2006年に生まれた7768頭の3歳馬の頂点を決める第76回日本ダービー(東京優駿)が31日、東京競馬場で行われました。今年のダービーは、皐月賞との2冠を目指す⑱アンライバルド、皐月1番人気ながらも14着惨敗に終わった①ロジユニヴァース、ロジと同様巻き返しを誓う⑫リーチザクラウンの「3強」の他に、2歳王者⑪セイウンワンダー、NHKマイルカップ優勝馬・⑨ジョーカプチーノ、皐月2着の⑭トライアンフマーチ、青葉賞を勝った②アブレザンレーヴ、プリンシパルステークス優勝の⑥ケイアイライジンのトライアル組などが出走。雨で不良馬場というコンディションの中で行われた頂上決戦を制したのは?
直前の単勝オッズでは、アンライバルドが1番人気(2.1倍)、2番人気にはロジユニヴァース(7.7倍)、3番人気・セイウンワンダー(9.0倍)、以下アプレザンレーヴ(9.5倍)、リーチザクラウン(9.9倍)と10倍以下を切る馬が5頭もいました。
綺麗なスタートで始まったこのレース、先行争いではリーチザクラウンとジョーカプチーノが抜け出しますが、カプチーノが単独で先頭に立ち、リーチは2番手から。アンライバルドは後方に下げてゴール板を通過しました。1,2コーナー中間地点→向正面に入り、ジョーがレースを引っ張り2番手以降を5馬身以上離して大逃げ状態。リーチ2番手、ロジはその後ろの3番手につけます。トライアンフが7番手、隣にケイライライジンがつけ、アプレザンレーヴが9番手、10番手以降では③フィフスペトル、ダービー初挑戦・三浦皇成騎乗の⑮アーリーロブスト、⑰アイアンルックが12番手、セイウンワンダーとアンライバルドは13番手付近にいて、⑧ブレイクランアウトが後方2番手、⑬シェーンヴァルト最後方で3コーナーへ。
府中のケヤキを過ぎ、ジョーとリーチとの差が徐々に縮まり、4コーナーから最後の直線に入るところでリーチザクラウンが先頭。最内からロジユニヴァースが並びかけ、外に持ち出したアンライバルドは苦しんでいる。先頭争いではロジ、リーチの他に⑩アントニオバローズ、⑭ゴールデンチケットの4頭が並ぶ展開になるが、内のロジが先頭に立ち、リーチはまだ2番手で粘っている。ロジユニヴァースは残り200mを切ってリーチを突き放し、そのまま1着でゴールイン!ロジユニヴァースが復活Vでダービー制覇!2着争いはリーチとアントニオが並んだが、わずかにリーチが粘って2着。アンライバルドは馬群に消えて2冠の夢が潰えました。
最終成績&払戻金
1①ロジユニヴァース 2:33.7
2⑫リーチザクラウン 4
3⑩アントニオバローズ アタマ
4⑦ナカヤマフェスタ 1/2
5②アプレザンレーヴ 3/4
6⑬シェーンヴァルト 1/2
7⑭ゴールデンチケット 1.1/2
8⑤マッハヴェロシティ クビ
9④トップカミング 1/2
10⑥ケイアイライジン 3
11③フィフスペトル 1.1/2
12⑱アンライバルド 3/4
13⑪セイウンワンダー 1.3/4
14⑯トライアンフマーチ 7
15⑧ブレイクランアウト 1.3/4
16⑮アーリーロブスト 大差
17⑰アイアンルック 3/4
18⑨ジョーカプチーノ 大差
単勝 1 770円
複勝 1 390円 12 430円 10 620円
枠連 1-6 1,020円
馬連 1-12 3,760円
馬単 1-12 7,870円
ワイド 1-12 1,650円 1-10 4,090円 10-12 3,350円
3連複 1-10-12 40,320円
3連単 1-12-10 201,960円
ロジユニヴァースが皐月のリベンジを達成してダービー制覇、3歳世代の7768頭の頂点に立ちました。2着にはリーチザクラウン、アントニオバローズが3着に入りました。1番人気のアンライバルドは馬群に消えて12着、セイウンワンダーは13着、前半大逃げを打ったジョーカプチーノは最後の直線で失速して最下位に終わりました。
ロジに騎乗した横山典弘騎手はデビュー24年目、ダービー挑戦15回目で悲願の初勝利。GI勝利は2004年の春の天皇賞以来5年ぶり16度目となります。ダービーは2着が3度あり、90年のメジロライアン、2003年と2004年には2年連続で2着惜敗という記録もありました。他のGIレースでも2着が続いたため「シルバーコレクター」だったんですが、今回の勝利でその有り難くない呼び方を返上することができました。関東馬がダービーを制したのは12年ぶりだそうで、「関東復権」の兆しが見えたかもしれません。関西馬の独占が続く中、関東馬の巻き返しは今後もあるのでしょうか?
ロジユニヴァースはデビューから負け無しで、3冠候補として挙げられていたんですが、皐月賞ではまさかの14着惨敗。その時は馬体重が490キロと弥生賞より絞りすぎた事が敗因の一部でした。本番では16キロ増の506kg、デビュー以来最重量だったけど、馬体が回復した印象を受けました。回復したということもあれば、最内枠を引き当てたこと、道中は内側を前の方で走り続けたことが大きかったですね。これで6戦5勝となり、父のネオユニヴァースとの親子制覇も達成しました。ちなみに、ネオユニ産駒は牡馬クラシック2冠達成です。次の目標は菊花賞で2冠を目指すことになるでしょう。
2冠を目指していたアンライバルドは12着に終わりました。①大外枠の18番、②道中は後方待機、③最後は外側に持ち出したけど伸び切れなかった、④馬体重が前走より6キロ減とロジとは真逆です。うーん、やはり大外枠はダービーで勝てませんか。皐月ではアンライが勝ってロジが14着、今度はロジが勝ってアンライが12着と立場が入れ替わる結果に。ネオユニチルドレン対決は1勝1敗の五分、2頭の戦いは秋以降に続く…。
来週は春のマイル王決定戦の安田記念。東京競馬場のGI5連戦も残すところあと1つです。を決めるこのレースには、ウオッカとディープスカイの古馬2強が登場し、現役最強馬を決める戦いといえそうです。2強以外ではスーパーホーネット、スズカコーズウェイ、トウショウカレッジ、ファリダット、ローレルゲレイロ、香港からはアルマダとサイトウィナーの2頭が参戦します。今年は「アジア最強マイラー」とともに「現役最強馬」を決める戦いになりそうです。