゥルーが勝利。
12月の2つのGⅠ競走でサンビスタとサウンドトゥルーが勝利したことで、2015年の「JRA賞最優秀ダートホース」争いはわからなくなりました。唯一GⅠ2勝を挙げたコパノリッキーが有力だろうけど、チャンピオンズカップと大賞典で完敗したからなあ…。2016年もタルマエとリッキーの時代が続くのか?それともサウンドトゥルーとノンコノユメの「新勢力」が主役を掴むのか?ダート戦線は戦国時代へと突入します。