野球日本代表(侍ジャパン)のWBC制覇の感動が残る中、25日深夜の「ドバイワールドカップデー」で、イクイノックスがドバイシーマクラシックでレコード勝ち、さらにドバイワールドカップでウシュバテソーロが優勝し、日本競馬界にとって歴史的な1日となりました。ドバイの歓喜から一夜明けた26日は、中京競馬場で春の最強スプリンター決定戦・第53回高松宮記念(GⅠ・芝1200m 18頭立て)が行われました。シルクロードステークス覇者⑮ナムラクレア、4連勝で阪急杯を制した⑪アグリ、2021年香港スプリントでの落馬から1年3カ月ぶりの復帰⑪ピクシーナイト、オーシャンステークスを勝った⑦ヴェントヴォ―チェ、⑱ウインマーベル、⑭トウシンマカオに加え、⑥ナランフレグ、⑧ロータスランド、③キルロード、①トゥラヴェスーラ、⑤メイケイエールの昨年のこのレース1~5着馬が揃って参戦しました。
単勝オッズは、1番人気メイケイエール(4.5倍)、2番人気ナムラクレア(5.4倍)、3番人気アグリ(6.3倍)、4番人気ロータスランド(7.0倍)、5番人気トウシンマカオ(7.9倍)まで10倍以下。その後はウインマーベル、ヴェントヴォーチェ、ピクシーナイト、ナランフレグ、⑯グレナディアガーズと続きました。
スタートで、ナランフレグとグレナディアガーズが出遅れる。先行争いで、好スタートを決めた⑩オパールシャルムが行くかと思いきや、キルロードがハナに立つ。3,4番手から②ダディーズビビッドと④ウォーターナビレラ、5,6番手の位置にアグリとメイケイエールがつける。ウインマーベルが7番手に浮上し、中団グループにはトゥラヴェスーラ・ヴェントヴォーチェ・⑬ファストフォース・ロータスランド・ピクシーナイト・ナムラクレアと固まっている。14番手トウシンマカオ。15番手⑨ディヴィナシオン、16番手ナランフレグ、17番手⑰ボンボヤージ、最後方にグレナディアガーズという展開。
3,4コーナー中間のところで、キルロードがわずかに先頭、シャルム2番手、アグリが3番手に浮上してきた。マーベルも外に持ち出し、エール・クレア・ロータスは中団待機。マカオはまだ後ろのポジション。
4コーナーを回り、ラストの直線の攻防。残り400mを切ってアグリが先頭、キルロードとアグリの間からファストフォースが伸びてきて、外からナムラクレアも接近。ヴェントヴォーチェも最内を掬っている。残り200mでファストが前に出ると、クレアも外から並びかける。後続からナランフレグとロータスランド、一番外からグレナディアガーズも追い込んで来たが、ファストフォースが抜け出して先頭ゴールイン!ナムラクレア2着、最内で頑張ったヴェントヴォーチェが3番手入線。
【高松宮記念 全着順】
1着⑬ファストフォース
2着⑬ナムラクレア
3着①トゥラヴェスーラ
4着⑥ナランフレグ
5着⑯グレナディアガーズ
6着⑦ロータスランド
7着⑫アグリ
8着④ヴェントヴォーチェ
9着③キルロード
10着⑱ウインマーベル
11着④ダディーズビビッド
12着⑤メイケイエール
13着⑪ピクシーナイト
14着⑨ディヴィナシオン
15着⑭トウシンマカオ
16着②ウォーターナビレラ
17着⑩オパールシャルム
18着⑰ボンボヤージ
【払戻金】
単勝 ⑬ 3,230円
複勝 ⑬ 660円 ⑮ 220円 ① 770円
枠連 7⃣-7⃣ 1,690円
馬連 ⑬ー⑮ 7,920円
馬単 ⑬ー⑮ 24,330円
3連複 ①-⑬-⑮ 81,180円
3連単 ⑬-⑮-① 668,280円
ワイド ⑬ー⑮ 2,360円 ①-⑬ 6,520円 ①-⑮ 4,290円
不良馬場で行われた高松宮記念は、単勝12番人気の伏兵・ファストフォースが、ゴール前抜け出して快勝。2番人気のナムラクレアは2着、3着のトゥラヴェスーラは13番人気。2ケタ人気が2頭馬券圏内に入ったので、3連単で66万8千円台の高配当がつきました。前回優勝のナランフレグは4着、4番人気のロータスランド6着。3番人気のアグリは一度は先頭に躍り出るも、最後に失速して7着に沈みました。
1番人気のメイケイエールは12着と大敗。スタート後に折り合いが良くなく、直線でも前が開かず。半年前のスプリンターズステークスの時も1番人気で14着と惨敗。GⅢとGⅡの重賞では通算6勝を挙げながらも、GⅠの舞台では持ち前の力を発揮できず。無冠のまま引退してしまうのか。
GⅠ初勝利のファストフォースは、2021年のCBC賞以来の勝利を挙げ、重賞通算2勝目。鞍上の団野大成騎手はデビュー5年目、西村真幸調教師は厩舎開業9年目で嬉しいGⅠ初制覇を果たしました。団野騎手はゴール手前のところからガッツポーズを出してましたが、勝利インタビューでは「直線でアグリを妨害してしまった」と反省を口にしておりました。騎乗停止とはいかなかったものの、過怠金50,000円が科されました。
父・ロードカナロア、母の父・サクラバクシンオーと名スプリンターの血を持つファストフォースですが、2歳時は未勝利が続いて地方転入も経験。中央復帰後は芝1200mのレースで連勝し、2021年CBC賞では1分06秒0のJRAレコードで重賞初制覇。ついに覚醒かと思ったら、その後は勝ち切れず成績低迷。昨年のセントウルステークスでメイケイエールの2着に入ると、前走のシルクロードステークスではナムラクレアにアタマ差の2着。この日の高松宮記念では、ナムラクレアを残り100mを切ったところで振り切り、前走の雪辱を果たしました。
地方への移籍、レコード勝ち後の成績不振を乗り越えて、7歳にして初めてのGⅠタイトル獲得。ここまで来るのにだいぶ遠回りされましたねぇ。この勝利がフロックか、そうでないかは、今後の活躍次第だと思います。