9月最後の日曜日の28日は、阪神競馬場で菊花賞トライアル・神戸新聞杯、新潟競馬場では秋の古馬GⅠに向けてのステップレース・産経賞オールカマーが行われました。神戸新聞杯には今年の日本ダービー馬・ワンアンドオンリーが出走。先週のセントライト記念でイスラボニータが快勝しましたが、果たしてワンオンの秋初戦はどうなった?
阪神メイン・第62回神戸新聞杯(GⅡ・芝2400m 16頭立て)は、⑩ワンアンドオンリーのほかにも、京都新聞杯を勝った⑥ハギノハイブリッド、夏に2連勝した⑧サトノアラジン、ダービー16着からの巻き返しを図る④トーセンスターダム、皐月賞3着③ウインフルブルーム、他にも⑯ヴォルシェーヴ、⑦ヤマノウィザードなどが出走しました。
正面スタンド前でのスタートで、ワンアンドオンリーはやや後手を踏んだ感じ。一方でウインフルブルームと⑤トップボンバーが好スタートを切り、トップボンバーが先手を取る。サトノアラジンは中団につけ、トーセンスターダムは中団より後ろ。ワンアンドオンリーは後方3番手でゴール板を通過した。
1・2コーナーから向正面に入り、トップボンバーが先頭でレースを引っ張り、フルブルーム2番手、3番手に⑭ダンディーズムーン、4番手①シャンパーニュ。5番手に⑮キネオペガサス、ヤマノウィザード6番手、7番手②トーホウジャッカル、8番手の位置にアラジンが追走。その後ろの9番手にスターダム、外側に⑬スズカデヴィアスが迫る。11番手にハギノハイブリッド、12番手⑪サウンズオブアース。後方は13,14番手のところにヴォルシェーヴとワンオンが並走。その後は⑥クロニクルスカイ、⑫マッチボックスと続く。
外回り3コーナーを回り、先頭を行くトップボンバーにウインフルブルームが接近。サトノアラジンが7番手から進出開始。トーセンスターダムはまだ中団に控え、ワンアンドオンリーが外から徐々にポジションを上げにかかる。3,4コーナー中間点のところで、アラジンとワンオンが先頭集団に追いつく。
最後の直線コースに入り、ワンアンドオンリーが僅かに抜け出すが、サトノアラジンも必死に喰らいつく。外からはサウンズオブアースもやって来ている!残り200~100mでサウンズとワンオンが競り合い、大外からトーホウジャッカルが追い込み、最後はワンオン・サウンズ・ジャッカルの3頭が並んでゴールイン!3頭並ぶ大接戦は、内で粘ったワンアンドオンリーが僅差で先着!ダービー馬の底力を発揮し、神戸新聞杯を制しました!
菊花賞トライアル・神戸新聞杯は、ワンアンドオンリーが単勝オッズ1.6倍の圧倒的1番人気に応えて優勝しました。道中は後方で待機し、3,4コーナー辺りで外から一気に上昇。手綱を抑えたまま先頭に躍り出て、このまま楽勝ムードかと思われました。しかし、大外のサウンズオブアースに並ばれ、一旦はかわされるも、ゴール前で差し返すという勝負根性を発揮しました。秋初戦のレースを勝ったことで、菊花賞制覇もありうるか?
2着に入ったサウンズオブアースと3着のトーホウジャッカルはワンオンに迫りましたが、あと一歩で金星を逃しました。それでも、ダービー馬相手に大健闘を見せ、菊花賞の優先出走権を手に入れました。2番人気のサトノアラジンは4着、3番人気トーセンスターダムは7着、4番人気ウインフルブルームは13着に終わりました。
勝ったワンアンドオンリーは、ダービーに続いての重賞連勝。鞍上の横山典弘騎手は、宝塚記念以来の重賞勝ちを収めました。横山ノリさんは、来週の凱旋門賞でゴールドシップに騎乗。ノリマジックでゴルシを世界制覇に導けるでしょうか?
新潟のメインレース・第60回産経賞オールカマー(GⅡ・芝2200m 18頭立て)は、小倉記念を勝った⑧サトノノブレス、2012年のNHKマイルカップを制した④カレンブラックヒル、重賞2勝の実績を持つ⑪マイネルラクリマ、エリザベス女王杯2着の⑥ラキシス、2年前の勝ち馬⑱ナカヤマナイト、⑯フェイムゲーム、⑮マイネルメダリスト、⑨クランモンタナ、⑰アロマティコなどが参戦。
新潟名物・長い直線コースでの先行争いで、カレンブラックヒルが逃げを打ち、マイネルラクリマが2番手につけ、サトノノブレス、クランモンタナも先行策に出る。向正面のところで、ブラックヒルが先頭、ラクリマ2番手、③ムスカテールが3番手、ノブレスは4番手、ラキシスが5番手、6番手にモンタナが追走する。②エバーブロッサムと⑦ニューダイナスティが7,8番手で並び、ナカヤマナイト・⑤クリールカイザー・①アスカクリチャンの3頭が9番手集団を作る。その後ろの12番手グループには、フェイムゲーム、マイネルメダリスト、⑫セイクリッドバレーの3頭。後方は⑭トラストワンと⑩アドマイヤギャラン、⑰アロマティコと⑬フラガラッハという展開。
内回り3コーナーに差し掛かり、ブラックヒルが逃げ、ラクリマが2番手キープ。クランモンタナが外から進出し、サトノノブレスは早くもムチが入っている。さらに大外からナイトもやって来ている。4コーナーから直線に入り、カレンブラックヒルが逃げ粘るが、マイネルラクリマが先頭に立つ。ラキシスも馬群を突き割って2番手まで浮上。真ん中からクリールカイザー、大外からはフラガラッハも追い込んできている。しかし、ラクリマが抜け出して先頭でゴール!マイネルラクリマが激戦を制しました!
秋のGⅠに向けて何としてでもアピールしたい馬たちが集まった伝統の一戦は、単勝2番人気のマイネルラクリマが優勝。スタートから2番手で追走し、ラストの直線で抜け出し、後続の追撃を抑えました。混戦の2着争いは、ラキシスが入り、3着にクリールカイザー、フラガラッハが4着という結果に。3番人気のクランモンタナは14着、1番人気のサトノノブレスは16着大敗。ノブレスは4コーナーあたりでムチが入っていたし、直線ズルズルと下がってしまいました。それにしても負けすぎです。
勝ったマイネルラクリマは、2012年の京都金杯、昨年の七夕賞に次いで、3度目の重賞制覇。ここ最近はエプソムカップで2着、七夕賞で3着と2戦続けて上位入線、今回はGⅡ初勝利&秋の天皇賞の優先出走権を獲得しました。「ローカル巧者」が天皇賞で波乱を起こせるか?
さて、来週の10月5日は、新潟競馬場で秋のスプリント王決定戦・スプリンターズステークスが行われます。高松宮記念を勝ったコパノリチャード、昨年2着の雪辱に燃えるハクサンムーン、アイビスサマーダッシュを勝ったセイコーライコウ、元2歳女王・ローブティサージュ、レッドオーヴァル、ストレイトガール、スノードラゴン、トーホウアマポーラ、マジンプロスパー、グランプリボス、ガルボなどが登録しています。12年ぶりとなる新潟でのGⅠレースを制すのは一体どの馬か?
そして、5日夜は世界最高峰レース・凱旋門賞(フランス・ロンシャン競馬場)があります。日本からはハープスター、ゴールドシップ、ジャスタウェイの3頭が参戦。海外勢では、3歳牝馬ながらキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを勝ったタグルーダ(英国)、デビューから6戦6勝のアヴニールセルタン(フランス)、6連勝でニエル賞を勝ったエクト(フランス)、フォワ賞で復活勝利を挙げたルーラーオブザワールド、昨年の覇者で不振が続くトレヴなどが出走予定。
イギリスのブックメーカーのオッズでは、タグルーダが1番人気、エクトが2番人気、アヴニールセルタンとジャスタウェイとハープスターが3番人気で並び、ゴールドシップはトレヴと並んで6番人気タイです。エルコンドルパサー、ディープインパクト、オルフェーヴル、キズナが成し得なかった「凱旋門賞制覇」の夢。今年こそは日本勢初優勝の悲願が達成されることを祈るばかりです。