今回は久しぶりにボクシングネタです。WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ「井上尚弥(大橋ジム)VSヨアン・ボワイヨ(フランス)」戦が30日、横浜文化体育館で行われました。チャンピオンの井上選手は、現在までWBO王者を6度防衛中で、今回が7度目の防衛戦でしたが、衝撃的なKOシーンを見せてくれました!
第1ラウンド開始から井上が相手に圧力をかけ、45秒過ぎに左のジャブがボワイヨの顔面を捉えます。ボワイヨも手数で対抗するが、井上がしっかりとガード。1分26秒辺りに連打でロープに追い詰めると、2分23秒に右フックが顔面にヒットし、ボワイヨがグラつく。そして残り16秒のところで井上の左フックがボワイヨの顎を捉え、ボワイヨが崩れ落ちるようにダウン!ボワイヨもなんとか立ち上がり第1ラウンドが終了。
第2ラウンドも井上が積極的に仕掛け、左右のボディブロー、右ストレートを見せる。ボワイヨは井上の重たいパンチを何度も浴びつづけるが、耐え続ける。このラウンドも井上が優位に進めた。
迎えた第3ラウンド、35秒に井上の左ボディブローがボワイヨの右わき腹に直撃。モロに喰らったボワイヨは、その数秒後に跪くようにダウン。この試合2度目のダウンを奪った井上はさらに猛攻。1分過ぎに相手をロープに追い詰め、またも左ボディで3度目のダウン。ボワイヨはパンチから逃れようと足を使うが、井上が追撃。最後はボディ連打でトドメを刺してレフェリーストップ。3R1分40秒、井上尚弥がTKO勝ちで7度目の防衛に成功しました。
もう本当に強すぎる!日本ボクシング界が誇る「モンスター」井上尚弥選手が、挑戦者のボワイヨ選手から4度のダウンを奪い圧勝。相手はフランス国内で3階級制覇、ここまで31連勝中と実績十分。身長でも162センチの井上選手を上回る170センチということで、少し難敵かと思われましたが、井上選手が力の差を見せつけました。パンチ一発一発の音が重たかったし、左右のフックが強烈でしたなあ。勝負を決めた第3ラウンドでは、ボディで3度もダウンを奪いました。
試合後のインタビューで「スーパーフライ級を卒業したい」と宣言。今年の井上選手は、5月のリカルド・ロドリゲス(米国)戦で3RTKO勝ち、9月にはアメリカで防衛戦を行い、アントニオ・ニエベスに6回終了TKO勝ち、今回も序盤でKO勝ちを収めて7度目の防衛に成功。
これで15戦全勝で13KO、今回の勝利で5戦連続KO防衛&世界タイトル戦で通算9度目のKO勝利となりました。試合後には「スーパーフライ級は今回で卒業し、来年はバンタム級で挑みたい」と宣言。スーパーフライでKO勝ちを量産した井上選手なら、バンタム級で3階級制覇達成できるでしょう!2018年もド派手なKOで日本中を大いに沸かせてほしい!
この日は世界タイトルマッチがもう1試合あり、WBC世界ライトフライ級タイトルマッチは、チャンピオンの拳四朗選手(本名・寺地拳四朗。BMBジム)が、挑戦者でWBC同級11位のヒルベルト・ペドロサ選手(パナマ)に4回TKO勝ちを収め、2度目の防衛に成功しました。
第1ラウンドに拳四朗が左のジャブで優位に立つ。2ラウンド目はペドロサが前に出るが、拳四朗が素早い動きで相手の攻撃をかわすと、相手のボディにパンチを打ち込む。第3ラウンドでは、1分15秒辺りで連打を見せると、左ジャブが的確に当たる。
拳四朗のペース進む中で迎えた第4ラウンド。19~20秒に拳四朗の右ストレートがペドロサの顔面にクリーンヒット。ペドロサがロープまで吹っ飛ぶと、拳四朗がラッシュを仕掛ける。ペドロサがクリンチで逃れた後も拳四朗が攻め続け、左ボディ→右アッパー→右フックでダウンを奪う。ペドロサが立ち上がると、なおもラッシュを見せ、最後はボディ連打で2度目のダウンを奪ったところで試合終了。4R1分12秒で拳四朗のTKO勝ちとなりました。
拳四朗選手は今年5月にガニガン・ロペスから同級王座を奪取、10月のペドロ・ゲバラ戦では2-0の判定勝ちで初防衛成功。2試合とも比嘉大吾選手&村田諒太選手の前座扱い、今回の防衛戦は初めて生中継での試合でしたが、「北斗百裂拳」で相手をノックアウト。全国区デビューを最高の結果で終えました。
拳四朗選手のお父さんである寺地永さんも嘗てはプロボクサーで、現役時代は日本ミドル級王座と東洋太平洋ライトヘビー級王座のタイトルを獲得。引退後はBMBジムの会長に就任し、息子を世界王者に育て上げました。
大みそかにはWBA王者の田口良一選手とIBF王者のミラン・メリンド選手の王座統一戦が実施。その勝者と拳四朗が、来年あたりに直接対決する可能性もあるかも…。