2013年のダート競馬の総決算・第59回東京大賞典(GⅠ・2000m)が29日、東京・大井競馬場で行われました。地方競馬唯一の国際GⅠ競走であるこのレース、今年は10頭立ての予定が、③プロディージュ(大井)が右前肢球節炎で出走を取り消したため、9頭立てで争われました。JRA勢からは、今年GⅠ3勝の⑤ホッコータルマエ、今年は帝王賞2着⑥ニホンピロアワーズ、もう2着は嫌だ④ワンダーアキュート、昨年の優勝馬で連覇を狙う⑦ローマンレジェンド、3歳馬⑨サトノプリンシパルの5頭が参戦。対する地方勢は、昨年の東京ダービー馬⑩プレティオラス(大井)、②カキツバタロイヤル(船橋)、①トウホクビジン(笠松)、⑧ガンズオブナバロン(金沢)の4頭が出走しました。
単勝の上位人気は、ホッコータルマエが単勝オッズで1.6倍と圧倒的な1版人気を集め、2番人気はワンダーアキュート(3.7倍)、ニホンピロアワーズが僅差の3番人気(3.7倍)でした。その後はローマンレジェンド(8.1倍)、サトノプリンスパルと中央勢が占め、6番人気のプレティオラスのオッズが128.6倍でした。
スタート前、ローマンレジェンドがゲート内で暴れ出し、一旦ゲートから出て再び入るも落ち着かず。注目のスタートは、ローマンが出遅れて後方からのスタート。先行争いではサトノプリンシパルが馬なりで先頭を奪い、ワンダーアキュートとニホンピロアワーズが2,3番手、ホッコータルマエは4番手追走、その内のトウホクビジンが5番手、ローマンレジェンドは8番手でゴール板を通過。序盤からゆったりとした流れで進み、先頭を行くプリンシパルは向正面に入ったところで後続を大きく引き離す。単独2番手にアキュート、3番手アワーズ、タルマエは依然として4番手。やや離れた5番手にトウホクビジン、ローマンとガンズオブナバロンが6,7番手で並走。後方はカキツバタロイヤル8番手、プレティオラスがしんがり追走。南関東勢は置かれてる。
残り800mを切ってもサトノプリンシパルがマイペースで大逃げを打つが、3コーナーを過ぎた所でアワーズ・タルマエ・アキュートの2番手集団との差が徐々に縮まる。そして4コーナー手前で2番手集団がプリンシパルを捕らえた。4コーナーから最後の直線に差し掛かり、最内のワンダーアキュートがわずかに前に出るが、真ん中のニホンピロアワーズ、外からホッコータルマエも譲らない。残り200mでアワーズが後退し、タルマエがアキュートをかわし、ラスト100mで完全に抜け出して先頭ゴールイン!今年最後のダートGⅠを制したのはホッコータルマエ!ジャパンカップダートの雪辱を果たし、今年交流GⅠ4勝目です!
全着順&払戻金
1着⑤ホッコータルマエ 2:06:6
2着④ワンダーアキュート 1馬身1/2
3着⑥ニホンピロアワーズ 2馬身1/2
4着⑨サトノプリンシパル 1馬身3/4
5着②カキツバタロイヤル 9馬身
6着⑦ローマンレジェンド 1/2馬身
7着⑩プレティオラス 2馬身
8着①トウホクビジン 1馬身1/4
9着⑧ ガンズオブナバロン 2馬身
③プロディージュ 出走取消
単勝 ⑤ 160円
複勝 ⑤ 100円 ④ 100円 ⑧ 100円
枠複 [4]ー[5] 250円
枠単 [5]-[4] 350円
馬複 ④-⑤ 240円
馬単 ⑤-④ 370円
ワイド ④-⑤ 110円 ⑤-⑥ 110円 ④-⑥ 150円
三連複 ④-⑤-⑥ 160円
三連単 ⑤-④-⑤ 560円
ダート界の1年を締めくくる大一番・東京大賞典は、最後の直線でホッコータルマエ、ワンダーアキュート、ニホンピロアワーズが競り合い、最後はタルマエが抜け出して1着。断然の1番人気にしっかりと応えてみせました。1馬身半差の2着に入ったワンダーアキュートは、JBCクラシックとJCDに続き、GⅠ3戦連続2着。なんて詰めの甘い馬なんでしょうか。カキツバタロイヤルが地方勢で最高の5着に入り、連覇を狙ったローマンレジェンドは6着に終わりました。ゲート内で暴れたり、スタートで出遅れたり、先頭争いに加われず、地方馬に先着を許したりと全くいいところなし。1年前は「ローマンの時代が来る」と思ったけど、旬が過ぎてしまいましたねえ。
ホッコータルマエの手綱を取った幸英明騎手は、東京大賞典は2006年以来の勝利で通算2勝目。管理する西浦勝一調教師は同レース初勝利です。
ホッコータルマエの2013年の活躍を振り返ってみると、2月の佐賀記念で交流重賞初勝利を挙げてから快進撃が始まり、5月のかしわ記念でGⅠ初勝利。さらに帝王賞も勝って5連勝。秋にはマイルチャンピオンシップ南部杯で2着に敗れて連勝が止まるも、JBCクラシックをレコードタイムで逃げ切り勝ち。ジャパンカップダートではよもやの3着。そして今回の東京大賞典で今年GⅠ4勝目を飾りました。今年は10戦7勝と優秀な成績。「NARグランプリダートグレード競走特別賞」は決定的だけど、「JRA賞最優秀ダートホース」を獲得できるかは微妙な気がします。だって中央のGⅠ勝ってないから…。
2014年は川崎記念から始動。さらにはフェブラリーステークス&ドバイワールドカップ挑戦も考えているそうです。「タルマエ時代」は来年以降も続くのでしょうか?