武豊&ドウデュースの復活Vに沸いた有馬記念から4日経った28日は、中山競馬場で2歳馬の中距離王者決定戦・第40回ホープフルステークス(GⅠ・芝2000m)が行われました。18頭立てのところ、①ゴンバデカーブース(感冒)と⑰サンライズアース(左前挫跖)が出走取消で16頭で争われた今回は、2020年凱旋門賞馬ソットサスの弟⑥シンエンペラー、スワーヴリチャード産駒の牝馬⑬レガレイラ、⑪ショウナンラプンタ、グランプリジョッキー武豊騎乗⑯センチュリボンド、②ヴェロキラプトル、さらには3人の女性ジョッキーが競演し、ドイル騎手は④アドミラルシップ、藤田菜七子騎手は③アンモシエラ、今村聖奈騎手は⑭ホルトバージに騎乗しました。
スタートでレガレイラが少し遅れ、⑱ミスタージーティーも外に寄れた。スタンド前での先行争いで、⑮ウインマクシマム、⑤サンライズジパング、アンモシエラ、ヴェロキラプトルの4頭が前を行くが、ヴェロキラプトルとアンモシエラの2頭が抜ける。シンエンペラー4番手、ショウナンラプンタとセンチュリボンドは中団馬群、レガレイラは後方3番手でゴール板を通過。
1コーナーから2コーナーに向かうところで、ヴェロキラプトルが先頭、アンモシエラ外側2番手、ショウナンラプンタが3番手まで押し上げる。シンエンペラー4番手に控え、サンライズジパング5番手。6番手集団には内側⑨タリフライン、真ん中⑧インザモーメント、外側ウインマクシマム。中団グループには⑩シリウスコルト、⑫ディスペランツァ、センチュリボンドは11番手追走。その後ろには、アドミラルシップとミスタージーティーが並び、14番手レガレイラ、15番手⑦テンエースワン、最後方にホルトバージ。
3コーナーを回り、ヴェロキラが先頭、アンモシが2番手、ラプンタ3番手、エンペラーは4番手。サンジパとマクシマムが外から押し上げ、レイラとセンチュリは中団馬群。4コーナー手前でタリフラインが故障発生。
最後の直線に差し掛かり、シンエンペラーがヴェロキラプトルをかわして先頭に浮上!後続を引き離して押し切りを図る。2番手争いでは、サンライズジパングとレガレイラ、シリウスコルトにアドミラルシップと大混戦。残り100mでエンペラーが粘るが、外から一気にレイラが襲い掛かり、ゴール前でエンペラーを差し切ってゴールイン!牝馬のレガレイラがホープフルステークスを制しました!そしてシンエンペラーは2着。
【ホープフルステークス 全着順】
1着⑬レガレイラ
2着⑥シンエンペラー
3着⑤サンライズジパング
4着④アドミラルシップ
5着⑱ミスタージーティー
6着⑩シリウスコルト
7着⑪ショウナンラプンタ
8着⑧インザモーメント
9着⑫ディスペランツァ
10着②ヴェロキラプトル
11着⑭ホルトバージ
12着⑮ウインマクシマム
13着⑦テンエースワン
14着⑯センチュリボンド
15着③アンモシエラ
中止⑨タリフライン
取消①ゴンバデカーブース
取消⑰サンライズアース
【払戻金】
単勝 ⑬ 310円
複勝 ⑬ 140円 ⑥ 140円 ⑤ 1,350円
枠連 3⃣-7⃣ 520円
馬連 ⑥-⑬ 530円
馬単 ⑬-⑥ 1,150円
ワイド ⑥-⑬ 280円 ⑤-⑬ 5,130円 ⑤-⑥ 5,390円
3連複 ⑤-⑥-⑬ 18,800円
3連単 ⑬-⑥-⑤ 56,240円
2023年最後のJRAのGⅠ競走は、レガレイラが大外から豪快な末脚を見せ、早めに抜け出たシンエンペラーをゴール手前で差し切って優勝しました。牝馬がこのレースを制したのは、GⅠ昇格後初めての快挙です。シンエンペラーが直線入ってすぐ先頭に立った時は、完勝だろうと思いましたが・・・。3着に入ったサンライズジパングは13番人気の伏兵。3番人気のショウナンラプンタは7着、中央GⅠ完全制覇を狙った武豊騎手のセンチュリボンドは14着に終わりました。
女性騎手勢はドイル騎手の4着が最高で、今村騎手は11着、藤田騎手は15着という結果でした。なお、4コーナーでタリフラインが故障を発症して競走中止。レース後の検査で両腸骨の骨折が見つかり、予後不良となりました。
勝ったレガレイラは、美浦・木村哲也厩舎に所属し、父がスワーヴリチャード、母はロカ。今年種牡馬デビューのスワーヴリチャード産駒は、これがGⅠ初制覇となりました。鞍上のクリストフ・ルメール騎手は、ホープフルGⅠ昇格後初勝利。今年はイクイノックスでGⅠ4蓮勝を挙げれば、菊花賞でドゥレッツァ、春の天皇賞でジャスティンパレス、エリザベス女王杯でブレイディヴェーグで勝利し、国内外でGⅠ8勝をマーク。JRA・GⅠでも通算50勝目に到達しました。
レガレイラは今年7月9日の函館競馬場での新馬戦でデビューし、直線差し切ってデビュー勝ち。2戦目のアイビーステークスでは1番人気に支持されるも、ダノンエアスロックをとらえきれず3着。3戦目となるこの日は、牡馬を捻じ伏せてGⅠ初制覇を果たしました。イクイノックスが去った木村厩舎から、新たな怪物が生まれました。木村調教師の話によると、来年春の皐月賞に挑戦予定。牝馬が皐月賞を勝つのを一度は目にしたいですね。
JRA賞の最優秀2歳牝馬は、例年だと阪神ジュベナイルフィリーズの勝ち馬が選出され、今年はアスコリピチェーノがデビュー3連勝で2歳女王となりました。しかし、今回のホープフルステークスでレガレイラが勝ったので、最優秀2歳牝馬争いがわからなくなりました。レイラが混合GⅠで牡馬相手に勝ったのはインパクト大きいけど、アスコリは3戦無敗で重賞2勝と実績十分。記者投票で「真の2歳女王」に輝くのはどちらになるのか?記者たちもいま、大いに迷っていることでしょう。